ボタニカルとは

【ボタニカル】
1. 概要
「ボタニカル(Botanical)」とは、直訳すると「植物の」「植物由来の」という意味を持つ言葉です。インテリアやリノベーションの分野では、観葉植物や植物のモチーフ(柄)を空間デザインに積極的に取り入れ、自然を身近に感じる暮らしをテーマにしたスタイルを指します。
都会にいながらも、まるで森やリゾート地にいるようなリラックス感や癒しを得られる空間として人気があります。
2. 特徴
ボタニカルスタイルの最大の特徴は、本物の植物(観葉植物、多肉植物、エアプランツ、ドライフラワーなど)を室内の随所に配置することにあります。
それだけでなく、以下のような要素を組み合わせて空間を構成します。
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植物のモチーフ: 壁紙(クロス)、カーテン、クッション、ラグ、アートなどに、植物や花、葉などの模様(ボタニカル柄)を取り入れます。
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カラースキーム: 植物の「グリーン」をメインカラーやアクセントカラーとして使用します。ベースカラーは、白、ベージュ、ブラウン(アースカラー)など、植物が引き立つナチュラルな色合いでまとめるのが一般的です。
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自然素材: 無垢材のフローリングや家具、ラタン(籐)、リネン(麻)といった自然素材を積極的に使用し、温かみのある雰囲気を演出します。
3. リノベーションでの活用
リノベーションにおいては、デザインの初期段階から計画することで、より洗練されたボタニカルスタイルを実現できます。
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内装材の選定:部屋の一面に大胆な植物柄のアクセントクロスを採用したり、木目調やアースカラーの壁紙・床材を選びます。
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造作(ぞうさく):植物を美しく飾るための造作棚やニッチ(壁のくぼみ)を設ける。
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空間設計:ハンギングプランツ(吊り下げ植物)のために天井にフックやダクトレールを設置したり、日当たりの良い窓際にモルタル仕上げのインナーテラス(土間)を設けたりすることで、植物の手入れやディスプレイを楽しむ専用スペースを作ることができます。
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照明計画:植物の陰影が美しく壁に映るよう、スポットライトや間接照明を効果的に配置します。
4. 関連・類似スタイル
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ナチュラルスタイル: 自然素材を多用する点で共通していますが、ボタニカルスタイルはより「植物」そのものにフォーカスしている点が特徴です。
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モダンボタニカル: コンクリート打ちっ放しやアイアン素材など、無機質でクールな「モダンスタイル」や「ブルックリンスタイル」に、アクセントとして植物を組み合わせる異素材ミックスの手法です。



