Global Comfort
この記事の見所ポイント
- 数年来暮らしていたエリアに今後も長く住もうと、賃貸から持ち家にスイッチ
- 夫妻の好みの“海外仕様”の住まいにするべくリノベも敢行。特に造作キッチンにこだわりを投入!
- 手持ちのヴィンテージ家具に合わせて、落ち着いたワイン色とブルーグリーンをポイントに
- 2階のワークスペースは大きな室内窓で開放感アップ。吹き抜け部分もアートや照明で“見せ場”に
- 水まわり設備も素材にこだわり、高級感たっぷりの空間が完成
マンションということを忘れてしまいそうな、高い天井と2階に続く階段が目をひくIさま夫妻の住まい。Iさまは、日本人の奥さまと日本語が堪能なアメリカ人のご主人の2人家族で、2匹のネコちゃんと暮らしています。
現在お住まいの品川区内のエリアは、交通アクセスがよく、公共施設が充実していて人とのつながりも感じられるところが気に入っているそう。今後も長くこのエリアで暮らしたいと賃貸物件から持ち家へと意識が向き、「5年間ずっと、住宅情報サイトのアラーム(新着お知らせ機能)を設定していました(笑)」とご主人。いい物件が出たら…とあせらず探していたところ、こちらのメゾネット物件と出合いました。
「恵比寿や目黒の超高級物件を見に行った帰りに、不動産会社のかたに『いい物件があれば、今のエリアに住み続けたいんです』と本音をこぼしたら、ちょうど公開前の売り物件があると紹介されたのがここだったんです。なぜか『メゾネットはいやですよね?』と聞かれたのですが、いえいえ、好きですよと(笑)。100㎡以上ある広さと、ルーフバルコニーつきの2階部分がペントハウス風になっているのが気に入りました」(奥さま)。

ご夫妻ともに海外での暮らしが長く、新居も“海外仕様”にしたいと考えたおふたり。クリエイティブ系のお仕事をされているご主人は、既存の状態を見たときに「可能性を感じた」そうで、好みの空間に一新すべく、リノベーションをすることにしました。
Iさま邸の見どころのひとつは、ブルーグリーンのタイルが映えるオープンキッチン。夫婦ふたりでつくって食べることが好きで、当初からキッチンにはしっかり予算をかけようと思っていたとか。
既存のキッチンも対面式のオープンキッチンでしたが、窓向きだった配置から90度回転させてリビング向きの配置に変更。リビングの広さを圧迫せずにキッチンの横幅を確保でき、狙いどおりのレイアウトになりました。

Iさま邸のキッチンは、造作でもうけた“フルオーダー”仕様。「既製のシステムキッチンも検討したのですが、検討した製品は500万円以上もして、しかも100%納得できるものではなかったんです」と奥さま。
「造作にしたことで、夫のこだわりだったボッシュの食洗機などが採用できて、しかもコストも若干抑えられました。わが家には不要な魚焼きグリルを省くことができたのも造作ならではですね」

セラミック製のワークトップもIさま夫妻のこだわりの品。「いろいろと検討するうちに、傷がつきにくくて熱に強いセラミック製にしようということになったのですが、自分たちではなかなか理想的なものを見つけられずにいたんです」
「そんなとき、SHUKEN Reのプランナーさんが『ネオリス』という会社のワークトップ素材を見つけてくれたんです。耐久性が高くて、デザインもいいのが気に入っています。これは、SHUKEN Reさんにお願いしてよかった!と思ったポイントのひとつですね」と奥さま。
伴走してくれそうな印象だった当社に依頼
Iさま夫妻にリノベ会社探しの経緯をうかがうと、まずはご主人が施工事例の雰囲気を手掛かりにネットでリサーチをし、3社ほどにしぼってコンタクトをとったそう。
当社もそのうちの1社で、「コミュニケーションが取りやすく、担当のかたとの相性もよさそうと感じられたこと、また、私たちの要望をくみとって一緒に伴走していただけそうだったことが、最終的にSHUKEN Reさんに依頼した決め手です」(ありがとうございます!)

キッチンだけでなく、LDK全体のアクセントになったブルーグリーンのタイルは、「名古屋モザイク工業」のもの。目地も同色に調合して施工したこだわりの仕上げです。
ペンダントライトはイギリスのインテリアブランド「トム ディクソン」。ご主人によると、モデルルームなどで使われていた状態のいい中古品を、オークションサイトで落札したとか。正規価格で購入したものもあるなか、ときどきそんな工夫をしてコストダウンをはかったそうです。

キッチン本体は、おふたりが好きなワインをイメージしたカラーに。個性的でありながら落ち着いた雰囲気で、ブルーグリーンのタイルとも好相性です。
「よく私の母が泊まりに来るのですが、賃貸の住まいのときに狭いキッチンに3人で立っていたら、母が包丁でケガをしてしまったことがあったんです。その経験から、複数で作業してもぶつかったりしないように、通路を広めに確保してもらいました」(奥さま)。
既存のキッチンがあったスペースを活用して、キッチン奥にはパントリーを設置。「海外の住まいが素敵に見えるのは、余計なものがきちんと収納されているからだと思うんです。ネコに触れられないように食材をしまっておけますし、吊り戸棚をなくした分の収納量をカバーできるので、パントリーは本当につくってよかったです」

IHコンロはドイツのキッチン機器ブランド「ガゲナウ」。キッチン設備にこだわりがあったご主人の希望を叶えられました。こちらのタイプは、洗練されたデザインに加え、操作用のつまみがマグネット式なのがユニーク。使わないときは取り外せるので表面がフルフラットになり、電源が入らないのでペットの危険防止にもつながります。

キッチンからLD側を見るとこんな感じに。1階部分の壁はブルーグリーンのクロスで仕上げました。
「階段の左手奥に和室があったのですが、SHUKEN Reさんが和室の壁を撤去できると判断してくれて、LDを広げられたのがうれしかったです」と奥さま。

LDの床はヘリンボーンのフローリング仕上げ。「私のこだわりで、ぜひヘリンボーンにしたかったのですが、板を1枚1枚組む必要があるので、どうしてもコストが上がってしまいがちでした」
「そんなときに、SHUKEN Reのプランナーさんが、パネル状の既製品を紹介してくれたんです。おかげで低コストで実現することができ、V字の継ぎ目が直線の“フレンチヘリンボーン”になったのも気に入っています。廊下からLDに入るとこの床が視界に広がり、奥行き感が出たのがうれしいです」(奥さま)。

LDKの内装のイメージは、以前からお持ちのミッドセンチュリー家具が似合うようにと考えたそう。天井高の違いは、木目のクロスと間接照明を用いて、デザインの一部にしています。
右手の白い引き戸は、ときどき泊まりに来る奥さまのお母さま用として設けたゲストルーム。コンパクトですがクローゼットもあり、荷物を置いたままにできて便利です。

こちらのコーナーは、壁の幅がキャビネットにぴったり。ご主人と当社のプランナーの間で何度もやりとりして、センチ単位で調整した場所がいくつもあるそうです。
今回のリノベを機に、ご主人は3D CADソフト(立体図面に対応した製図ソフト)をダウンロード。完成イメージを立体で確認しながら進めたとうかがい、リノベに対する情熱が伝わってきました!

ここからは、メゾネットの2階部分を見せていただきましょう。階段は以前と同じ位置のまま手すりを黒く塗装し、踏み板を交換。

高さのある壁面は、補強もおこなってお気に入りのアートを飾るスペースに。以前の賃貸の住まいでは壁に掛けられず、奥さまの実家に保管していた作品を、毎日眺められるようになりました♪
各スペースの照明にもこだわったIさま夫妻。「吹き抜け空間向きの照明はシャンデリアのようなものが多くて悩んだのですが、わが家のインテリアに合わせて、ルイス・ポールセンのシンプルなものを選びました」(ご主人)。

階段を上がった2階部分は、おふたりのワークスペースです。1階のLDKと適度に距離があり、ONとOFFの切り替えがしやすそうなのはメゾネットならでは。
おふたりの希望で、リノベ前は開口部のない壁だった場所に大きめの室内窓を新設。この窓があるかないかで、お仕事中の開放感は段違いです! 左手の壁面には、天井のクロスと色を合わせた吊り戸棚を設置して、書類などの収納スペースを増やしました。

ここからは、玄関からLDKの間のスペースを見せていただきましょう。廊下もLDKと同じフレンチヘリンボーンのパネル仕上げ。素通しのリビングドアを挟んで、床が遠くまで続いている感じがドラマチック!です。
「リビングドアはなくてもよかったのですが、ふたりで食事をしているとネコたちが食べているものを狙うので、廊下側に隔離できるように扉をつけました(笑)。住まいのところどころに黒を使っているので、黒いフレームにこだわりました」と奥さま。

こちらは洗面脱衣室です。ご主人が選んだシックなオレンジの輸入壁紙がエキゾチック。洗面台は「ミラタップ」のカウンター材などを使って造作したもの。「プラスチックを使いたくなかった」とのことで、質感が天然石に近い、人造大理石のカウンター材を選びました。

ユニットバスは「タカラスタンダード」の製品。高級感があって、「床がタイル」という点が決め手になったそうです。

トイレは、「別世界にしたかった」と奥さま。奥さまはイギリス滞在歴が長かったそうで、現地のトイレのような壁紙使いをしたかったとか。
ジャングルとヒョウが描かれたイギリスの「コール&サン」の壁紙を選び、まさに別世界に仕上がりました。「“カルティエ”のような世界観になり、気に入っています。プランナーさんからのアドバイスで、ヒョウの絵柄が不自然にならないように、左手奥の柱の部分だけ黒いクロスにしたのも正解でした」(奥さま)。

最後にご紹介するのは玄関です。こちらも、洗面室に使ったオレンジの輸入壁紙がポイントになっています。たたき部分は大判のフロアタイルに。
「ワインの似合う部屋」が完成!
リノベを終えて、「ワインが似合う住まいにしたいという希望があったのですが、本当にそのとおりになったのがうれしいです」と奥さま。
「毎日幸せです。ラム肉好きなので(笑)、キッチンでふたりで調理してワインと一緒にラム料理を食べるのが本当に幸せで、めっきり外食の回数が減りました」

プランニングに積極的にかかわってくださったご主人も、苦労したからこそ、出来栄えに大満足だそう。
グローバル感覚にあふれたIさま夫妻のセンスで、メゾネットという物件の特徴を最大限に生かした、個性ある住まいが完成しました。
お忙しい中、取材・撮影にご協力いただき、ありがとうございました。
取材・文/ライター志賀朝子



