中古住宅契約の注意点7つ|違約金などのトラブルを防止
初めてのマイホームに中古住宅を選ぶ方が増えていますが、契約の手続きや内容について不安に感じるケースが多いようです。
中古住宅は一軒ごとに建物や設備の状況が異なるため、契約内容をしっかり確認しないとトラブルに発展することもあります。
今回は中古住宅契約時に注意すべきポイントを詳しく掘り下げます。
ローン審査に通らなかったとき、何らかの理由でキャンセルするときの違約金にも関わりますので、しっかり覚えておきましょう。
・中古住宅の契約時は、内容をしっかり確認して分からない部分が残らないようにしましょう。
・手付金・違約金など、契約キャンセル時のリスクになるポイントも要チェックです。
Contents
■中古住宅は契約後トラブルが多い?
中古住宅の売買契約時は宅地建物取引士による「重要事項説明」が義務付けられていますが、専門的で理解が難しい内容も多いです。
しかし分からない内容をそのままで契約してしまうと、引き渡し後に大きなトラブルに発展する可能性があります。
特に中古住宅は構造部の劣化や設備の故障が後で見つかるケースもあり、不具合が発覚した際の責任の所在を契約書に明記する必要があるのです。
売主の責任を免除するような契約内容だと、購入後に大きな損害を被るリスクも考えられます。
しかし一般の方が不動産にまつわる法律をすべて勉強するのは、現実的ではありません。
トラブルの原因になりやすいポイントを効率よく覚えて、不利な契約を結ばないように準備しましょう。
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■中古住宅契約の注意点7つ
①基本的な内容に間違いがないか
中古住宅契約が初めての方は、まず契約書に記載される基本的な内容に間違いや齟齬がないかチェックしましょう。
- 売買物件の表示
- 売買代金、手付金等の額、支払日
- 所有権の移転と引き渡し
- 公租公課の精算
- 反社会的勢力排除
- ローン特約
- 負担の消除
- 付帯設備等の引き渡し
- 手付解除
- 引き渡し前の物件の滅失・毀損
- 契約違反による解除
- 瑕疵担保責任
- 特約事項
中古住宅の売買契約書には、基本的に上記の内容が記載されます。
契約書は不動産の専門家が作成するものですが、数字や内容の人為的な間違いが起こる可能性はゼロではありません。
手付解除やローン特約など具体的なポイントはこの後掘り下げますが、まずは売買金額や売主・買主の情報など分かる部分をしっかり確認しましょう。
契約書に間違いがあった場合は、修正テープなどは使用せず正しい手順で修正・押印するのが基本です。
ただし、契約書に間違いが多い場合は、仲介する不動産会社の管理・確認体制に注意が必要かもしれません。
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②引き渡し日
中古住宅の引き渡し日は事前に調整して決めるのが一般的ですが、不利な契約内容にならないよう注意が必要です。
例えば「引き渡し日は6か月以内で売主都合に合わせる」という内容だと、リノベーションや入居のスケジュールが難しくなります。
いきなり引き渡し日を指定されても、資金調達や書類手続きが間に合わないこともあります。
また現在入居中の中古住宅では、引き渡し日が半年以上先に設定されるケースも珍しくありません。
引き渡しが遅すぎてもなかなかリノベーションに着手できず、引っ越しも遅れるので余計な家賃が掛かってしまいます。
事前に売主と良く話し合い、契約までにお互い無理のない引き渡し日を決めておきましょう。
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③手付金額
契約時に支払う手付金に関する内容も、トラブルの原因になるため注意が必要です。
中古住宅売買では、売主・買主に契約解除権を持たせるため「解約手付」を設定するのが一般的です。
買主は手付金を放棄することで、売主は倍額を支払うことで売買契約を解除できる仕組みです。
手付金の相場は5~10%と言われていて、高すぎると買主都合で契約解除する際の費用負担が大きくなります。
手付金なしの契約も可能ですが、手付金放棄による解除ができず違約金を請求される可能性があるためおすすめできません。
キャンセルするつもりではなくても、万が一のリスクを考えて適正範囲の手付金を設定しましょう。
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④ローン特約・買換え特約
住宅ローンや自宅の売却益を中古住宅の支払いに充てる場合、ローン特約・買い替え特約を契約書に明記しましょう。
ローン特約を結んでおけば、契約後に住宅ローン本審査に通らなかった場合、手付金の放棄なしでキャンセルすることができます。
買い替え特約も同じ仕組みで、自宅が設定した金額で売れなかった場合にキャンセルできるようにする取り決めです。
ローン特約・買い替え特約を設定しておかないと、審査に通らなかったときや自宅が売れなかったとき中古住宅を購入できず、手付金も失うことになります。
必ず内容を確認したうえで契約書に明記してもらいましょう。
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⑤契約不適合責任
中古住宅の欠陥について売主の責任範囲を定める契約不適合責任も、必ずチェックすべき項目です。
契約不適合責任は、中古住宅が契約内容に適合しないとき売主が負う責任のことです。
例えば雨漏りしていない前提の中古住宅で、引き渡し後に発覚した場合売主が修繕費を支払うことになります。
逆に雨漏りしていることが契約書に明記してある場合は、売主の責任はなく買主の費用負担となります。
契約書には契約不適合責任の範囲や期限などが明記されますので、不利な条件になっていないか確認しましょう。
⑥付帯設備の引き渡しと残置物の処理
中古住宅の売買では家具や設備をそのままにして引き渡すケースもありますが、これも契約時にしっかりチェックすべきポイントです。
引き渡す設備は「付帯設備表」で確認します。故障や不具合についても明記されるので、すべての項目を必ずチェックしましょう。
また売主の荷物やゴミなどが残っている場合、残置物の処理について取り決めしておく必要があります。
いらないモノが残ったまま引き渡されないよう、売主が残置物を処分する旨を明記しておくと安心です。
⑦抵当権の抹消について
中古住宅に抵当権が残っている場合、引き渡しまでに売主が抹消手続きを行うのが一般的です。
万が一抵当権が残ったまま引き渡されると、完全な所有権を得ることができず、差し押さえなどで失うリスクが発生します。
売主が中古住宅の売買代金で抵当権を抹消する場合は、引き渡しと同時に手続きを行う「同時抹消の特約」を明記することもあります。
■中古住宅契約では違約金にも注意
違約金について契約書で定める場合、パーセンテージや内容をしっかり確認しなければいけません。
違約金は約束を破った場合に支払う金銭のことで、次のようなケースで請求される可能性があります。
※違約金が請求される例
- 手付解除期間以降の契約キャンセル
- 住宅ローン審査後の転職で融資が実行されなかった
前述した手付金による契約解除には期限があり、解除期間以降のキャンセルは別途違約金が請求されます。
また住宅ローン本審査後に転職して融資が実行されなかった場合、契約違反とみなされ違約金を請求される可能性も。
売主が宅建業者の場合違約金の上限は売買価格の20%となり、一般的には10%前後が相場と言われています。
意図せず契約違反になり違約金の請求対象となることもあるので、高すぎるパーセンテージや不利な内容が明記されていないか確認しましょう。
■まとめ
中古住宅の契約時は、不利な条件の内容になっていないかしっかり確認する必要があります。
よく分からないからと不動産会社に丸投げしてしまうと、知らないうちに大きなリスクを負ってしまう可能性も・・・。
法律をすべて覚える必要はありませんが、契約の前に注意すべきポイントを覚えておくとリスクを軽減しやすいです。
また分からないことはうやむやにせず、必ず納得いくまで質問・確認をするよう心がけてください。
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