中古住宅のローン審査は厳しい?築年数による住宅ローン控除、リフォーム費込みや頭金なしローンについて
中古住宅の住宅ローンは「通らない」「審査が厳しい」と聞いた人もいるかもしれません。
築年数によってローンが通りにくかったり、住宅ローン控除が適用されなかったりするのではと不安になりますよね。
そこで今回は、中古住宅の住宅ローン審査や流れ、住宅ローン控除の条件や注意点、リフォーム費込みローンや頭金なしでフルローンが可能かなどについてご紹介します。
・リフォーム費用込みローン、頭金なしフルローン、諸費用込みローンが可能かについて
・中古住宅の住宅ローン控除の条件や注意点
Contents
中古住宅では住宅ローンは通らない?
中古住宅でも住宅ローンを通すことができます。
ただし、物件の担保評価額が低くなることで新築より審査が厳しくなる傾向にあります。
そのため、3000万円の物件に対して3000万円の住宅ローンを申し込んでも、担保評価額によっては2500万円までしか融資が通らないケースがあります。
住宅ローン審査の流れ
住宅ローンの審査には「事前審査(仮審査)」と「本審査」があります。
【住宅ローンの流れ】
1.「買付証明書」を記入し物件を「仮押さえ」
2.事前審査を申し込む
3.売買契約
4.本審査を申し込む
5.金融機関と「金消契約」
6.お引き渡し「決済」
売買契約前に事前審査をおこない、契約後に本審査をする流れです。
金融機関によって異なりますが、事前審査は簡易的な審査なため期間は「約3日~4日」です。
本審査では提出する書類も多くなり、審査も詳しくなるため期間は「約1週間~2週間」と長くなります。
また、ネット銀行は店舗がある銀行より審査が遅くなる傾向にあります。 「約1カ月」かかることもあるため契約から決済日までの期間が短い場合には、決済日がずれないためにもスケジュール調整が大切です。
リフォーム費用は住宅ローンに組み込める?
中古住宅を購入してリフォームやリノベーションを検討する人は多いです。
水回りだけをリフォームする「部分的リフォーム」や間取り変更などを含めた大掛かりな「フルリフォーム」があります。
費用は数十万円程度のものから1000万円以上と高額になるリフォームもあります。 高額になるほど住宅ローンに含めて借りることができるのか不安になりますよね。
住宅ローンは購入する物件を担保として借りるため、一般的にリフォーム費用を含めて借りることはできません。
しかし、金融機関によってはリフォーム費用と住宅購入費用を一体化して住宅ローンを借りれる場合があります。 ただし、一体化できる金融機関でも担保になる物件の評価額などによっては希望額まで届かないケースもあります。
この場合、住宅ローンとは別にローンを組む「リフォームローン」を検討してみましょう。リフォームローンは無担保で借りられる金融機関も多いので、担保評価額に関係なくローンを組むことができます。
住宅ローン控除の築年数の制限は撤廃、注意点は耐震性
中古住宅でも住宅ローン控除の対象になります。「年末の住宅ローン残高」から「0.7%」が所得税から控除されます。控除期間は「10年間」です。
2021年までの住宅ローン控除の条件には、木造住宅「築20年」マンション「築25年」という築年数の制限がありました。 しかし、2022年に税制改正があり築年数に関係なく住宅ローン控除が適用されることになりました。
これにより、住宅ローン控除の対象になる中古住宅は大幅に増え、中古住宅を検討している人にとって大きなメリットになっています。
ですが、注意したいポイントは「耐震性」です。 住宅ローン控除の対象になる条件に「新耐震基準に適合している住宅」(昭和56年6月1日以降の住宅)があります。
耐震基準には「旧耐震」「新耐震」の2種類があり、中古住宅購入前にどちらの耐震基準なのか確認しておきましょう。
中古住宅の住宅ローン審査基準
中古住宅での住宅ローン審査で重要視している項目は金融機関ごとに異なります。ですが、一般的な審査基準を参考にすることはできます。
【主に審査する項目】
- 年収
- 完済時の年齢
- 借入時の年齢
- 勤続年数
- 勤務形態
- 返済負担率
- 健康状態
- 購入予定の担保評価
住宅ローンを借りる人の多くが35年間など長期的に返済します。そのため、金融機関としては「継続的に安定して返済できる能力があるか」を確認します。
中古住宅で住宅ローンを通すポイント
頭金を準備
頭金を増やし借入額を減らすことで住宅ローン審査が通りやすくなります。 また、金融機関によっては金利が優遇されるメリットもあります。
金利が低くなることで利息を減らし、毎月の返済額も減らすことができます。 自己資金を頭金に充てられない場合には、親からの贈与という選択もあります。
共働きなら「ペアローン」や「収入合算」
単独では無理でも夫婦の収入を合わせることで借入額を増やすことができます。 共働き夫婦が住宅ローンを組む方法として「ペアローン」と「収入合算」があります。
【ペアローン】
夫婦それぞれが「主債務者」になって、2つの住宅ローンを契約。妻と夫の収入が同程度、どちらも正社員の場合におすすめ。
【収入合算】
夫婦が「主債務者」と「連帯保証人」にわかれて1つの住宅ローンを契約。片方がパートなど収入の差が大きい場合におすすめ。
夫婦が協力して住宅ローンを組むことで購入できる物件の選択肢も広がりますね。
借入額を減額する
ローンの審査項目に「返済負担率」があります。そのため、年収に対して借入額が高すぎると融資が通らない可能性が高くなります。
多くの金融機関の返済負担率は「30%~35%以内」が審査基準です。
「転職後」「健康に不安」は条件に合う金融機関に申し込む
転職直後で勤続年数が短い場合、住宅ローンに落ちる可能性があります。
しかし、近年では転職が当たり前になっています。そのため、勤続年数を重要視しない金融機関もあります。
また、多くの金融機関では団体信用生命保険への加入が融資する条件になります。 ですが健康状態に不安がある場合には「フラット35」など団体信用生命保険への加入を任意としているローンを検討してみましょう。
このように自分の条件にあった金融機関に申し込むことで住宅ローンが通りやすくなります。
中古住宅を頭金なしのフルローンや諸費用込みローンはできる?
新築住宅では頭金なしの「フルローン」や「諸費用込みローン」を取り扱っている金融機関も増えています。
結論からいいますと、中古住宅ではフルローンは通っても、諸費用込みローンは落ちる可能性が高いです。
前章でもお伝えしましたが中古住宅は担保評価額が低くなります。そのため、物件価格以上の融資は銀行としてはリスクが高くなるため融資が通りにくくなります。
また、フルローンについても築年数や物件状況によっては組めないケースもあります。
おすすめの金利は変動・固定どっち?
住宅ローンを借りる際に変動金利にするか固定金利にするかで返済額が異なります。
2022年2月に住宅金融支援機構が公表したデータによると、変動金利を選択した人が「67.4%」と過半数を占めています。(2021年4月~9月の住宅ローンを借りた人が対象)
変動金利は0.4%や0.3%台(2022年8月時点)の商品もあり、1%以上の固定金利と差が大きくなっています。このまま超低金利時代が続けば変動金利がお得です。
しかし、将来的に金利が上昇する可能性は十分にあります。 そのため、どちらが絶対にお得ですとは断言できません。 ライフプランによってご自身にあった金利を選ぶことが重要です。
まとめ
中古住宅でも住宅ローンを通すことはできます。しかし、担保評価によって希望の借入額まで融資できない場合もあります。
中古住宅購入では返済計画や物件の状況、リフォーム費用など新築より確認したい点が多くなります。
そのため、中古住宅売買に強い不動産会社へ早めに相談してみてはいかがでしょうか? ご自身では気づかなかった中古住宅の注意点や返済プラン、条件にあった金融機関などがわかるかもしれません。
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