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"SHUKEN Re"

INTERVIEW
お客様インタビュー|リノベのその後

光あふれ、風に寄り添うワンルーム

 

 

 

3LDK・76㎡のファミリータイプの間取りを、リノベで大胆なワンルームに! この日訪ねた流山市のTさま邸は、足を踏み入れた瞬間に思わず「おぉ~」と声が出てしまうほど、光があふれ、風が突き抜ける大空間が魅力的なお住まいです。

 

ご夫婦ふたり暮らしのTさま。ご主人は集合住宅やホテルといった大建築規模を手掛けるゼネコン設計部の建築士ですが、自分一人で設計するよりも他の方と共同設計できた方がより良いものができるのではという思いから、当社プランナーとの二人三脚でご自宅のリノベを進めることになりました。

 

 

ご主人は幼少期にテレビ番組で目にした、人々の暮らしを豊かにつくり変えてしまう大工さんの職人技にひかれ、ものづくりに魅力を感じるようになったのだとか。「その後、そんな魅力的な空間を考案・デザインする “設計”という仕事があると知って、自分も人が楽しく過ごせる空間を考える仕事に関わりたいと志すようになったんです」

 

ご自身でご自宅の設計をしたいと思われたのも、Tさまの場合は当然かもしれませんね。リノベのテーマはどんなものだったのでしょう? 設計のプロが考えるご自宅のコンセプト、気になります!!

 

「3面開口のある角部屋」にこだわって物件探し

 

「結婚後3年ほど市内の賃貸アパートに住んでいたのですが、そろそろ自分たちの家を持ちたいと思い始めた頃に、知り合いの建築士たちが行う中古マンションリノベーションを見て、自分もやってみるチャンスだなと考えるようになりました。物件探しのときにこだわったのは、角部屋で3方向に開口があることでした」とご主人。

 

 

Tさま邸の開放感は3面開口のなせるわざ! 当初から「狙って」物件探しをされたのですね。「暮らしの中に光や風を取り入れたいという思いと、玄関を入って廊下を通ってLDK…というよくある構成を崩したいという希望がありました。それに最適な間取りな気がしたんです」

 

ご主人がおっしゃるとおり、玄関を入って廊下を通ってLDK…というごく一般的なマンションの間取りの概念はゼロ! それがTさま邸ならではの個性になっています。

 

「いろいろなリノベーション事例をチェックしていたときに、3面開口でワンルームという事例は見当たらなかったんです。開口部が向かい合っていて、風が通り抜けるようなプランにしたら面白そうと思いました」

 

IHコンロとダイニングテーブル一体型のキッチン

 

広いワンルーム空間なので、どこからご紹介したらいいか迷ってしまいますが、まずはキッチンから行きましょう!

 

 

こちらがTさま邸のキッチンです。採用したのはパナソニックの「いろりダイニング」というキッチンシリーズ。奥さまいわく「ひとりでこもって作業するようなキッチンは苦手だったので、ダイニングとのつながりがある感じにしたかった」と、この商品を選びました。

 

 

IHコンロとダイニングテーブルが一体というキッチンを採用して、

リビングとつながった開放感のあるスペースになったばかりか、

家事ラクにもつながったとか。

 

配膳がラクで、調理後の掃除もサッと拭くだけで完了。熱々のフライパンをそのまま食卓に出すにも向いているので、「食洗機に入れて洗うお皿の枚数も減らせます(笑)」

 

 

キッチンがダイニングテーブルの機能も持つため、どうしても収納スペースが減ってしまいますが、それをカバーするために、壁際にはこんな造作収納を設けました。収納の中までは棚を作らないことで、市販のラックを入れたりと使い方に応じてフレキシブルに利用でき、かつコスト削減にもつながりました。引手の部分は、指がかけやすいように多角形のデザインにしました。

 

 

リビング・ダイニングとつながりのあるキッチンが希望だったことから、当初は周囲にダイニングテーブルが設けられた一体型の造作キッチンも検討したそうですが、「サイズ的に存在感がすごく、コストもかかりそうだったんです」と奥さま。

 

せっかくの“風が突き抜ける”大空間を生かせるように、キッチンをコンパクトにまとめることができたのは、「いろりダイニング」のおかげですね~。

 

 

「プランニング中、テレビのことを意識していなくて(笑)、いざとなって設置場所を迷ったのですが、キッチンの壁面に壁付けにすることにしました。キッチン・ダイニングから見やすいのはもちろん、アームでリビング側に向けることもできます」とご主人。

 

テレビのすぐ右手には、なにやら扉のようなものが見えますが……

 

 

壁と同化した扉の内部には、インターフォンと床暖房の操作パネルが隠れていました~。「壁から余計なものを出したくない」というご主人のこ仕掛けです。電気スイッチなども、できるだけ目立たない場所につけたとか。

 

 

キッチンのちょうど対面にあたるスペースがリビングスペースです。大きな青い「ヨギボー」がドーンと置いてあるのがユニーク!その日の気分でフレキシブルにくつろげるのが気に入っているそうです。

 

 

そしてリビングコーナーには、こんな造り付けのベンチもあるんです。光を浴び、風を感じられる窓際に、暮らしの拠り所となる収納付きの「縁側」ベンチと物を飾ることができる「軒棚」を設置。これはご主人が「縁側」と「軒(のき)」のイメージで設計したものです。

 

「“縁側”に見立てたベンチがずっと窓際に続いているなかで、少し変化をつけるために、奥行きを広げたベンチとしています。ここはキッチンから近い場所なので、食後にくつろげるスペースにしたくて。寄りかかったり寝そべったりもしやすい場所にしました」

 

 

上の画像でもおわかりのように、右手に「縁側」ベンチが一直線に、「軒棚」は開口に沿って設置されています。また、Tさま邸の個性のひとつにもなっているのが、床の一部がモルタル仕上げになっているということ。

 

「大きなワンルームにすることは決めていたのですが、フローリングだけだと空間がのっぺりとしてしまので、メリハリをつけつつ、ゆるやかにゾーニングするために、玄関から続くモルタルの床を室内まで延長することにしたんです。どこまでをモルタルにするか、ギリギリまで悩みました」とご主人。

 

 

奥のフローリングの部分が「リビング1」、モルタルの部分が「リビング2」という感じに差別化できたのがよかったそう。

 

 

モルタル仕上げの「リビング2」に面した部分には、洗面コーナーを設けました。これは、奥さまからのリクエストを反映したものとか。

 

「洗面室は脱衣室を兼ねることが多いですが、家族の入浴中に洗面台が使いにくくなるのがイヤで、洗面台を部屋側に出したいと思ったんです」

 

そうした奥さまのご希望を受けて、ご主人は部屋側に洗面台を置くプランを考案。奥さまは、その住空間になじむ洗面台の素材を選びました。グレーのカウンター材に黒い洗面ボウルを合わせて、ホテルライクな雰囲気にまとめてます。

 

 

こちらが洗面コーナー横の白い扉の中にある脱衣室です。洗面台がないぶん、広々としていますね~。

 

インナーなどはこちらに収納しているので、乾燥が終わったあとにすぐに片づけられるのが便利だとか。

 

 

玄関には靴の収納用のオープン棚を設置。棚板を可動式にしてハンガーパイプもつけられるようにしたので、棚板をはずしてコートをかけることもできます。

 

実は奥さまは、取材当日、妊娠8カ月でいらっしゃいました。棚板をはずせばベビーカーも置くこともできるとうかがい、「なるほど!」と感嘆の声をあげてしまいました~。

 

 

トイレはシンプルにまとめました。「タンク式を選んで内装もごくシンプルに。キッチンに予算をかけたので、ここや脱衣室でコストダウンをはかりました」とご主人。

 

とはいえ、壁に余計な出っ張りが出ないように、照明のスイッチプレートはトイレ内にしつつ、入ったときにすぐ電気がつくように人感センサー式にしたのがこだわりです♪

 

 

東西に長いワンルームのTさま邸。キッチンのある東側に対して、西側は寝室&ワークスペースとして使っています。奥にはWICも完備。

 

オブジェのようにたたずんでいるのは、奥さまが趣味で弾かれている小ぶりのハープ(レバーハープ)です。高校時代に吹奏楽部でグランドハープを弾いていた奥さま。大人になって楽しめる趣味として再開したそうです。素敵ですね♪

 

 

「洋服を選ぶのも、洗濯済みの衣類の片づけもラクになりました」と、奥さまはWICのある暮らしを大絶賛。

 

出入り口にはお二人で探したロールスクリーンをつけたので、来客時などに目隠しができて便利だとか。色柄入りのものを選んでシンプルな空間のアクセントにしています。

 

 

ベッドを置かず布団を使っているので、日中は広々使える寝室スペース。右手に寄せてあるのは、ダークブラウンのバーチカルブラインド。実はこの寝室&ワークスペースは、このバーチカルブラインドで間仕切ることができるんです!

 

 

バーチカルブラインドで間仕切るとこんな感じに。お子さんが成長したらここを子ども部屋にすることも考えているそう。

 

スタッフが驚いたのが、このアイディアを思いついたのが奥さまということ。ご主人は「ワンルームというコンセプトを生かしつつ、ゆるやかに区切る方法がないか」と検討していたところ、奥さまがSNSで窓廻りについたウッド調のバーチカルブラインドを見つけ、部屋の間仕切りに使えるのでは?とご主人に提案したのだとか。

 

 

「光も風も通せるので、やりたかったことを実現するのに妻の提案が最適だなと思って」とご主人はにっこり。吊り元が天井に埋め込んであるので、直線デザインが際立つ美しい仕上がりになりました。

 

 

ウッドブラインドを採用したので、羽根をピタッと閉じると壁のよう! フレキシブルに使いたいスペースの間仕切りにぴったりですね。

 

窓辺にはリビングスペースのベンチとデザインをそろえたデスクを造り付けました。外の景色を眺めながら、気持ちよく在宅勤務ができるスペースです。

 

可変性のある唯一無二の住まいが完成!

 

ここまで、広々としたワンルームにさまざまな機能を盛り込んだTさま邸を見てきました。ご入居からまだ数カ月ですが、住み心地はいかがでしょう?

 

「やはり3面開口なので、光や風をたっぷり取り込めるのが気持ちいいですし、その日の気分によって場所を選んで過ごしやすいように自由に利用できるのが良いです。」とご主人。ご自身でベースの設計を手がけた住まいの暮らせる醍醐味も感じているそうですが、ご自身で手がけたゆえに、「こうしてもよかったかな~」と別プランが浮かんでしまうことも。「自分が仕事ではできなかったことをやれる、ちょっと実験的な家にもなっているんじゃないかなって思います(笑)」

 

 

「家事もすごくしやすくなったのがうれしいです」というのは奥さま。「もともと料理はそれほど好きではなかったのですが、このキッチンのおかげで多少は好きになれました(笑)」

 

普段はお仕事で集合住宅など、新築の建物の設計を担当されているご主人。1つのプロジェクトを長い時間かけてかつ分業して進めるため、最後まで見終える機会に中々出会わないのですが、今回のリノベを通じて最初から最後まですべて見ることができたのがとても感慨深かったとか。

 

対して奥さまは、「リノベの自由度」が印象的だったそう。「Shukenさんにいろいろ融通をきかせていただいたことも大きいのですが、既存の間取りがあるなかで、ここまで自由に好きなことができるとは思っていませんでした」

 

 

お子さんのご出産を控えて、とてもいいタイミングでリノベに取り組まれたTさまご夫妻。光と風がたっぷり入るこの大空間を、お子さんが元気に走り回る日をスタッフ一同、楽しみにしていますね!

 

お忙しい中、取材・撮影にご協力いただき、ありがとうございました。

 

取材/ライター志賀朝子