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"SHUKEN Re"

INTERVIEW
お客様インタビュー|リノベのその後

Bookcafe

 

築50年を超える築古の賃貸マンションにお住まいだった A さま。家賃が上がり、広さも手狭と感じられるようになったことから、リノベを前提に中古マンションを探すことになりました。

 

条件は50㎡以上で新耐震以降に建てられていること。フリーランスでお仕事をされているため、お仕事場を兼ねられる物件が理想だったそう。2020年にhowzlifeにご相談に来られ、ときどき内見するゆっくりしたペースで理想の物件を探されました。

 

「もともと仕事の関係でSHUKEN Reさんを知っていて、物件探しからお願いできると分かって相談にうかがったんです。もちろんHPで事例も見ていて、幅広いスタイルのデザインを手掛けているのが魅力的だなと思いました。それと、SHUKEN Reさんはマンションリノベだけでなく一戸建てのリノベ設計・施工もされていますよね。そこにも他社にはない安心感がありました」

 

こちらのマンションに出会ったのは2023年。以前のお住まいと同じエリアにあり、1984年築で広さは62㎡、部屋数は3 LDKという理想的な条件でした。駅近の立地や、東南向きで日当たりがよく、各部屋に大きな窓があることも決め手になったそう。

 

「以前のオーナーさんがフルリフォーム済みで入居されたようで、内装はまだまだきれいな状態。さらに耐力壁が撤去できない構造だったので、スケルトンリノベではなく、LDKを中心にした部分リノベを計画しました。

 

キッチンと洗面室がつながっていたり、クローゼットなどの収納が充実していたりと、もともと便利な間取りだったので、その良さをなるべく生かしたいという気持ちもありましたね」

 

間仕切り壁には手をつけず、 水回りのレイアウトもそのまま。寝室と予備室はクロスの張り替えのみに。その分、LDKとワークスペースにしっかりエネルギーと予算をかけることになりました。はたしてどんなところに A さまらしさが表れているのか、さっそく新居を拝見してみましょう♪

 

 

玄関は広さも靴収納も既存のまま。カウンターに飾られた不思議なオブジェは、以前手作りラジオを作った時のパーツの一部なのだとか。なんだか北欧のおしゃれなインテリアのようなデザインと素材感ですよね☆

 

 

廊下を進むと迎えてくれるのは、クラシカルなデザインのリビングドア。すりガラスとニュアンスのある黒がレトロな印象です。

 

 

リビングにおじゃまして目に飛び込んできたのは、壁一面の大きな本棚!これが A さまのいちばんのこだわりです。「リノベのスタート時点ではあまり細かいところまで決まっていなかったのですが、造りつけの本棚だけはマストでした」

 

ソファーは以前からご愛用のもの。ダイニングテーブルとチェアもソファーと同じメーカーのもので、こちらは本棚の色に近いものを新調しました。

 

 

床に採り入れたのは「朝日ウッドテック」のオークフローリング。落ち着いた色味とラフな質感が魅力です。

 

 

本棚の棚板は高さを自由に変えられる仕様にして、サイズの異なる本を納めやすく工夫しました。大判の画集から文庫本まで、Aさまセレクトのさまざまな本が並び、見ているだけでも楽しい♪キュレーターさん監修の書店やブックカフェを思わせるワクワク感のある空間です。

 

 

いちばん下の棚板はベンチ風の固定棚に。窓辺に座ることもできるうえ、テレビ台としても活躍しています。

 

棚板の高さをあえて揃えず、本以外の雑貨もぎゅっとミックスして飾るのが A さま流。 「海外実例などでよく見かける、ごちゃっとした本棚に憧れて。ピンタレストなどで画像を探し、そのイメージを参考にしています」

 

 

一角には学生時代にお使いだったという石膏像も。こんな個性的なアイテムも景色に溶け込み、インテリアとしても見ごたえのある本棚を作り上げています。

 

 

天井付近には奥行きの浅い飾り棚を1本。こちらには旅行で訪れたベトナムの人形が可愛らしく佇んでいました。

 

 

棚の中央はもともとある出窓。下台を本棚に合わせて作り変え、インナーサッシをプラスして断熱性と遮音性を高めました。ソファーからのこの眺めがいちばんのお気に入りというAさま。ゆったりした広い壁に、出窓と大きな本棚という憧れのイメージが形になりました。

 

 

収納充実のキッチンですっきりと

 

 

LD の一角には対面キッチンが。元のレイアウトをそのまま踏襲しつつ、設備を一新し、収納スペースを大幅に増やしました。

 

 

キッチンは「LIXIL」のスタンダードなタイプ。ショールームで見て気に入ったブラックスタッコという色を選びました。「白などの明るい色のキッチンより、あえて暗めの色にしたくて。リビングドアの色もこれとお揃いにしたんですよ」

 

右側の壁一面は造りつけのパントリー。「ここはプランナーさんからのご提案でした。 打ち合わせ中に図面を見たら収納として設計されていて、そのままお願いしたのですが、何でもしまえて扉つきなのでとても便利!これがない暮らしはもう想像できません」

 

中には手持ちのワゴンをおさめ、調理家電から食器、ストック食材まで収納。ものが出しっぱなしになることなく、キッチンが自然とすっきり片づくそうです。

 

 

ペンダントライトは 「toolbox」のもの。 コードとソケットのみの無骨なデザインが、シンプルなキッチンにアクセントを加えています。

 

 

キッチンの奥には引き戸があり、洗面・脱衣室に直結しています。「この動線は元からのもの。水回りが近いと、家事の同時進行も朝晩の身支度もやっぱり便利ですよね。大きな間取り変更なしで快適な暮らしができるので、この物件を選んで本当によかった!」

 

 

洗面台はお好みに合わせて造作。木製カウンターに「サンワカンパニー」の四角い洗面ボウルを乗せたベッセル式のデザインを採用しました。かごを使った収納とも相性抜群です♪

 

 

キッチンのペンダントと同様に、パーツは真鍮製をセレクトしました。洗面台脇のタオルハンガーや・・・

 

 

壁のブラケットも真鍮製。クラシカルな質感がインテリアに生かされています。

 

 

トイレも場所は変えずに内装と設備を一新。ここでも黒のクロスが空間の引き締め役になっています。甘すぎないテイストがお好きなAさまらしさが伝わってきますね。

 

 

心地のいいワークスペースでお仕事に集中

 

 

キッチンの隣には愛らしいアーチ型の出入口が。こちらは A 様の念願だったワークスペースです。

 

「フリーランスの同業者と一緒にシェアオフィスを借りているので、基本的にはそちらに通っていますが、家にも作業できる場所が欲しくて。 部屋数に余裕があったので、LDに直結していて日当たりなどの条件もいいこの部屋をワークスペースにしたんです」

 

 

出入り口の位置を変えて室内窓をつけるなどの案もありましたが、構造的にも予算的にも難しかったため、ドア無しでLDと繋げることに。「凝ったデザインよりもシンプルめが好きなのですが、ここだけはちょっと目を引くデザインにして正解でした」

 

 

壁の一面はグレーのアクセントクロス張り。落ち着いてお仕事に集中できる環境を整えました。デスクは造りつけにせず、ちょうどいいサイズの既製品を探したそう。

 

 

デスクのそばにも明るい日差しが入る出窓が。日中は自然光でお仕事ができる理想的な環境です。LDだけでなく個室まで好条件。Aさまがこの物件を選ばれた理由に納得です!

 

 

まるで居心地のいいブックカフェのようだったAさま宅。リノベを振り返ってのご感想をうかがうと・・・

 

「いちばんよかったと思うのは、こだわりをリビングに全振りしたこと。すべてのスペースに平均的に手を加えるのではなく、いちばん大切な場所に絞ってメリハリをつけたことで、満足度が格段に上がったと思います。実際、リノベって、こだわろうと思ったらいくらでもこだわれてしまいますから」

 

以前は家のあちこちに大小の本棚が散らばっていたというA さま。廊下やクローゼットの中にまで本が置かれていたのだそう。「それが1か所にまとまって、くつろぎながら眺められるのが嬉しくて。できればあまり本を増やさず、本棚には余白を残したいけれど、きっとこれからも増えていくんでしょうね」

 

 

お忙しい中、取材・撮影にご協力いただき、ありがとうございました。

 

 

取材・文/ライター後藤由里子

撮影/カメラマン清永洋