中古マンションの賢い売却のコツ|築年数別の売却相場や平均売却期間、リフォームの必要性を解説
現在お住まいのマンションを売却・買い替えするなら、できるだけ早く、そして諸経費はできるだけ抑えて高く売却したいものですよね。
お住まいのエリアで、中古マンションが実際にどのくらいの価格で売却されているのか、相場を知っておくと、売却時に役立ちます。
今回は、首都圏の中古マンションの築年数別の売却相場や、売却にかかる平均期間などのデータをご紹介します。
また、中古マンションのリノベーション・リフォーム専門の不動産会社の視点から、売却時に実施したほうが良いリフォームについても解説します。
中古マンションの賢い売却にお役立てください。
・東京23区の直近2年間の中古マンション平均売却価格相場は5,326万円で、築年数が古くなるほど売却価格が低くなる傾向にあります。
・2021年の首都圏中古マンションの成約にかかる期間は平均74.7日で、約2ヶ月半~3ヶ月が平均的な売却期間です。
・中古マンションを売却前にリフォームするなら、現在の不動産市場や周辺物件の状況などを考慮しながら、必要なリフォーム・補修を計画的に選ぶ必要があります。
Contents
東京23区の中古マンションの売却価格相場
事例を見る:Case35「Fn Design -住まいを機能からデザインする-」
東日本不動産流通機構(レインズ)の不動産取引価格情報提供サイト「レインズマーケットインフォメーション」によると、直近2年間(2020年11月~2022年10月)の東京23区のマンション平均成約価格は5,326万円でした。
23区のエリア別に、直近2年間のマンションの平均成約価格・平均m²単価・平均専有面積を見てみましょう。
表:2020年11月~2022年10月の東京23区のマンション平均成約価格(小数点以下切捨て)
平均成約価格 | 平均㎡単価 | 平均専有面積 | |
都心5区 (千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区) |
7,567万円 | 126万円/㎡ | 56㎡ |
23区東部 (墨田区、江東区、足立区、葛飾区、江戸川区) |
4,504万円 | 69万円/㎡ | 64㎡ |
23区北部 (文京区、台東区、豊島区、北区、荒川区) |
4,878万円 | 89万円/㎡ | 53㎡ |
23区西部 (中野区、杉並区、板橋区、練馬区) |
4,078万円 | 70万円/㎡ | 56㎡ |
23区南部 (品川区、目黒区、大田区、世田谷区) |
5,607万円 | 91万円/㎡ | 59㎡ |
出典:「不動産取引情報提供サイト(レインズマーケットインフォメーション)」
レインズマーケットインフォメーションは、区ごとのデータだけでなく、沿線、最寄駅、駅からの距離、間取り、築年数、成約時期、用途地域を絞り込んで成約価格データを検索できます。
エリアや物件の築年数、間取りなど自分のマンションに近い条件で検索することで、同じような条件の物件の売却相場をつかみやすくなります。
ただし、物件の売却価格は個別の要因や取引事情によって変動するため、すべての物件が必ず相場に近い価格で売却できるとは限りません。
あくまで売却前や売却価格を決定する際などの事前情報として参考にしてください。
中古マンションの過去の取引情報は、国土交通省の「土地情報システム(不動産取引価格情報検索)」でも見られます。
また、howzlifeの物件検索システムは、売り出し中の中古マンションの情報の他に、似たような地域や規模、築年数のマンションの売り出し価格相場が分かるようになっていますので、中古マンションの売却時にもお役立て頂けます。
首都圏の中古マンションの築年数別成約率
事例を見る:Case18「GALLERY APARTMENT」
レインズのレポートによると、2020年以降、首都圏の中古マンションの成約㎡単価は上昇傾向にあるため、中古マンションは現在売り時であると言えます。
では、築年数の違いによって売却しやすさに違いがあるのでしょうか?
首都圏で2021年の1年間に成約した中古マンションの平均築年数は22.67年、新規登録物件の平均築年数は27.23年で、どちらも10年前から連続して上昇しています。
図:2021年の首都圏中古マンションの平均築年数
(画像引用元):レインズデータライブラリー「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)」
また、築年数別に成約件数を見ると、築31年以上が3割近くを占め、築40年以上の中古マンションの割合も15%近くにのぼっています。
<首都圏中古マンションの築年数別成約件数割合>
- ・築40年超…14.7%
- ・築31~40年…15.0%
- ・築26~30年…8.1%
- ・築21~25年…11.0%
- ・築16~20年…13.3%
- ・築11~15年…14.2%
- ・築6~10年…14.2%
- ・築0~5年…9.6%
ただし、築30年以上の中古マンションは登録件数自体が多いことから、成約件数中の割合も高くなっています。
築30年以上の中古マンションが必ずしも売却しやすいという意味ではありません。
そこで、中古マンションの築年数別の成約率(成約件数/新規登録件数)を見てみましょう。
<首都圏中古マンションの築年数別成約率>
- ・築31年以上…16.4%
- ・築26~30年…19.9%
- ・築21~25年…28.3%
- ・築16~20年…34.9%
- ・築11~15年…35.3%
- ・築6~10年…40.7%
- ・築0~5年…30.5%
出典:レインズデータライブラリー「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)」
2021年の成約率のデータでは、「築6~10年」が40.7%と最も高く、対して「築31年以上」は16.4%と最も低くなっているため、
中古マンションは、築年数が古くなるにつれて売却しにくくなる傾向にあることが分かります。
首都圏の中古マンションの築年数別売却価格相場
レインズの2021年の首都圏中古マンション成約状況から、築0~5年の中古マンションの成約㎡単価を100として、築年数ごとに成約㎡単価がどれくらい変化しているかを算出してみました。
表:首都圏中古マンションの築年数別成約㎡単価(2021年)
築年数 | 成約価格 | 面積 | 成約㎡単価 | 成約㎡単価の比較(築0~5年=100) |
築0~5年 | 6,136万円 | 64.84㎡ | 94.63万円/㎡ | 100 |
築6~10年 | 5,538万円 | 66.86㎡ | 82.83万円/㎡ | 87.5 |
築11~15年 | 4,886万円 | 70.38㎡ | 69.41万円/㎡ | 73.3 |
築16~20年 | 4,685万円 | 72.80㎡ | 64.35万円/㎡ | 68.0 |
築21~25年 | 3,746万円 | 69.24㎡ | 54.10万円/㎡ | 57.1 |
築26~30年 | 2,275万円 | 61.23㎡ | 37.15万円/㎡ | 39.2 |
築31年~ | 2,040万円 | 57.28㎡ | 35.61万円/㎡ | 37.6 |
出典:「レインズデータライブラリー「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)」を基に弊社作成
このように、中古マンションは築年数を経るごとに売却価格が下がる傾向にあります。
特に、築26~30年の中古マンションは築0~5年の4割以下にまで売却価格が下がってしまいます。ただし、築26年以降は価値の下落は緩やかになります。
今回ご紹介した首都圏の中古マンションの成約率、そして築年数による成約価格の下落幅を合わせて考えると、
今お住まいのマンションが「築0~5年」なら、価値下落の影響が少なく内装や設備の劣化も少ない段階なので、売却しやすいと言えるでしょう。
また、価値が大きく下落する前で、なおかつ成約率も高めの「築16~20年」前後の中古マンションも比較的売却しやすい可能性が高いと言えます。
築年数が古いマンションもニーズが高まっています
事例を見る:Case23「じぶん価値の家 NOBLE BROOKLYN」
築年数が古いほど成約率は低くなりますが、立地条件の良さや、「中古マンションをリノベーションして住む」というライフスタイルが浸透してきていることなどから、
「価値の下がりにくい築25年以降の中古マンションをリノベーション前提で購入する」ケースも増えています。
実際に、howzlifeでは都内で築30年を超える中古マンションの販売・リノベーション実績が多数あります。
築年数が古いマンションでも、リノベーション前提で中古物件を探している買主にとっては、理想的な物件になるかもしれません。
中古マンションの売却にかかる期間はどれくらい?
事例を見る:Case31「光の道を辿る家・Trace of Lights」
レインズによる「首都圏不動産流通市場の動向(2021年)」レポートによると、2021年の首都圏中古マンションの物件登録(販売開始)から成約に至る平均日数は74.7日となっています。
出典:レインズデータライブラリー「首都圏不動産流通市場の動向(2021年)」
不動産会社と媒介契約を結んでからレインズに登録するまでの期間も考慮すると、売却期間は約2ヶ月半~3ヶ月が平均的と言えるでしょう。
ただし、売却の方針や物件の規模・状態・立地などによっても売却にかかる期間は変わってきます。
また、売却価格の設定を周辺相場よりも高くしすぎてしまうと、よほど需要の高いエリア以外は売却期間が長期化してしまう可能性があります。
中古マンションを早期に、かつできるだけ高値で売却するためには、周辺の物件も考慮した適正価格を設定するのはもちろんですが、
マンションの適正な価値をはかり、希少性や優位性を検討者にアピールすることも大切です。
中古マンションは売却前にリフォームが必要?
事例を見る:Case24「自分だけの秘密基地・BREWERY STYLE」
中古マンションの売却前には、リフォームするべきか迷う人も多いと思います。
結論から言うと、売却前は安易に大掛かりなリフォームをするのはおすすめしません。
売却前のリフォームを検討する場合、次のようなリスクがあることを念頭に置いておきましょう。
売却前リフォームのリスク①:リフォーム費用に見合った売却額にならない可能性がある
例えば、売却前に数百万かけて水回りや内装をキレイにリフォームした場合、その分の費用を上乗せした金額で販売したいと考えますよね。
しかし、リフォーム金額を上乗せすると、どうしても周囲の似た条件の物件よりも価格が高くなってしまい、売れにくくなる傾向があります。
そして、販売期間が長期化すれば、値下げや買主からの値引き交渉に応じなければならなくなるかもしれません。
つまり、せっかく物件価値を上げて売れやすくするためにリフォームしたのに、リフォームの元が取れなくなってしまう、という可能性があるのです。
売却前リフォームのリスク②:購入者の幅が狭まる
また、前章でも解説したとおり、最近は中古マンションを自分好みにリノベーションして住みたいという人も増えています。
リノベーション前提で中古マンションを探している人は、築年数が古いマンションや、少々の汚れや傷みがあっても安いマンションを購入して、その分リノベーションに費用をかけたいと考える人も多いです。
そのため、売却前にリフォームしてしまうと、リノベーション前提で中古マンションを探している人からは選ばれにくくなり、購入者の幅を狭めてしまう可能性があります。
売却前にするべきリフォームは不動産会社と相談して決めよう
傷みの程度にもよりますが、壁紙、障子やふすまがボロボロになっていたりなど、内装表面の傷みは売却前にリフォームをしたほうが良いケースもあります。
クロスや障子の張り替えなどの数万円~数十万円程度のプチリフォームや補修、ハウスクリーニングなら、それほど費用をかけずに、内覧時に買主に良い印象を与えられるため、費用対効果は高いと言えます。
中古マンションの売却前のリフォームは、自己判断ではなく、
現在の不動産市場や売り出し状況によって「どんなリフォームが必要なのか」を、不動産会社の担当者からアドバイスを受けながら進めていくのがおすすめです。
中古マンションの売却サポートはhowzlifeにお任せください
私たちhowzlifeは、東京23区・23区に隣接する市・横浜市・川崎市・千葉県の一部(浦安・市川・船橋・千葉)を対応エリアとした、リノベーション専門の不動産会社です。
リノベーションを前提とした中古物件を求める方に対して売却を行っているため、
築年数の古いマンションや、現状のままでは住めないような空き家、しばらくお手入れのされていない相続物件の売却などもご相談いただけます。
過去にSHUKEN ReでリノベーションされたOBの方もぜひご相談ください。