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"SHUKEN Re"

INTERVIEW
お客様インタビュー|リノベのその後

Passed down

この記事の見所ポイント

  • 玄関からダイレクトにつながるダイニングキッチン。
  • シチュエーションによって形を変えられる造作ダイニングテーブル。
  • 空間を最大限利用した大容量のファミリークローク。
  • 面を共有した2段ベッドを使って個室を増設。
  • 人数が多い家族がほしい工夫が満載。

 

Sさま夫妻、ご主人のお母さま、長女さん、長男さん、次男さんと、ワンちゃんが暮らすお住まいにお邪魔しました。玄関を入ってすぐに広がるダイニングキッチンに「すてき〜!」と誰もが言ってしまうSさま邸。

 

「父が他界して母が一人暮らしになったことと建物が古くなったこともあって、1階が母の住まいとカフェ、2階が私たちの住居という新築の2世帯住宅を建てたんです」とご主人。

 

 

1LDKの2階で暮らしていたSさま夫妻でしたが、3人目のお子さまが産まれ手狭に。また成長したお子さまに個室を作ってあげたいという気持ちも以前からあり、リノベーションをすることにしました。「施工例を見て良いと思った会社にプランを出してもらったのですが、発想が面白くて、私たちのワガママに対して色々な提案をしてくれたのがSHUKEN Reさんでした」と奥さま。

 

 

玄関からダイレクトにつながるダイニングキッチン

 

1階の玄関を入ると横に延びる土間、そして土間に沿ってダイニングキッチン、奥にあるリビングが一体となった空間が広がります。訪れた人が「カフェみたい!」と言うと聞き私たちも納得。中央にあるキッチンとカウンターテーブルがとってもオシャレです!

 

 

ダイニングキッチンは元々、ご主人のお母さまが営んでいたカフェスペースで、現在の玄関はカフェの入り口でした。以前家族が使っていた玄関が狭かったことから、ダイニングからキッチンに伸びる土間を設けました。「家族で出かける時は玄関が渋滞していましたし、遊びに来る人も多いので広くしたいなと。玄関からつながっているウッドデッキでバーベキューをやる時も使い勝手がいいです」お買い物帰りに靴を履いたまま、とりあえず食材をキッチンに置けちゃうのも便利!

家族が多いと散らかりがちな靴や傘もシューズクロークや傘掛けを設けたことで、すっきりとした印象を与えます。

 

 

ダイニングは当社が得意とする造作家具が活躍。家族や親戚が集まって大人数で食事をすることがある一方で、お子さまが部活や塾など帰りがバラバラで、家族の食事のタイミングが違うことも。そんな食事の形が変化するSさま一家のスタイルに合う造作の伸長式テーブルを提案させていただきました。天板に接するフレームを伸ばすとダイニングテーブルに、縮めるとカウンターテーブルになります。これなら、シチュエーションに合わせダイニングの形を変えることが可能です。

 

カウンターの腰壁にはマグカップなどを置けるようにと2つのニッチがあり、ニッチがない中央部分は裏のキッチン側に調味料用のニッチがあります。

キッチンスペースを広く取り、パントリーなどの収納スペースも充実。カフェで使っていたコーヒーマシンを置く場所として設けた壁はパントリー隠しにもなっています。「リノベ前に使っていた2階のキッチンは、私が立ったら誰も通れない広さでした。今はだいぶ広くなって先日も長女の友達が集まって一緒に料理したほどです」と奥さまも大満足。

 

 

リビングから見たダイニングキッチン。壁を無くして玄関からリビングまで広い一つの空間になっていて風通しもいいです。腰壁はテーブル側に貼られていたタイルではなく、ペンキ跡や釘穴などもある古材を生かしたエフトレーディングの“リクレイムドランバー”を使用。本来は土足の床に使用するフローリング材をあえて腰壁に貼りました。こちらにもニッチがあり、ご家族の写真などを飾っています。

 

ダイニングにある2本の黒い鉄柱は構造上外せないものでした。石膏ボードで囲わず、あえて隠さず見せることで、ウッディな中でのアクセントになり空間を引き締めます。

 

 

リビングはテレビ背面のアクセントクロスとスポットライトがシックな空間を演出。一方、元々このスペースにあったお母さまのお部屋は玄関近くの窓のある日当たりの良い場所に移動しました。

 

 

洗面室にある造作の洗面台は、深底の洗面ボウルにしたことで、洗濯物の手洗いや、ワンちゃんのシャンプーにも使えて便利。棚は、ご家族が多いので人数分のバスタオルなどを収納できるよう多めに作り、使いながら調整することを考え稼働棚になっています。

 

 

トイレの床は奥さまがどこかで使いたかったというヘリンボーン貼り。「男の子がいると壁の掃除が大変なので」と、こちらも奥さまのご要望で、掃除がしやすいように腰から下の壁にキッチンパネルをつけています。便器はTOTOの“ネオレスト”。タンクレス憧れます!

 

 

ファミリークロークを中心に

 

ご夫妻とお子さまが暮らしていた2階も大きく変わりました。完全分離の2世帯住宅ではなくなったため、2階にもあったキッチンを無くし、トイレや洗面所などを集約したことでスペースを確保。ファミリークロークを囲うようにコの字型の廊下を軸にご家族のお部屋が並びます。

 

 

写真の左奥にある階段から、トイレ、洗面室、シャワールームと水回りがまとまって並び、続いて3人のお子さまの各お部屋、右奥にご夫妻のお部屋があります。

ご家族が多いSさま一家には大容量の収納スペースが必要でした。しかし、各部屋にクローゼットを設けたりWICを作ると、その分スペースを使ってしまいます。そこで廊下にファミリークロークを置き、ご家族の衣類や荷物をまとめることを提案させていただきました。

 

「リノベ前は服で溢れていましたが、今は余裕すらあります。ハンガーで吊るして収納できるようになったので畳む手間はないですし、洗濯した服を各部屋に持って行く面倒もなくなりました。動線的にも下に行く時に服を取って降りられますし本当にいいです!」と奥さま。お客さんが来た際はロールスクリーンで隠せるようにもなっているのもポイントです。

 

 

当初、階段を登って突き当たりにあったトイレの扉を洗面室の中につけました。これで階段を登ってきた人とトイレから出てきた人が鉢合わせせずに済みます。2階にも洗面室を設けたのはご家族が多いことはもちろん、長女さんがお化粧をする年齢になったら使えるようにという考えから。造作の洗面台はマリンスタイルでホワイトとブルーのタイル、床はブラックのヘキサゴンタイルで落ち着いた雰囲気にまとめています。

 

 

シャワールームはご主人が当初から設置したいと考えていたものの一つ。「子供全員スポーツ系の部活をやっていたので、帰ってくる時間が一緒だと風呂場が渋滞するんですね。それでスペースを使わないシャワールームを作りました」透明ガラスにしたことで圧迫感がなく、入っていると落ち着くんだとか。

 

水回りの位置を変えられないこともしばしばですが、1階2階ともに場所を大胆に変えられたのは、ご主人の先見の明があったからこそ。「将来リノベをすることを前提に設備の配置を考えて家を建てたので、水回りの大きな位置変更ができました」

 

 

面を共有し使える空間を倍に

 

いよいよリノベーションの大きな目的だったお子さまたちのお部屋をご紹介します。限られたスペースで、どのように3人の個室を作ったのか注目です!

 

 

右から長女さん、長男さん、次男さんのお部屋。扉は色を塗れるものを購入して、お子さまが自身で色を決めて塗ったもの。手作り感があっていいし、思い出にもなったと喜んでいただけました。

 

 

長女さんのお部屋は元々洗面室と浴室があった場所で、水回りを集約してできたスペース。その名残に窓が2カ所あって、風通しと日当たりがいいお部屋になっています。

 

 

長男さんと次男さんのお部屋は、家族で寝ていた寝室を二つに分けて作っています。こちらの長男さんのお部屋は長女さんと次男さんの部屋に挟まれ窓はないはず…なのですが、なんと天窓が!実はここにもご主人の先見の明が活躍していました。「家を建てる時に、長女がいて、長男が生まれることが分かっていたので、その時から寝室を分けて個室を作ることを考えていました。分けた時に、片方の部屋が窓のない状態になってしまうなと思って天窓をつけたんです」

 

隣にある次男さんの部屋との間には風通しとして室内窓を設置。ベッドは階段で上がって使う仕様になっています。もしかして下の部分は…と思いお隣の次男さんの部屋へ。

 

 

下は次男さんのベッドになっていました!籠り感があってこれは大人でも使ってみたいワクワクするスペース。「部屋を仕切ると狭くなるから、漠然と2段ベッドで面をシェアできないかと提案したら、プランナーさんが具体的に形にしてくれました」

 

 

夫妻の寝室はベッドがいらなくなった時の搬出や処分の手間がなくなるようにと小上がりに。写真の背面には、オープン収納と机をつなげたご主人のワークスペースがあります。

 

 

これまでの記憶が これからを作る

 

取材日は次男さんの小学校最後の運動会が行われた日でもありました。1階のダイニングでは、リレーで一位になり有終の美を飾ったことがご家族で話題に!この日に限らず、お子さまたちは個室より1階にいることの方が多いんだとか。

 

 

ご家族だけでなく、ご近所の方々が集まるのもSさま邸の特徴です。「畑帰りにお友達とうちでお茶するんですけど、みんな中に入って「素敵ねぇ〜、カフェみたい」って言ってくれます。お友達に気軽に上がってもらえる雰囲気がありますね」とお母さま。

ご家族が自然と集まったり、ご近所さんが立ち寄りやすかったりするのは、40年近く続いたカフェの記憶をどこかで引き継いでいるからなのかも。ダイニングのカウンターにはカフェ時代から使っている3連のペンダントライトが今もSさん家族を照らしています。

変化する家族の形に合わせ、より快適に暮らせるようにしつつ、建物が持つ記憶を感じることができるリノベーションを拝見することができました。

 

お忙しい中、取材にご協力いただき、ありがとうございました!

 

取材・文/ライター淺見良太

撮影/カメラマン清永洋