長期修繕計画とは

【長期修繕計画(ちょうきしゅうぜんけいかく)】
1. 概要
「長期修繕計画」とは、分譲マンションの建物の資産価値を将来にわたって維持するために、管理組合が作成する長期的な修繕のスケジュールと資金計画をまとめた計画書です。
新築時に作成され、通常25年〜30年という長期間を見据えて、「いつ頃」「どこを」「どのくらいの費用で」修繕するかを具体的に定めています。この計画に基づいて、毎月の修繕積立金の金額が算出されます。
2. 計画の主な内容
長期修繕計画には、経年によって劣化が予測される共用部分の修繕工事が盛り込まれています。
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主な大規模修繕工事の例
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・10〜15年周期: 外壁の補修・塗装、屋上やバルコニーの防水工事、鉄部の塗装など
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・20〜30年周期: 給排水管の更新・交換、エレベーター設備の更新、ガス管の交換など
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・その他、共用廊下や階段の補修、機械式駐車場のメンテナンスなど、マンションの設備や仕様に応じた修繕が計画されます。
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3. リノベーション購入時の最重要チェックポイント
中古マンションを購入してリノベーションをする際、この長期修繕計画の確認は、物件選びにおける最も重要なステップの一つです。
リノベーションで室内(専有部分)をどれだけ美しく快適にしても、マンション全体(共用部分)の維持管理がずさんであれば、将来的に大きな問題につながる可能性があります。
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確認すべきポイント
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計画の有無と見直し: そもそも計画が存在するか。また、数年ごとに定期的に計画が見直されているか。
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計画の具体性: 修繕の項目や時期、概算費用が具体的に示されているか。
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資金計画の妥当性: 計画されている修繕工事に対して、修繕積立金の積立額が不足していないか。
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なぜ重要か? もし計画が不適切で資金が不足している場合、将来的に以下のようなリスクが発生します。
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・修繕積立金の急な大幅値上げ
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・「一時金」として、一度に数十万〜百万円単位の追加費用を徴収される
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必要な修繕ができず、建物の劣化(雨漏りなど)や資産価値の低下を招く
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安心してリノベーションを行い、長く快適に暮らすためには、専有部分の工事計画と、共用部分の長期修繕計画の両方が健全であることが不可欠です。
4. 関連語
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