デザインリノベーションなら
"SHUKEN Re"

INTERVIEW
お客様インタビュー|リノベのその後

Second Stage

 

 

この日訪ねたのは、渋谷まで徒歩圏という都心のマンション。ご主人は会社員、奥さまはアルバイトとしてお仕事をされている60代のMさま夫妻が、リタイア後の暮らしを見据えてリノベーションをしたお住まいです。

 

娘さん&息子さんと一緒に暮らしていた社宅が手狭になり、現在のマンションを中古で購入したのが20年ほど前のこと。

 

「もともとここは3LDKで、子ども部屋2つ、私たちの寝室、LDKと、4人家族にはちょうどいい間取りだったんです。今後は夫婦2人暮らしになるので、広いLDKにコンパクトな寝室というような、夫婦2人で暮らしやすい住まいにしようとリノベをすることにしました」

 

 

同年代のご友人には、郊外にセカンドハウスを持ったり移住したりするかたもいらっしゃるそうですが、「自分たちは東京のほうが居心地がいいので」とご主人。住み替えは考えずに、これまで暮らしていた住まいを“2人仕様”にすることに。

 

リノベ工事を機にひとり暮らしを始めた娘さんも、日中リモートワークをしによくこちらにいらっしゃるそうです。

 

 

Mさま邸のリビングには、月光の中を歩くキリンの一行を描いた幻想的な油絵が飾られていました。奥さまが趣味で描かれた作品で、住まいのあちらこちらに飾られた作品の数々が素敵なインテリアに♪リノベで設置したピクチャーレールが重宝しています。

 

 

奥さまはもともと古い建物が好きで、ヴィンテージマンションや昔の小学校のような、レトロでどこか重厚感のある雰囲気が好みだそう。リノベで内装の方向性を検討する際も、「ヴィンテージマンションのような」が1つのキーワードになり、壁を白の塗装仕上げにしたのもそのイメージからでした。

 

リノベに合わせて新調したソファは、インテリアショップ「アクタス」で購入した「NATADORA(ナタドラ)」のもの。海外からの船便だったため、到着まで5カ月かかったそうです。ブラウンのレザー製ソファは、ヴィンテージ風の空間にとてもよくマッチしていますね!

 

 

リビングの天井を板張りにしたのもヴィンテージ感の演出のため。フローリング材のような細い板材ではなくラワン合板を選んだのがこだわりで、落ち着いたブラウンの塗装で仕上げました。

 

 

そして、リビングの正面のまさに住まいの中心!という場所にあるのが、木、ステンレス、タイルを組み合わせた端正な造作キッチンです。「持ち家リノベ」だったMさま夫妻は、時間的な制約が少なかったこともあり、1年ほどかけてさまざまなシステムキッチンのショールームをめぐったそう。

 

「1社、いいなと思ったメーカーがあったのですが、大手にくらべて金額が少し高めだったんです。それなら予算的に造作してもいいかもしれないとなって、造作キッチンが得意なリノベ会社はないかと探して、見つけたのがSHUKEN Reさんでした」

 

 

以前は壁に囲まれた独立型だったキッチン。すぐ後ろには冷蔵庫や食器棚が迫り、キッチンに立っている人がいると、もう1人が後ろを通るのも一苦労だったとか。

 

壁を撤去してフルオープンにして、キッチン本体をリビング側に少し出してゆったりとレイアウト。ご主人の希望だった2人で作業しやすい広さと、「家で飲むときのつまみはいつも自分でつくる」というご主人に合わせた、少し高めのカウンター高を実現しました。

 

 

造作で思い通りのキッチンに

 

いっぽう奥さまがこだわったのは、「見た目のシンプルさ」だったとか。リビング側はキャビネットの取っ手をなくし、手前側はスリムで存在感が少なめの取っ手をチョイスしています。

 

食洗機は大容量でフロントオープンのものが希望だったことから、ドイツの「BOSCH(ボッシュ)」の製品に。コンロは以前はガスでしたが、「とろ火の消し忘れが以前に何度があったので」と、この機会にIHに変えたそう。暮らしの不安を解消するのも、リノベはいい機会ですね!

 

 

キッチン空間に自然になじんでいるこちらの柱は、排水関係のパイプスペース(PS)です。以前の独立型キッチンのときは壁の一部でしたが、オープンキッチンにするにあたってむき出しになるため、当初は真っ白な円柱にするのはどうかと考えていたそう。

 

「壁を解体してみたら内部の2本のパイプに間隔があって、円柱にするとかなり太くなってしまうことがわかったんです。それで、柱のように四角く囲んでタイルで仕上げることにしました」とご主人。仕上げに使ったタイルは「名古屋モザイク工業」のショールームで選んだそうです。

 

 

キッチンの背面側には造作したカップボードがあり、壁面にはPSに使った長方形タイルの“正方形版”が使われています。

 

画像ではわかりにくいかもしれませんが、ところどころに同色のへこみのあるタイルを使って、「雨だれ」のようなイメージを表現。このゆらぎのあるブルーグリーンのタイルが、Mさま邸のオリジナリティを感じるポイントになりました。

 

 

キッチンのすぐ横にはパントリーを新設。もともとここは子ども部屋だったスペースで、奥に進むとWICにつながるウォークスルー型の収納スペースです。

 

手前のパントリー部分は、左手が冷蔵庫置き場で、右手はオープン棚に。オープン棚には「無印良品」のケースが並び、使いやすそうに食材などが分類収納されていました。

 

 

キッチンを中心にして、リビングとダイニングがちょうどL字形に配置されているMさま邸。ここからはダイニングスペースを見せていただきましょう。

 

リノベ前もこちらはダイニングスペースでしたが、すぐ隣にあった寝室の壁を撤去して広々とした空間に。ダイニングテーブルとチェアは、20年以上前の社宅に暮らしているときから使っているお気に入りだそうで、「チェアの座面を張り替えて愛用し続けています」とご主人。

 

 

ダイニングの壁面にも、リノベで設置したピクチャーレールを使って奥さまの作品が飾られていました♪ 真ん中の作品に描かれた建物は、東京・神宮前にある「ビラ・ビアンカ」。1964年築の有名なヴィンテージマンションだそうで、奥さまのヴィンテージマンション好きがうかがえますね。

 

 

そしてこちらは、ダイニングの全景です。手前に見えるのはマンションの躯体柱! ここがダイニングと寝室に分かれていた当時は、この柱は壁の中に隠れていたそうで、「開けてみたら特徴的な斜めの柱がでてきて、この柱がリノベの一番の掘り出し物かもと思ったんです」と奥さま。

 

「実際に暮らしてみると、LDKから直接つながるトイレのドアの目隠しになるうえ、ワンルームのLDKの中でダイニングがひとつのゾーンというか、個室風に感じられる効果もあって、とてもよかったなぁと思っているんです」とご主人。

 

 

ダイニングにつなげた旧・寝室のスペースは、フリースペースに。壁の1面をグレイッシュなグリーンの塗装で仕上げてアクセントにしました。

 

フォーカルポイントになっているチェストは、以前から愛用している米軍の払い下げ品だとか。今後ここには、くつろげる椅子や奥さまのイーゼルを置くなどして活用していきたいと思っているそうです。

 

「僕はダイニングから見るフリースペースの景色がいちばん気に入っていて、お客さんが来るといつも壁を背にしたこの席に座ってもらうんです。夕方になったらスポットライトをつけるんですが、そうするとまたいい感じで」とご主人が教えてくれました。

 

 

こちらは唯一の個室であるご夫妻の寝室です。ベッドを買い替えることになったら、次はシングルベッド2台にする予定だそうで、コンパクトながらシングルベッド2台が置ける広さを確保。奥さまいわく、「ヴィンテージ感もあるし、掃除もラクそうなので」と、床はコルクタイルを採用しました。

 

窓側の勾配天井の部分は、建物から張り出しているため真下に下階の部屋がないのだそう。冬の床の冷たさが気になっていたため、床下に断熱材を入れて対策をしました。さらに窓まわりにはインナーサッシも追加したので、寝室の寒さ対策は万全です。

 

じつはダダちゃんというネコちゃんがいるMさま邸。恥ずかしがり屋さんのようで、あまり姿を見ることができなかったのですが、撮影中は右手の収納棚のケースの中でじっとしてくれていたみたいです♪

 

 

ダダちゃんの姿を画像ではご紹介できませんでしたが、寝室の家具の上に奥さまが描かれた肖像画(!?)がありました♡

 

先ほどキッチンのところでご紹介したパントリーは、そのままWICにつながり、最終的に寝室に出られるつくりになっています。「荷物をすべてここにまとめられたので、他のスペースがすごくすっきりしました」と奥さま。

 

 

以前は廊下からアクセスする間取りだった洗面室は、廊下をなくしたことでLDKからアクセスする間取りに。スペースを広げて、キッチンと同様、洗面台も造作ですっきりデザインに仕上げました。

 

デザインのイメージソースはインスタグラムなどから探しましたが、「もともとすっきりしたデザインでつくっておいて、あとから自分で花などを足せるようにしておきたい」という気持ちが奥さまのベースにあったそうです。

 

右手のプッシュ式の扉を付けた収納スペースには、タオル、愛猫のご飯、掃除機などを収納。そのさらに右手には来客時に目隠しできるようにプリーツシェードをつけた洗濯機置き場があります。

 

 

洗面台の水がかりの部分は、キッチンと同じシリーズのタイルで仕上げました。水栓は壁出しタイプのスタイリッシュなものを奥さまがチョイス。「夫から、朝、髪をぬらしたいのでシャワーホース式のものがいいとリクエストがあったのですが、あきらめてもらいました(笑)」

 

 

こちらは、洗面室の隣にあるトイレです。デザインの面から、下部が開いているフロートタイプの機器を採用したかったという奥さま。ご主人の助言もあり、「TOTO」の製品を選びました。塗装仕上げの壁は向かって左側だけ薄いグレーで仕上げて、さりげないアクセントに。

 

 

最後のご紹介するのはこちら、玄関ホールです。奥行きをたっぷりとって、ゆったりとした広さに。リノベ前は玄関を入ると正面と左手に廊下が続く間取りでしたが、リノベでスペースをフル活用したムダのない間取りになり、ここが唯一の“廊下”です。

 

曲線に切り取られた上がり框(かまち)は、ご主人のアイディアだったそうで、取材スタッフが複数人でうかがっても“渋滞”知らずの玄関でした!

 

LDKにつながるドアの両サイドにはガラスブロックを採用。これは、奥さまたっての希望だったとか。「オイルショックの影響で、母が憧れていたガラスブロックを実家では使うことが叶わなかったんです。それがずっと心の中に残っていて……」と奥さま。

 

 

リノベ計画が動き出したばかりの頃、当社を含めた3社のリノベ会社とコンタクトを取ったというMさま夫妻。リノベの希望をまとめたご主人作のパワーポイントの資料には、もちろん「どこかにガラスブロックを使いたい」と書いていたそうで、「提案されたガラスブロックの使い方は三社三様で、SHUKEN Reさんのプランがいちばんピタッと来たんです」と奥さま。

 

「プランナーさんもとても感じがよくて、どうしようかと迷っているときに、『私はこっちのほうがカッコいいと思いますよ』とか『ちょっと金額が上がっちゃうんですけど』とか、率直に話していただけたのがとてもよかったです」(ありがとうございます!)

 

 

リノベ後は自宅がバーに

 

引き渡しからおよそ1年が経過して、「住み心地はとてもいいです。快適ですし、住まいがよくなってよかった~と日々感じています」と奥さま。

 

 

ご主人は特に、キッチンの使い勝手がよくなったことを喜んでくださっていて、「2人でスムーズに作業できるようになったのがうれしいですね」

 

 

リノベ後は、ご夫婦2人やご友人と自宅でお酒を楽しむ機会が増えたそうで、ご友人には「ここがお店みたいだから、外に飲みに行かなくていいんじゃない?」と言われたとか。普段の食事時間も、テレビを消して、音楽をかけて、この空間を楽しみながら過ごしてくださっているそうです。

 

絵を描くのが趣味という奥さまに対して、サーフィン、ゴルフ、卓球と、アクティブな趣味をお持ちのご主人。およそ1年後に予定しているリタイアのあとも、こちらを拠点に充実した毎日を送っていただきたいです。

 

お忙しい中、取材・撮影にご協力いただき、ありがとうございました。

 

取材・文/ライター志賀朝子

撮影/カメラマン清永洋