中古マンション購入までの流れ【ワンポイント解説付き】|手続きに必要なものと注意点
中古マンションの購入から入居までには、契約や住宅ローンの準備などある程度決まった流れがあります。
中古マンションでは、迷っている間になくなってしまうケースも多く、事前にしっかりと流れや注意点を知ることは、スムーズな中古マンション購入につながります。
今回は、「中古マンション購入までの流れ」をクローズアップし、「手続き・必要書類」など知っておきたい情報を分かりやすく解説します。
それらをスムーズに進めるために、全体の流れや必要な準備やポイントを事前におさえておきましょう。
・人気の高い中古マンションの場合、事前の下調べや準備の仕方により購入できるか、できないのか、結果を大きく左右することがあります。
・スムーズに中古マンション購入を進められるポイントをしっかりと把握し、購入につながるタイミングを逃さないことが大切です。
中古マンション購入までの流れ【ワンポイント解説付き】
中古マンションをスムーズに購入するためには、「購入までの流れ」を把握しているのか、それともいないのかでは「物件購入の成功」に大きな影響をあたえます。
ここでは一般的な「購入までの流れ」を見ていきましょう。
購入費用の目安がわかる「資金計画」を立てる
中古マンションの購入を考え始めまずすることは、購入資金としてどのくらい確保できるのかという部分です。
実際に「ここがいいな!」と思っても、自分たちの資金で買える範囲かどうかが曖昧だと、すぐに購入の可否を判断することができません。
そのために「資金計画」をしっかりと立て、リフォーム・リノベーションが必要になった場合も含めた購入予算を検討しておくことで、どのような物件に出会っても判断ができるような予算的な見通しを立てておくことが重要です。
家族の収支、頭金に使える金額を把握し、今後のライフプランと照らし合わせて購入予算を出していきます。
希望の物件を購入しても、毎月の住宅ローン返済で自分の希望の生活が実現できなければ本末転倒です。
資金計画で重要なポイントは、「住宅の購入資金とリフォーム・リノベーションにかかる費用はセットで検討すること」「住宅ローンの借入可能額ではなく、月々の返済や支払い可能額を目安にすること」です。
住宅ローンの返済額を意識することで、購入後の生活をシミュレーションしやすくなります。
<必要となる諸経費>
中古マンションの購入のためには、物件価格のほかに「物件価格の約10%の諸費用」が必要となり、その内訳は下記のようになります。
○ 登記費用
○ 収入印紙代
○ 仲介手数料
○ 精算金(管理費・固定資産税)
○ 住宅ローン諸費用
○ 火災保険料
住まいの形を相談できる「不動産仲介会社選び」が大切
中古マンションの「資金計画」が終わったら次は、住まいの形を相談できる「不動産仲介会社選び」に進みましょう。
現在は住まいへ求める価値観も変化し、「中古マンション+α(リノベーション)」など、「バリエーション」が広がり続けています。
その要因として、
○ リノベーションやリフォームを前提に中古物件探しをする人が増えていること。
○ 住まいのニーズに応えるために、リノベーションやリフォームに強い不動産仲介会社が「物件探しからサポート」してくれるようになったこと。
○ リノベーションに対する理解度が上昇し、安心度や有効性が浸透してきていること。
このような部分が心理としてあげられるでしょう。
【既存マンションの購入者】 リフォームすれば快適に住めると思って購入した人 |
【新築分譲マンションの購入者】 隠れた不具合が心配で中古物件を購入しなかった人 |
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平成29年度 | 令和3年度 | 平成29年度 | 令和3年度 |
32.5% |
39.1% | 31.4% |
23.6% |
引用:令和3年度 住宅市場動向調査~調査結果の概要(抜粋)~
国土交通省の行っている「住宅市場動向調査」では上のようなデータが公表されており、平成29年度と令和3年度では「リフォームやリノベーションの普及によって中古物件の人気が高まっている」ことが分かり、その反面、中古物件の購入にあたって今まで不安に感じていた「見えない部分の施工などに対する心配が解消されてきている」ことが分かります。
これから家族が集う住まいを購入するという目的は同じでも、中古マンションを購入する目標は人それぞれです。
大きな流れとしては、下のような3つのパターンに分けることができます。
中古マンションを購入して そのまま暮らす |
中古マンション購入と同時に リノベーションを行う |
中古マンション購入とは別に リノベーションを行う |
・立地、利便性、間取り、設備の状態など購入する中古マンションの物件そのものが検討材料となります。 ・物件に対する情報量が多いなど、不動産に特化した会社を選びましょう。 |
・立地、利便性などの条件の他に、リノベーションをしてどんな暮らし方がしたいのかを考えていくことが必要です。 ・今は不動産仲介とリノベーションを合わせた、「ワンストップスタイル」という選択肢もあります。 ・購入する中古マンションの良さをより伸ばしてくれる。リノベーションを踏まえたアドバイスをしてくれる会社を選びましょう。 |
・立地、利便性、間取り、設備の状態などにより、購入後のリノベーションも変化します。 ・購入後にリノベーション会社を探すよりも、購入時からの流れを知っている相手の方が、相談もしやすくなります。 ・ただし購入後では、物件の状態により「希望のようにできないケースがある」ことは頭の中に入れておきましょう。
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不動産仲介会社とひとことで表しても、「その会社の持つ強みや特徴」は異なります。
自分たちの希望の住まいの形を叶えるためには、「不動産仲介会社選び」がとても重要なのです。
ワンストップスタイルのリノベーションって何?
リノベーションとは、自分たちが選び購入した物件を「家族構成にぴったりな間取り」や「好みのデザイン」などの願いを叶え、「そこで暮らすみんなが心地よさを感じる空間に作り替えることのできる」方法です。
間取りの変更などを自由にアレンジすることができ、自分たちのオンリーワンの空間を創造することができます。
今までは物件購入は「A社」、リノベーションは「B社」など別々にするケースが一般的でした。
しかし現在は、リノベーションの価値を購入時から高めてくれる「ワンストップ型リノベーション」に注目が集まっています。
ワンストップ型であれば、住まいの希望やこだわりなど住まいに対する要望もひとつの窓口でまとめられ、要望の誤差が生まれにくく、やりとりなどの時間も短縮することができます。
またひとつの窓口で行うため、住宅購入の資金計画からアフターサービスまで、「ずっと変わらないサービス」を受けられることは、とても大きな魅力でしょう。
思いや希望を形にすることは住まいづくりの醍醐味ですが、1番の難しさでもあります。
自分たちの声にならない思いもくみ取ってくれる!そんな物件探し・資金計画・リノベーションのプランまでトータルに相談できるワンストップリノベーション会社を探して相談してみるとよいでしょう。
家族の希望に合う条件で「物件探し」を行う
中古マンションを購入できる目安が分かったら、次は「物件選びのための情報収集」を始めましょう。
物件探しの方法としては、インターネット上の物件検索サイトや不動産会社の仲介サービスなど、いろいろな方法があります。
しかし、闇雲に物件を探しても時間をロスしてしまうのが実際です。
スムーズに物件探しをするためには、
○ 希望するエリア
○ 間取り
○ 中古マンションの築年数
○ 最寄り駅からの距離や利便性
○ 周辺の生活環境(食品の購入や学校などの施設、病院など)
○ 自分たちがリノベーションなどを視野に入れるのか
など、家族内で「予算以外の希望条件」を話し合っておきましょう。
特に新築マンションと違い中古マンションの相場目安は「立地と築年数」で決まることが多いと言われています。
自分たちが譲れないと感じる条件は、人それぞれです。自分たちの目的や方向性をしっかりと持つことで、相談に行っても有効的な時間を過ごすことができます。
新築マンションと中古マンションでは、購入のスタートラインが違います。
そのため中古マンションでは、「もう少ししたら値段が下がるかも」「いつか安くなるかもしれないから」などから、少しの差で購入のタイミングを逃すケースも多いのです。
「できるだけ安く購入したい!」「浮いた費用をリノベーション予算として回したい!」という気持ちは分かりますが、よほどのことがない限り「大幅に値段が降下する」ことはないと言われています。
リノベーションでは、工事の内容を再検討するなどの工夫で「物件で生じる価格差を吸収する」ことも可能です。
何より「購入のタイミングをしっかりと見極めること」が後悔のない中古マンション購入へつながります。
希望する物件の購入準備「購入の申込み」をする
「この物件が欲しい」というものが見つかったら、「この物件を購入します」という意思表示として購入申し込みを行います。
この時に作成される書類が「買付証明書」です。
買付証明書とは、購入希望価格、代金の支払い条件、引渡し希望日などの基本的な購入条件を記載します。
その条件を元に購入の意思を伝え、個別交渉が開始されます。
それに合わせ資金計画の作成や住宅ローンの審査など、購入に対する準備を進めていきます。
中には、住宅ローンの事前審査に通らず購入を断念するケースも珍しくはありません。
そういったケースに陥らないよう、本契約前に必ず住宅ローンの事前審査を行います。
「住宅ローンの事前審査通過は、売買契約に必須」と覚えておきましょう。
多くの人は中古マンション購入時、住宅ローンを活用するのではないでしょうか。
住宅ローンを利用する場合、「事前審査」と「本審査」の計2回審査を受ける必要があります。
一般的に事前審査は、購入申し込みと同時に行います。リノベーション費用もローンに組み込みたい場合は、このタイミングで申請する必要があります。
審査申し込みから結果が分かるまで、大体3日~1週間程度の時間がかかることは頭の中に入れておきましょう。
中古マンション購入のための「不動産売買契約を締結」する
購入の申込みをし、個別交渉のうえ売買条件が固まった場合、「売買契約の締結」となります。
売買契約書を作成し、購入物件や取引条件について重要事項の説明が行われます。
契約日当日は、「重要事項説明書」に基づき宅地建物取引士が説明を行います。
その後「売買契約書」の内容について説明し、契約を締結します。
「重要事項説明書」とは、物件についての詳細・権利関係・法律関係等についてまとめてある添付書面です。
難しい内容にはなりますが、今後のためにはとても大切な部分です。
十分にご理解した上で、署名・捺印をし、手付金の支払いとなるのが一般的です。※1
売買契約を結んだ後、住宅ローン借入れの手続きなどの準備へと進みます。
※1 不動産会社によっては、仲介手数料の半額を支払うケースもあります。事前に確認しておきましょう。
不動産購入で頭を悩ませるのが、専門用語など聞き慣れない言葉が出てくることです。
そのため細かく説明されれば分かる内容も、難しく感じてしまう場合もあります。
不動産売買契約を締結は、購入の中でも重要な部分です。
疑問や不安はそのままにせず、専門家のアドバイスを参考にしながらしっかりと質問することが大切です。
住宅ローン申し込み・その他準備開始
中古マンション購入に必要な契約を結んだ後、住宅ローンの本審査に入ります。
本審査でチェックされる重要項目は、下の2つです。
○ 物件自体が住宅ローンの担保として十分な価値があるのか。
○ 住宅ローンを返済できる健康状態であるのか
上記の項目を金融機関が確認し、契約の有効性を判断します。
ここで行われていることは「金銭消費貸借契約締結」といい、借入金額や借入期間、金利、ローンの条件などを最終決定します。
審査にかかる時間は金融機関によって差はありますが、大体2週間~1カ月程度が一般的です。
金融機関により必要な期間や条件も変化します。
しっかりと事前に確認し、どの金融機関でローンを締結するのかを判断しましょう。
住宅ローンを借りるには、本審査を受ける必要があります。
この審査では、年収やマイカーローンなどの借入状況、個人信用情報など「返済が可能かどうか」を主軸に調べられます。
また、万が一に備え「団信(団体信用生命保険)」に加入します。団信は金融機関のためだけではなく、借りる側にも購入に対する不安を解消するなど精神的な効果も期待できます。
住宅ローン申し込みでは下のような書類などが必要となります。
○ 運転免許証やマイナンバーカード
○ 収入証明書
○ 実印
○ 印鑑証明書
○ 源泉徴収表(原本)
○ 重要事項説明書
○ 不動産売買契約書
○ 住民票
○ 登記簿謄本
住宅ローンの準備に合わせて、引越しなど新居生活に向けて動き出しましょう。
残金授受・物件引き渡し
融資が確定し実行が可能となれば、いよいよ決済と引き渡しへと進みます。
決済と引き渡しは、住宅ローンを組んだ融資先の金融機関で行われるのが一般的です。
決済と引き渡しの当日は、
○ 登記手続きの委任
○ 融資の実行
○ 売買代金の支払い
○ 諸費用の支払い
○ 固定資産税・管理費・修繕積立金の精算
○ 管理規約・住宅設備の取扱説明書など関係書類の受け取り
○ 鍵の受け取り
など、たくさんのことが一緒に行われます。
そのため自分たちだけではなく、売主や不動産会社、金融機関の担当者、司法書士などが出席します。
決済と引き渡しの際にも、
○ 印鑑
○ 印鑑証明
○ 本人確認書類
○ 住民票
○ 通帳(と金融機関のキャッシュカード)
○ 売買代金
○ 仲介手数料・登記費用など
○ 固定資産税・都市計画税・管理費・修繕積立金の精算金
など、たくさんのものが必要となります。
引き渡し日に契約者が仕事を休めない場合などは、委任状があれば、代理人でも対応することができます。
待ちに待った「お引っ越し・ご入居」
いろいろな手続きをし、いよいよ中古マンションへのお引っ越しとなります。
契約書などの書類は確定申告に必要となりますので、引っ越しの際紛失しないようまとめて大切に保管しておきましょう。
このような流れを踏まえることで、中古マンションを購入することができます。
不動産の購入は、決して安い買い物ではありません。
「いい物件だから早く買わなきゃ」と焦る気持ちも分かりますが、立ち止まる時は立ち止まり、しっかりと検討し、後悔のない中古マンション購入につなげましょう。
参考コラム>>【東京】マンションリノベーションのメリット・デメリット|物件選びの注意点
中古マンションを購入して、リノベーションをしたい方は
最近は「リノベーションを前提に中古物件を購入したい」と考えている方が増えています。
その場合、下の2つのケースが考えられます。
○ 中古マンション購入と同時にリノベーションを行う
○ 中古マンション購入とは別にリノベーションを行う
その違いを解説しておきましょう。
中古マンション購入と同時にリノベーションを行う場合
購入とリノベーションを同時に行うメリットは、物件費用とリノベーション費用をまとめて住宅ローンで借りられる部分です。
支払いが1ヵ所となることから、返済の目処も立てやすいのは大きな魅力です。
しかし、リノベーションができるのは「中古マンションの購入後」となりますので、入居時期が遅れてしまう部分は頭の中に入れておきましょう。
中古マンション購入とは別にリノベーションを行う
中古マンション購入とは別のケースでは、実際に暮らしてみて「ここはこうだったら便利」「こんな風にしたい」など、リノベーションの内容に時間をかけられます。
じっくり考えられる時間があることは、リノベーションの不安解消にもつながります。
しかし、この場合のリノベーションの費用は「住宅ローンに含めることができない」部分は最大のデメリットでしょう。
例えば新たにローンを組む場合、住宅ローンに比べて金利が高く設定されているケースもあります。
それぞれのメリット・デメリットを含めて、しっかりと判断することをおすすめします。
参考コラム>>都会暮らしの魅力やメリット・デメリットは? マンションリノベーションで素敵な生活を実現
まとめ:中古マンションの購入は「リノベのプロ」に相談してみよう
新築マンションに比べ費用が抑えやすいとはいえ、中古マンション購入にも大きな金額が動きます。
そのため人生の中の分岐点と言っても、過言ではないでしょう。
リノベーションでは、限られた予算であっても中古マンションを暮らしやすい空間に生まれ変わらせてくれます。
「こんな風に暮らしたい」「こんな住まいにならないかな?」など、ぜひ1度プロに相談してみませんか。
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