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コラム

中古住宅購入の注意点をプロの視点で解説

公開日:2022/10/04  更新日:2022/10/07

中古住宅購入の注意点をプロの視点で解説

 

中古住宅には新築住宅より安く購入できる、利便性の良い立地条件の家を見つけやすい、日当たりや風通しの良さ、外部からの視線の入り具合、生活動線など、その家での暮らしを想像しやすいという良さがあります。

 

一方、中古住宅は選び方によっては暮らしやすい家にする為の改修に高額な費用がかかってしまうことがあります。

 

これなら新築にした方が良かった…と後悔することにならないよう、中古住宅購入にはいくつもの注意が必要です。

 

中古住宅の中には、耐震に不安がある、暮らしやすさを損なう劣化がある、スケルトンリフォームをしない限り思い通りの間取りにならないといった問題を抱えているケースがあります。

 

内覧をしただけではわかり難いこれらの問題について、それぞれ確認していきましょう。

 

このコラムのポイント

・ 購入してはいけない中古住宅の耐震性を見極める為の注意点は、耐震基準、シロアリや雨漏りによる耐震性の低下です。

・断熱性の低さや水回りの劣化はリフォーム費用を嵩ませます。

・中古住宅の優劣の判断は難しいので専門家のアドバイスが有効です。

 

購入してはいけない中古住宅を選ばない為の注意点…耐震への不安がある

 

耐震性の高い中古住宅のLDK

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住宅の持つ耐震性は、耐震基準と構造部の劣化状態という2つの視点から確認する必要があります。

 

耐震基準について

 

中古住宅が建築された時期によって備えている耐震基準が異なります。

 

旧耐震基準

 

1981年6月1日以前に建築された中古住宅は、旧耐震基準です。

 

「震度5程度の中規模地震でほとんど損傷しない」為の基準でしたが、震度6強から震度7であった熊本地震では、多くの住宅が被害を受けました。

 

平成28年熊本地震‐内閣府防災情報のページには、物的被害は、全壊約8300棟、住家被害計が16万棟と記載されています。

 

参考サイト 特集1 平成28年熊本地震‐内閣府防災情報のページ

 

この中で旧耐震基準の住宅は高い確率で被害を受けています。

 

旧耐震基準(昭和56年5月以前)の木造建築物の倒壊率は28.2%(214棟)に上っており、新耐震基準の木造建築物の倒壊率(昭和56年6月~平成12年5月:8.7%(76棟)、平成12年以降:2.2%(7棟))と比較して顕著に高かった。

 

旧耐震基準と新耐震基準の木造建築物の倒壊率に顕著な差があったのは、新耐震基準は旧耐震基準の約1.4倍の壁量が確保されているためと考えられる。

 

引用:国土交通省 「熊本地震における建築物被害の原因 分析を行う委員会 」報告書のポイント

 

新耐震基準

 

「震度6強~7に達する程度の大規模の地震で倒壊・崩壊しない」為の改正された基準です。

 

さらに2000年には、1995年兵庫県南部地震を受けて2000年基準に改正されました。

 

築年数によって備えている耐震基準が異なるので注意が必要です。

 

ただ、築年数が長い=耐震性が低いとは言い切れません。

 

建築時の設計によっては旧耐震基準ではあっても高い耐震性を備えている住宅もあれば、2000年基準を建築基準法ギリギリで満たしている住宅もあります。

 

その為、昭和56年5月以前の建築された住宅であっても、新耐震基準を満たす物件であることを証明する耐震基準適合証明書のある中古住宅は安全です。

 

 

購入してはいけない中古住宅を選ばない為の注意点…シロアリなどによる目には見えない劣化が進んでいる

 

シロアリ被害などを受けていない中古住宅

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どんなに優れた耐震性を備えていても、適切なメンテナンスが行われていない住宅は耐震性が低下しているので、劣化状態にも注意が必要です。

 

具体的にはシロアリ、雨漏り、内部結露による劣化です。

 

雨漏りや内部結露による構造部の木材の腐朽や、湿度の高い環境と木材を好むシロアリ被害はどちらも構造部の地震に耐える力を低下させます。

 

シロアリの消毒を定期的にしていなかった、未熟な断熱施工による内部結露、屋根の塗装や葺き替えをしていなかった、そもそも新築時の施工不良により雨漏りがあったなどの原因で、住宅の構造部が劣化していると、耐震性は著しく低下します。

 

これらの問題は、見た目はきれいな住宅であっても発生している恐れがある為、購入前にホームインスペクションを受けると安心です。

 

ただ、売り主に断られてしまうとホームインスペクションは受けられません。

 

また、了承が得られてもホームインスペクションを依頼してから調査までの期間に、他の人に購入されてしまう恐れもあります。

 

 

購入してはいけない中古住宅を選ばない為の注意点…暮らしやすさを左右する断熱や水回りの問題

 

中古住宅の暮らしやすさを左右する断熱や水回りの問題

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室温を少ない光熱費で快適に維持できること、キッチンや浴室、トイレなどの水回りを清潔に使えることは、日常生活には欠かせない要素です。

 

この要素に問題がある場合には、改修にかかる費用と中古住宅の価格を考えあわせた上で、損失が出ないことを確認する必要があります。

 

断熱性の問題

 

多くの光熱費を使わなくても、季節に応じた室温を維持する為には断熱性が必要です。窓だけは内覧で確認できますが、壁や屋根、床下の断熱状態は見た目ではわかりません。

 

十分な断熱性を備えていない住宅では、冷暖房の費用が嵩みます。

 

10年間、20年間という目で見ると、断熱性の程度によって光熱費に大きな差が出ます。

 

中古住宅の断熱性の程度によって断熱改修にかかる費用も変わります。

 

断熱改修の費用を抑えれば暮らし始めてからのランニングコストが嵩み、確実な断熱改修をすると工事費用が嵩みます。

 

中古住宅の価格と断熱改修の費用、現在のままでは暮らし始めてから発生することが予測されるコストをすべて考え併せた上で、損益が出ない方法を選択することが大切です。

 

断熱改修の費用やランニングコストが嵩み過ぎて、新築より高額になってしまうのであれば、その中古住宅は購入しない方が良いです。

 

ただ、購入後、暮らし始めてからエアコンの効きが悪い、光熱費が莫大にかかるということが発覚すると、後悔することになってしまうので注意が必要です。

 

水回りの問題

 

キッチン、浴室、洗面所、トイレは毎日必ず使う場所です。

 

中古住宅の状態によっては、その水回りの排水管や給湯管が劣化して、水漏れや錆が出たりしていることがあります。

 

システムキッチンやシステムバスを交換する時点でそのようなことが発覚すると、排水管や給湯管の修理に思いもかけない費用がかかってしまうので注意が必要です。

 

中古住宅は購入前に水回りが問題なく使えることを確認しておくことが大切です。

 

 

購入してはいけない中古住宅を選ばない為の注意点…間取りの制限

 

中古住宅のリノベーションには間取りの制限がある

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在来工法の戸建て住宅は比較的間取り変更がしやすいという特徴はありますが、制限がない訳ではありません。

 

広い吹き抜けやインナーガレージのある間取りにしたいという希望があっても、耐震性という観点から動かせない耐力壁があり、叶えられないこともあります。

 

また、窓の位置は日当たりや風通し、外部からの視線、室内からの景観に大きく影響しますが、窓の位置を変えたり、大きくしたりすることもできません。

 

加えて水回りの位置を移動させるとリフォームの費用が非常に嵩みます。

 

間取りと窓の位置やサイズを自由に変更したい場合には、外壁も取り除くスケルトンリフォームという方法ですることはできます。

 

その場合には階段や水回りの位置も動かせます。

 

ただ、一般的な壁を壊さないリノベーションと比較すると、費用に大きな差があり、新築住宅建築に近い費用が発生します。

 

内覧の際には、どこまで間取りが変更できるのか、また現在の間取りのままの場合、動線や収納の位置、居室の数などが家族のライフスタイルに合っているのかを確認する必要があります。

 

 

購入してはいけない中古住宅を選ばない為の注意点…再建築不可物件

 

再建築不可物件は購入が危険な中古住宅

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都心部には法改正によって新たな家を建てられない土地に建つ戸建て住宅があります。

 

道路との位置関係が接道義務を満たしていないという土地です。

 

「建築基準法」では、建築に必要な「道路」について定めています。建築基準法第43条により、建築を行うためには敷地が「建築基準法上の道路」に2メートル以上接している事が必要です。

引用:目黒区区役所 建築基準法上の道路

 

また、建ぺい率が変わっている場合、現在の住宅より規模を小さくしないと建てられない土地もあります。

 

リフォームをして住むことはできるのですが、将来的に売却を計画している場合には、資産価値が低いので不利になってしまいます。

 

子や孫の代になって建て替えを計画しても建て替えができません。

 

ただ、格安で購入できる上に、固定資産税や都市計画税が抑えられます。

 

再建築不可物件の不利な条件をすべてわかった上で購入に踏み切るならそのような選択肢も間違っているとは言えません。

 

一般的な中古住宅より安く手に入るのでリフォームに費用をかけられます。

 

ただこの場合、購入前に専門家のアドバイスを受けることを強くお勧めします。

 

 

まとめ 購入してはいけない中古住宅を選ばない為の最適な方法

 

購入してはいけない中古住宅を選ばない為の最適な方法

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家族だけで上記の注意ポイントをすべてクリアし、なおかつ良い立地条件になる中古住宅を見つけるのは至難の業です。

 

ここはクリアしているがここはクリアしていない…、帯に短し襷に長しといった中古住宅ならいくらでもあるのに…など、中古住宅探しに疲れてしまうこともあります。

 

中古住宅をリノベーションして家族の住まいにするという計画を効率よく進めるためには、物件探しからリノベーションまでを一括して依頼できる会社を探すことが早道です。

 

専門的な知識がないと判断し難い戸建て住宅の耐震性や、構造部の状態を把握した上での優良物件、家族の希望する間取りに変更可能な中古住宅に関する提案が受けられます。

 

提案された耐震や住宅の劣化状態に不安がなく、なおかつ理想の間取りが実現できる家の中から、家族が選んだ中古住宅を理想の家にする為の計画が作られていきます。

 

この方法であれば、後悔するような中古住宅を購入する心配がない上に、家族の暮らし方や価値観、好みに合った新しい住まいが実現します。

 

私たちhowzlifeは、中古物件探しからリノベーションまで一貫してお役に立ちます。

 

予算立てやローンの組み方などのご相談もお受けしているので、お気軽にお問い合わせください。

 

 

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SHUKEN Re 編集部

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