中古住宅を売りたい!売却の注意点と早く売るための対策方法を解説
中古住宅を売りたいと考えた時、「本当に自分の家は売れるの?」「売れやすい物件の傾向はあるの?」と気になっている人もいるのではないでしょうか。
本コラムでは、売れやすい中古住宅の条件や、売れやすくする工夫、そして売却前に知っておきたい注意点について解説します。
また、できるだけ早く売りたい場合の対策についても紹介しますので、中古一戸建てや中古マンションの売却を検討中の方は参考にしてくださいね。
・中古住宅の売却を成功させるには、売れやすい家の特徴を知り、売れやすくするにはどうすれば良いか、しっかりと戦略を立てることが重要です。
・売却時の注意点を押さえておくことで、売却の資金計画や不動産会社とのやり取りがスムーズになり、購入後のトラブルを防げます。
Contents
中古住宅はどれくらいの期間で売れる?(一戸建て・マンション)
はじめに、中古住宅は実際に売れるまでにどのくらいの期間がかかっているのかをデータで紹介します。
東日本不動産流通機構の調査によると、中古住宅の物件登録(販売開始)から成約に至る平均日数は、中古一戸建ては101.2日、中古マンションは74.7日となっています(2021年)。
(出典)レインズデータライブラリー「首都圏不動産流通市場の動向(2021年)」
不動産会社と媒介契約を結んでからレインズに登録するまでの期間も考慮すると、売却期間は
- ・中古一戸建て:3ヶ月半~4ヶ月程度
- ・中古マンション:2ヶ月半~3ヶ月程度
が目安となります。
また、事前準備から売却後の確定申告までをトータルした期間は約6ヶ月~1年程度を見込んでおきましょう。
早く売れやすい家の条件
中古住宅と一口に言っても、築年数や構造、面積、内装や設備の状態などは1件1件違います。
しかし、同じような条件の中古住宅でも、早く売れやすい家の特徴があります。
売却予定の中古住宅が、売れやすい家の条件に当てはまっているか知っておくと、売却戦略を立てるのに役立ちます。
①相場より安い物件
当たり前とも言えることですが、同じような条件の家なら、より安い方が売れやすいですよね。
なかなか買い手が見つからない場合、値下げをしたらすぐに買主が見つかった、というケースも多いです。
ただし、価格が安い方が売れるだろうと思って、初めから周辺の相場よりもかなり安い価格で売り出してしまうのはおすすめしません。
物件の価値に見合わない安い価格で売却してしまうと、その後のマネープランに大きく影響する可能性もあります。
物件の売り出し価格を決める際には、周辺の物件と比べてどんな魅力があるか、当初の売り出し価格をいつまで維持するのかなど戦略的に考えることが重要です。
②立地が良い物件
物件があるエリアの路線の利便性が高い、駅からの距離が近いなど、交通アクセスの良い立地の物件も売れやすいです。
また、商業施設が豊富、大型ショッピングモールがあるなど生活利便性が高いエリアや、閑静な住宅街で住環境が良いエリア、人気の学校の学区内にあるエリアなども、住宅の需要が高いので売れやすい傾向にあります。
③一般的な間取り・内装の物件
皆さんが家を新築したり分譲住宅を購入したりする時には、それぞれのライフスタイルに合った間取りや内装デザインを選択すると思います。
ベーシックで誰でも暮らしやすい間取りや、内装がシンプルでカスタマイズの余地がある住宅は、買主によっても選択肢に入れやすいため、売れやすい傾向にあります。
逆に、こだわりの強い間取りやデザインなど、万人受けしにくい物件は売れにくい傾向にあります。
中古住宅を売れやすくするポイント
事例を見る:Case29「心地よい「秩序感」が漂う家・ORDERED BROOKLYN!」
次に、中古住宅の売り出し前に実践できる、売れやすくする工夫をご紹介します。
①内装表面の補修やハウスクリーニングで印象アップ
内覧時に見栄えが良くない物件や、古さが目立つ物件は売れにくい傾向があります。
中古住宅である以上、傷みや劣化はどうしても出てきますが、壁紙の補修や障子の張り替えなど、簡単なプチリフォームだけで内覧の印象が大きく変わることもあります。
また、築浅の住宅なら、「すぐに綺麗な家に住める」というメリットをよりアピールするために、ハウスクリーニングをしておくのも有効です。
②インスペクションを実施する
インスペクションとは、住宅の設計・施工に詳しい建築士などの専門家が、住宅の劣化や不具合の状況について調査を行い、欠陥の有無や補修すべき箇所、その時期などを客観的に検査するものです。
インスペクションを活用することで、隠れた瑕疵の見逃しによる物件引渡し後のトラブルを防げます。
また、インスペクションを実施していない場合、買主側から「インスペクションを実施したい」と求められることがあります。
買主側がインスペクションを実施するには、売主の同意が必要な点を覚えておきましょう。
〈関連コラム〉
・中古住宅の売買でインスペクションは必要?費用や実施するタイミングを解説
・中古物件を購入する際に知っておきたい「ホームインスペクション」とは?“不要”“必要ない”というのは本当?メリット・費用について徹底解説
③瑕疵保険に加入して保証期間を延ばす
中古住宅の売主には、契約不適合責任(瑕疵担保責任)を負う義務がありますが、
売主が不動産会社以外の個人・法人の場合は、契約不適合責任の保証期間は「1~3ヶ月」とすることが多くなっています。
この中古住宅の保証期間を延ばす方法として、「瑕疵保険(既存住宅売買瑕疵保険)」を利用する方法があります。
既存住宅売買瑕疵保険は、中古住宅特有の売買条件や売買トラブルに対応するための「検査(インスペクション)と保証がセット」になった保険です。
個人間売買の場合、瑕疵保険の保険期間は5年間または1年間に設定できます。
買主は、売主の契約不適合責任を負う期間を過ぎても、瑕疵保険の保険期間の間は不具合に対する補償が受けられるため、大きな安心材料になります。
瑕疵保険の加入方法は過去のコラムで詳しく解説していますので、合わせてチェックしてみてください。
〈関連コラム〉
・中古住宅に保証はある?瑕疵保証や保険の期間・引き継ぎについて解説
どうしても早く売りたい時の対策は?
①相場より価格を下げて売り出す
売れやすい家の条件でも触れましたが、周辺相場よりも安い価格で売り出すことで、価格競争力が増して早期売却できる可能性を高められます。
②専任媒介契約にする
不動産会社に売却(仲介)を依頼する場合、「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類の契約方法があります。
中でも、「専任媒介」は、自分で買主を見つけること(自己発見取引)もでき、不動産会社は売却活動を定期的に報告する義務があるため、売却活動に力を入れてもらいやすいというメリットがあります。
早期に売却したい場合は、売却の選択肢が多く、デメリットが少ない「専任媒介」契約にすることを検討してみましょう。
③不動産会社の買取を利用する
「買取」とは、物件を不動産会社に直接買い取ってもらう売却方法です。
不動産会社を通して売主を見つけて売却する「仲介」と比べて、早く現金化できる、仲介手数料がかからない、契約不適合責任が免除されるなどのメリットがあります。
立地条件や建物状態が良くない中古住宅を売却するケースなど、売却まで時間をかけたくない場合や、売却後のトラブルをできるだけ避けたい時は、
不動産会社と相談の上で、「買取」を検討するのも1つの手です。
ただし、買取の査定価格は、市場相場よりも安価になりやすいというデメリットもあります。
中古住宅売却時に知っておきたい注意点
次に、中古住宅を売却する前に知っておきたい注意点を解説します。
①売却にも費用がかかる
中古住宅を売却すれば、売却した金額のお金がそのまま手に入ると思うかもしれませんが、実は売却するにも一定の諸費用がかかります。
<中古住宅売却にかかる諸費用の例>
- ・仲介手数料
- ・印紙税
- ・登記費用(抵当権抹消登記)
- ・ローン一括返済手数料
- ・住所変更登記費用
- ・譲渡所得税
- ・引っ越し、ハウスクリーニングなどの費用
〈関連コラム〉
・中古住宅売却の流れ|費用や確定申告・不動産会社の選び方まで解説
諸費用は売却価格の約5~7%が目安です。
特に「仲介手数料」や、売却して利益が出た場合に発生する「譲渡所得税」は、場合によっては高額になりますので、事前に費用をシミュレーションし、節税できる制度などを把握しておくのがおすすめです。
〈関連コラム〉
・中古住宅を売却すると税金がかかる?計算方法や3,000万円特別控除を解説
②売主の瑕疵担保責任(契約不適合責任)に注意
前章でも少し触れましたが、中古住宅の売主には、瑕疵保証責任を負うことが定められています。
瑕疵担保責任は2020年4月の民法改正で「契約不適合責任」と名前が変わっています。
契約不適合責任とは、「購入後に契約内容と異なる瑕疵(欠陥)や不具合が見つかった場合に、売主が責任を負う」ということです。
例えば、契約時には「雨漏りはない」と言われて売買契約をしたのに、入居後に雨漏りが見つかった場合、買主は売主に対して修繕費用の負担を求められます。
売主が宅建業者の場合は、引渡しの日から2年以上の契約不適合責任を負うことが宅建業法で定められています(宅建業法第40条)。
売主が宅建業者以外の契約不適合責任のポイント
売主が宅建業者以外(個人・法人とも)の場合は、契約不適合責任の保証期間は「1~3ヶ月」となることが多いです。
売却後のトラブルを防ぐために、瑕疵や不具合がある場合は「告知書」(物件状況確認書)や「付帯設備表」に、明確に記載しておくことが重要です。
また、売主が宅建業者以外の場合は、売主側の負担を軽減するため、売主・買主の合意があれば保証期間を短くしたり、契約不適合責任の一部や全てを免責したりする特約も締結できるようになっています。
ただし、免責特約のある住宅でも、売主が瑕疵や不具合を知りながら買主に故意に告げなかった場合などは特約の対象外となるので注意しましょう。
〈関連コラム〉
・中古住宅に保証はある?瑕疵保証や保険の期間・引き継ぎについて解説
③売却前のリフォームは慎重に検討する
中古住宅の売却時には、事前に新築のようにリフォーム・リノベーションした方が売れやすくなるのでは?と思う人もいるかもしれません。
しかし、売却前は安易に大掛かりなリフォームをするのはおすすめしません。
その理由は、実施したリフォーム費用に見合った売却額にならなかったり、リフォーム内容によっては購入者の幅を狭めてしまったりする可能性があるからです。
リフォームが必要かどうかは、現在の不動産市場や売り出し状況などを把握し、不動産会社とも相談しながら検討するようにしましょう。
〈関連コラム〉
・中古マンションの賢い売却のコツ|築年数別の売却相場や平均売却期間、リフォームの必要性を解説
④ローンを完済していない場合は要注意
住宅ローンなどを借りる際、購入する住宅の土地と建物に「抵当権」が設定されます。
抵当権を設定することで、買主は担保にローンを借りることができ、返済できない時は金融機関が物件を売却して代金を回収できます。
もし、売却時にローンが残っていた場合は、売却前にローンを完済して抵当権を抹消しなければなりません。
もし、売却費用と預貯金を合わせてもローン残債を完済しきれない場合は、売却自体が難しくなりますので注意しましょう。
⑤手付金の設定・買主のローン特約を要チェック
不動産を購入する際、買主は売主に対して、契約成立の証である「手付金」を支払います。
買主・売主の都合で契約を解約したい場合、買主は解約手付を放棄することで、売主は手付金の倍額を支払うことで、契約を解除できます。
手付金には、定められた金額はなく、売主と買主が協議した上で決定しますが、一般的には5~10%程度が相場です。
手付金の設定額が少なすぎると、買主が簡単に契約解除しやすくなってしまいますし、逆に多すぎると、売主側が契約解除する際の負担が大きくなってしまうため注意しましょう。
また、買主が売買契約に「ローン特約」を付けている場合も要注意です。
ローン特約とは、買主がローン審査に通らなかった場合、住宅の売買契約を白紙にできるという特約です。
ローン特約によって契約が解除された場合、売主は買主に手付金を全額返金しなければならないことも覚えておきましょう。
〈関連コラム〉
・中古住宅を買う時に必要な“手付金”の相場は?手付金なしの場合はある?基礎知識から詳細まで解説
・中古住宅の手付金はいつ払う?キャンセル時は返ってくる?払えない時の対策も解説
・中古住宅の手付金はフルローンに組み込める?払えない場合の対処法も解説
まとめ|中古住宅の売却はポイントを押さえて戦略を立てよう
中古住宅の売却を成功させるには、売れやすい家の特徴を知り、自分が売りたい家にはどんな魅力があり、売れやすくするにはどうすれば良いか、しっかりと戦略を立てることが重要です。
また、売却時の注意点を押さえておくことで、売却の資金計画や不動産会社とのやり取りがスムーズになり、購入後のトラブルを防げます。
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