中古マンションの価格に影響することと適正価格を判断するポイント
中古マンションの購入を検討し始めると、価格の推移が気になる人は多いと思います。
2022年前半までの中古マンションの価格は、上昇傾向にあり、下落の気配は今のところありません。
その状況を見て、もう少し待てば下落し始めるのか、待てば待つほど上昇していくのか、判断に迷うのではないでしょうか?
中古マンションの価格は、築年数、専有面積、立地条件だけでなく、社会や経済の動きと新築マンションの価格の関係も影響します。
その為、中古マンションの価格を調べる際には、新築マンションの価格の動きも参考にするとよいでしょう。
・中古マンションの価格は、築年数、専有面積、立地条件だけでなく、新築住宅の価格の変化からの影響も受けます。
・中古マンションは同じ条件でも価格差に幅がありますので、リノベーション費用とのバランスを見ながら物件探しを進めると、中古住宅を適正価格で購入することができます。
Contents
新築と中古マンションの価格に影響を与えている社会と経済の情勢
新築マンション、新築住宅が値上がりを続けている中、中古マンションの価格も上昇しています。
また、コロナの影響で首都圏を中心に不動産全体の取引件数が減少した為、取引価格も下落しました。
2013年ごろから始まったマンションや住宅の価格は、新築、中古、マンション、住宅とそれぞれ上昇率は異なりますが、2020年上半期までは押しなべて上昇が続いていました。
不動産経済研究所のデータでは、2021年度には6,260万円だった首都圏の新築マンションの平均価格は、2020年上半期には6,510万円になっています。
ただ、新築分譲マンションは2022年8月には、7月に続き価格が下落し、平均価格が6,102万円になりました。
しかし、6月にはバブル期の平均価格6,214万円を超える6,450万円になっていたことを考えると、手が出しやすい価格まで下落したとは言えません。
そして中古マンションの価格は新築マンションより値上がり率が高い傾向にあります。
例えば、2012年から2022年までの、新築マンションと中古マンションの価格推移を見る中で、2012年と2022年の価格を比較してみましょう。
新築マンションの価格は50,3%上昇していますが、中古マンションは72,5%も上昇しています。
出典:首都圏 新築分譲マンション市場動向 2022年上半期(1~6月)
この状況が生まれる原因にはどのようなことが挙げられるのでしょうか?
新築マンションの価格が上昇している理由と中古マンションの価格の関係
新築マンションの価格が上昇している原因の一つは、発売戸数が減って、需要に供給が追い付かなくなっていることです。
出典:(公財)東日本不動産流通機構「月例速報 MarketWatch サマリーレポート2021年 11月度」
需要に対して供給が足りない状態となり、中古マンションを購入する人が増加しました。
出典:(公財)東日本不動産流通機構「月例速報 MarketWatch サマリーレポート2021年 11月度」
出典:国土交通省『不動産価格指数(令和4年4月・第1四半期分)令和4年7月29日公表』
この状況が、中古マンションの価格が高止まり傾向になっている原因の一つとして挙げられます。
首都圏の新築マンション発売戸数が減っている原因には国内経済の状況と地価高騰が挙げられます。
経済の状況
第二次安倍政権下でのアベノミクス等により景気回復が進んだことで、国内の経済は上向きになりました。
その理由の一つには、2012~2020年の間の震災復興による影響、日本銀行の金融緩和策の継続も、不動産価格を上昇させています。
地価高騰
都心の住宅地の公示地価は上昇し、上げ止まりの傾向にはありますが、商業地は2021年まで急上昇していました。
東京の人気のエリアには新築マンションを建てられるような住宅地は多くありません。
一方、近年の市街地再開発に伴い、商業地の中には駅に近い利便性の良い土地があります。
そのような商業地が、新築マンション建築用地として注目されて来たという事情があります。
相続税対策
法改正によって2015年に相続税が増税されました。
その結果、貯蓄に回す資金を不動産で所有することを選択する人が増え、マンションの需要が高まっていることの一因となっています。
中古マンションの価格の調べ方
個人で中古マンション購入の価格を判断する方法の一つとして、販売価格の平均を調べることが挙げられます。
その際、購入しようとしている中古マンションの価格が、平均的な価格相場よりもどの程度の差があるか、その理由を確認することも必要です。
国土交通省の土地総合情報システムや、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営しているレインズマーケットインフォメーションで具体的な販売価格を調べられます。
国土交通省の土地総合情報システム 取引価格情報検索
不動産
このシステムでは、取引時期、不動産の種類、地域を絞って検索することができます。
この3項目に必要な情報を入れて検索すると、具体的な物件ごとの販売価格が出てきます。
取引時期
不動産が取引された時期を選択します。
2022年第1四半期(過去1年を含む)、2022年第1四半期(過去2年を含む)、2021年第1四半期などの項目の中から、調べたい時期を選びます。
不動産の種類
宅地、中古マンションなどの選択肢があるので中古マンションを選びます。
地域
全国の都道府県別に地域を選択してください。
東京都を選ぶと、区と区内の町名が選択できるようになるので、探したい区と町名を選びます。
検索でわかること
取引金額、所在地、最寄駅からの分数、間取り、面積、建築年などの情報が記載されています。
同じエリア内での築年数や専有面積、駅からの距離による価格の違いを確認でき、おおよその相場を把握できます。
レインズマーケットインフォメーション
このシステムでは、マンション→東京都→地域の順で選んで検索します。
土地総合情報システムでははじめの画面で東京都→区まで選べられましたが、こちらは都心5区、23区東部、北部、西部、南部、多摩北部、多摩南部の中から選びます。
検索でわかること
追加条件として、区、沿線、最寄り駅、駅からの距離、単価、専有面積、間取り、築年数、成約時期、用途地域、築年×単価、又は成約期間×単価を選ぶことができます。
細かな条件設定が出来ますので、目的に応じて設定を変えながら検索することができます。
不動産のポータルサイト
複数の不動産会社が物件情報を登録している不動産のポータルサイトがあります。
不動産のポータルサイトに登録されている不動産の物件情報を閲覧できます。
howzlifeでは、SUUMO、HOME’S、athome、REINSなどに掲載されている物件情報を一括で検索できるサービスも提供しています。
中古マンションの価格を把握するのは難しい
中古マンション購入の決断には、「今後の価格の変化」と「マンション自体が持つ価格の適正さ」という2つの面からの判断が求められます。
今後の価格の変化とは、社会や経済の動きによる新築マンションの価格の変化の視点です。
マンション自体が持つ価格の適正さとは、築年数や立地が同じ条件である中でのマンション価格の差の幅を意味しています。
今後の中古住宅の価格の変化
先ほどご説明した資材の高騰は一時期より落ち着いてきていますが、まだ高騰以前の水準には戻っていません(2022年10月現在)。
また、商業地の地価が急激に下落する可能性も少ないと考えられます。
さらに急激な円安ドル高が進んでいます。
その背景には、長期金利の利上げに踏み切ったアメリカに対して、日本の低金利政策が継続されていることによる金利差の拡大の影響が一因となっています。
今後、日本国内でも利上げに舵を切るタイミングがあるかもしれません。
もしそうなれば、住宅ローンの金利も上がることになります。
金利が上がれば、住宅ローンを利用してマンションや住宅を購入しようとしている場合、何らかの計画の見直しを検討しなくてはならなくなるかもしれません。
こうした経済の動向は、経済学の専門家であっても、正確な予測ができることではありません。
時事的な情報にアンテナを張り、継続的に情報収集をしていく必要があります。
同じ条件での中古マンション価格の差の幅
先ほどご紹介した不動産価格の相場や実勢価格を調べると地域別の価格相場がわかります。
しかし、実際の販売価格から平均的な価格が割り出せたとしても、購入したい物件の価格が適正であるかどうかの判断は簡単ではありません。
平均より価格が低い中古マンションには、2つのケースがあります。
築年数の割には状態の良いマンションなのに、売り主が何らかの理由で売り急いでいる為に、価格が抑えられているというケースは、タイミングさえ合えばお買い得といえるでしょう。
一方、事故物件などの理由により価格が抑えられているケースもないわけではありません。
反対に平均より価格が高額な中古マンションでは、売り出されたばかりという事情があるかもしれません。
このような場合、時期を見れば値下がりする可能性もありますが、待っているうちに売れてしまうこともあります。
また、リノベーションが済まされている為に、平均より高額なケースもあります。
中古マンションの適正価格を把握する方法
中古マンションは、社会や経済の変化で変わる新築マンションの価格に影響される面がある為、その変動の予測はとても難しいのが現実です。
先ほどご紹介したように、
▪ 国土交通省の土地総合情報システム不動産取引価格情報検索
▪ レインズ
▪ ポータルサイト
などで、情報を収集して平均的な価格を割り出しても、なぜ平均より安いのか、又は高いのかという物件毎の分析は専門知識が必要です。
このように適正な中古マンションの価格を見極めるには、専門的な知識が必要であり、また、時間と手間もかかります。
こうした課題を解決するには、中古マンションの売買や、リフォーム・リノベーションを数多く手がける専門家のアドバイスを得ることで解決できます。
もし、購入した中古マンションをリノベーションするという計画であれば、「リノベーションを依頼する会社といっしょに中古住宅探しをする」という方法がおすすめです。
家族だけでは判断がつきかねる中古住宅の価格の適正さについても、アドバイスを受けられます。
また、リノベーションにかかる費用と、中古住宅の価格のバランスを見ながら物件探しができます。
中古住宅の価格だけでも判断が難しいのに、リノベーションにかかる費用を想定しながら価格を判断するとなると、さらに難しくなります。
リノベーションにかかる費用と併せての提案がされれば、家族の予算に合わせて中古住宅の価格を判断しやすくなります。
中古住宅・マンション探しから理想の住まいの完成までをトータルにお手伝いします
howzlifeはリノベを熟知したリノベ会社「SHUKEN Re」の中古物件探しからスタートするワンストップサービスです。
家族だけで中古マンションを探してから、さらにリフォームを依頼する会社を見つけるという方法は効率が良くありません。
加えて予算オーバーになってしまったり、理想の間取りや内装にならなかったりする恐れがあります。
「マンション購入とリフォームはセットで依頼する」という方法が最も効率が良く失敗のない方法です。
マンションをリノベーションして家族の住まいにするという計画を効率よく進めるためには、物件探しからリノベーションまでを一括して依頼できる会社を探すことが早道です。
専門的な知識がないと判断し難い建物の耐震性や、構造部の状態を把握した上での優良物件、家族の希望する間取りに変更可能なマンションに関する提案が受けられます。
耐震や建物の劣化状態に不安がなく、なおかつ理想の間取りが実現できる物件の中から、家族が選んだマンションを理想の家にする為の計画が作られていきます。
この方法であれば、適正価格ではない中古マンションを購入する心配がない上に、家族の暮らし方や価値観、好みに合った新しい住まいが実現します。
私たちhowzlifeは、中古物件探しからリノベーションまで一貫してお役に立ちます。
予算立てやローンの組み方などのご相談もお受けしているので、お気軽にお問い合わせください。