公開日:2022-11-01 更新日:2024-12-19
中古戸建てのリノベーションで後悔しない為の9つのポイント
リノベーションすることを前提に中古戸建てを購入する方法には、新築と比較して、都市部でも条件の良い立地に見つけられる可能性があります。
加えて、費用を抑えられるという魅力も。
ただ、リノベーションに費用がかかりすぎると、結果的に新築にした方が良かったのでは…?と後悔する結果になることもあるでしょう。
また、費用は予算内であっても希望する間取りに変更できないこともあります。
予算内で満足できるリノベーションをする為に必ずチェックしなくてはならないポイントを確認してから、中古戸建て探しを始めることが後悔を防ぎます。
具体的にリノベーション費用の増価を避け、間取りの自由度を得る為に必要なことを確認していきましょう。
・中古戸建て住宅購入からリノベーションまでを予算の範囲内で進め理想の住まいにする為には中古戸建て物件の選び方が重要です。
・後悔のない中古戸建て住宅を購入する為には見学時の入念なチェックが必要です。
・専門家がどのような視点でリノベーション前の物件をチェックするか、専門家にどのようなアドバイスを受けると効果的かなど、中古戸建て住宅の物件見学時のチェックポイントを紹介します。
目次
新築時に住宅が備えていた性能が低い
建築された時代によっては、耐震と断熱に問題のある住宅があります。
① 地盤が弱い土地に建てられていた
現在では建築基準法で地盤調査が義務付けられています。
しかし、平成12年(2000年)以前に建築された住宅はその義務がなかった為、地盤の弱い土地に建てられている恐れがあるのです。
地盤の弱い土地の怖さは、地震の揺れから一般的な地盤に建つ住宅より大きな負担を受け、傾きや歪みが発生することも。
その結果、建付けが悪くなりドアや窓の開閉がし難い、外壁や基礎のコンクリートにヒビが入る、下地が劣化するなどの問題が起こることもあります。
下地とは、クロスやフローリングなどの仕上げ材の内側に使われている石膏ボードやモルタル、構造用合板などを指します。
外壁のヒビや建付けの悪さは見学時に入念にチェックすれば発見できますが、基礎のヒビや下地の劣化は見えません。
見学時にはたまたま外壁に目立つヒビがなかった、チェックした窓や出入り口はスムーズに開閉できたという状態だと見逃してしまう可能性があります。
不動産だけではなく、リノベーションに対しても知識の豊富な専門家といっしょに見学することで、見えない部分の確認と判断ができます。
② 耐震性が低い
しっかりした地盤に建てられた住宅の中にも、耐震性が低い住宅があります。
1981年6月1日以前に建築された住宅は、旧耐震基準で建てられているので耐震改修が必要です。
見学に行く以前に新築された年を確認しておきましょう。
耐震改修に相当な費用をかける予定がない場合は、1981年6月1日以前に建築された住宅は避けた方が無難です。
③ 断熱性が低い
日本の住宅は先進国であるにもかかわらず、断熱性の低い住宅が建てられ続けてきました。
その為、昭和55年(1980年)に省エネルギー基準が定められる以前の住宅は、非常に寒い家が多いです。
その後、平成4年(1992年)、平成28年(2016年)に省エネルギー基準の法改正が行われているので、徐々に断熱性能の高い住宅は増えています。
ただ、耐震基準とは違い、省エネ基準は義務付けられているわけではないので、築年数だけでは判断できません。
窓だけは見た目でわかるので見学時に判断できますが、壁や天井、床の断熱材は確認できません。
複層ガラスが使われていたり、内窓が設けられたりしていれば、ある程度の断熱性は期待できます。
一方、窓枠にカビやクロズミがある場合には、結露が発生している恐れがあります。
結露は断熱性の低い住宅に発生するので、窓枠の観察も断熱性のチェックに役立つのです。
また、冬であれば感じることができるかもしれませんが、隙間風からの冷気の量なども、気候が良い季節に見学すると気がつかないことが多いですね。
隙間風のほとんどは建付けの悪さからできる隙間が原因。
暖かい季節であっても、建付けの悪さを見抜ける専門家といっしょに見学すると、冬の隙間風の多さや対策について提案を受けられます。
住宅の状態が悪いことを見抜けないと改修費用が嵩む
新築時から売却に至るまでの状況によって住宅の状態が変わります。
10年程度でシロアリ消毒や外壁塗装などの良い状態の維持に必要なメンテナンスを繰り返してきた住宅は、良い状態が維持されているはずです。
日ごろの掃除やお手入れをマメにしていたという住宅も劣化は少ないでしょう。
一方、新築以来手を入れてこなかった住宅や、日ごろの暮らし方が雑だったというような住宅では、劣化の状態に大きな違いがあります。
劣化の進行度合いが、リノベーション費用の増減に影響します。
④ 構造部の腐朽による耐震性の低下
新耐震基準で建築されている住宅であっても、雨漏りやシロアリの被害によって構造部が腐朽し耐震性が低下していることがあります。
メンテナンスをしていた住宅であっても、適切な時期を逃していた場合には劣化が進んでいる恐れがあります。
また、外壁や屋根の塗装にグレードの低い塗料を使っていたなどの理由で、メンテナンスの効果が不十分である場合もあるのです。
この部分は見学をしても判断がつきかねる部分なので、専門家のアドバイスが役立ちます!
⑤ 給排水管の劣化
戸建て住宅には配水管からの水を供給する給水管、給湯機器からのお湯を供給する給湯管、生活排水を下水道に流す排水管があります。
中古建て住宅では耐用年数が15年から20年の鋼管や鉛管、20年から25年の銅管が使われている為、経年劣化している恐れがあります。
給水管が経年劣化すると錆が混ざった赤茶色の水が出る、水漏れするなどの問題が起こることも。
また、耐用年数内であっても適切なメンテナンスをせず、食べ物の残りカスや洗剤による詰まりを度々起こしていた住宅では排水管の劣化が進みます。
見学時に水を流してみるなどの方法である程度は確認できますが、ここも判断が難しい部分なので、専門家のアドバイスが役立つのです。
⑥ 住宅設備機器の劣化
キッチン、浴室、洗面所、トイレの法定耐用年数は12年、給湯器は10年と定められていますが、実際にはもっと長く使えることもあれば、汚れや不具合が起きることもあります。
また、売り出されるまでの期間に交換をしている住宅もあれば、実際の耐用年数を過ぎているのにそのままになっている住宅もあります。
住宅設備機器の状態は、型の古さや汚れなどから比較的判断しやすい部分ですので、見学の際にはしっかりチェックしましょう。
⑦ ベランダ、テラス、ウッドデッキなどの劣化
常に紫外線や雨風にさらされている屋外の設備は劣化が進んでいることが多いです。
劣化の度合いは見学の際にある程度見た目で判断できます。
落下や床抜けなどの危険がありますのでしっかりチェックしましょう。
希望する間取りに変更できない
耐震や断熱を含めて住宅の状態が非常に良い場合でも、間取り変更の制限が多いと、思い通りにリノベーションできない可能性があります。
木造住宅の中で在来工法はツーバイフォーなどの壁組工法と比較して、間取りの自由度が高いことが特徴の一つです。
ただ、変更点が多いほどリノベーションの費用が嵩みます。
➇ 間取り変更制限が多い
在来工法の木造住宅には「間取り変更の自由度が高い」という良さがありますが、耐震という面から考えると限界があります。
外せない耐力壁や動かせない柱があり、外壁は壊せないからです。
例えば、細かく分かれている居室を大空間にしたい、吹き抜けを設けたい、大開口にしたいというような希望は、叶えられないことがあります。
ただし、フルリノベーションという方法を取ると、間取りの制限がほぼなくなります。
フルリノベーションは構造部以外をすべて取り外す為、窓、水回りなど通常は位置変更が難しい部分も、基礎の形状以外は思い通りに変更できます。
日当たりや風通しの良さが確保できない住宅であっても、窓と間取りの変更で日当たり風通しの良い住宅にすることも。
このリノベーションには新築住宅にほぼ近い費用がかかりますが、費用がかかる分間取り変更の自由度が得られます!
その他にも、全てを一新するので断熱や耐震、給排水管や下地の劣化などがまとめて解決されます。
フルリノベーションで少しでも費用を抑えたい場合には、外壁は残す方法もありますね。
この場合には、窓の位置やサイズは変えられませんが、それ以外は自由に変更できます。
それでも一般的なリノベーションの費用より新築の費用に近い費用がかかるのです。
➈ 水回りの変更を希望すると費用が嵩む
水回りの位置の変更はリノベーション費用を嵩ませる大きな要因です。
ただ、水回りの位置は変えなくても、耐力壁以外の壁を外したり、間仕切壁を付け足したりすることで、間取りの変更はできます。
例えば壁付キッチンをアイランドキッチンにする、トイレを2階にも設けたいという程度なら、それほど費用を嵩ませずに変更できるのです。
一方、1階にあるキッチンや浴室を2階に移動したいというような変更になると、費用が非常に嵩んでしまいますね。
見学の際には、現状の水回りの位置と外せない耐力壁のままで、どの程度まで自分たちの希望する間取りにできるのかを判断しなくてはなりません。
見学の際に、リノベーションを依頼する会社といっしょであれば、間取り変更の可能性について具体的なアドバイスを受けられます。
例えば、小屋裏空間を現状の梁や柱を活かして天井に繋げ、おしゃれで開放的な雰囲気のリビングにするというような変更の提案がされることもありますね。
リビングとダイニングキッチンを繋げてアイランドキッチンを導入するなどのアドバイスもあるでしょう。
このような具体的な提案は、見学している住宅での「家族の希望する間取りにする可能性」を判断する助けになります。
後悔しない中古戸建てのリノベーションをする方法
予算内で家族の希望する住まいを手に入れる為には、中古戸建て住宅の選び方が重要です。
ただ、家族だけでは見学の際にチェックリストを用意して臨んでも、見えない部分があり、十分な判断ができないことが多いでしょう。
その結果、優良物件であったのに購入の決断がつかず買い逃してしまうこともあるかもしれません。
反対に十分な確認ができないうちに、不動産業者や売り主側に進められるまま購入してしまうこともあります。
どちらの場合であっても後悔に繋がります!
そのような事態を避け、家族の理想の住まいとなる中古戸建て住宅に出会う為には、信頼できる会社を探し、相談するという方法が効率的でしょう。
中古戸建て住宅探しからリノベーションまでをまとめて請け負う会社の中には、家族の感性と理想にぴったりするデザイン性と技術を持った会社が必ずあります。
中古戸建て住宅購入とリノベーション計画を、同時に依頼することには2つのメリットがあります。
1) 希望の間取りを伝えた上で中古戸建て住宅を探すので間取り変更の制限が少ない
2) 中古戸建て住宅購入の費用とリノベーションにかける費用をまとめた金額を予算として相談できる。その結果、中古戸建て住宅選びの際に、毎回リノベーションにかかる費用を想定しながら探さなくてもすむ
この2つの点が、中古戸建て住宅探しの負担を軽減します。
条件に適う住宅探しは本当に大変で時間も労力もかかりますよね。
専門家の手を借りて少しでも大変さを少なくすることで、本当に納得した中古戸建て住宅が見つかるまで冷静に物件選びを進められます。
中古住宅・中古マンション探しから理想の住まいの完成までをトータルしてお手伝いします
家族だけで上記の注意ポイントをすべてクリアし、なおかつ良い立地条件にある中古住宅を見つけるのは至難の業です。
ここはクリアしているがここはクリアしていない…、帯に短し襷に長しといった中古住宅ならいくらでもあるのに…など、中古住宅探しに疲れてしまうこともあるでしょう。
「中古住宅をリノベーションして家族の住まいにする」という計画を効率よく進めるためには、物件探しからリノベーションまでを一括して依頼できる会社を探すことが早道です。
専門的な知識がないと判断し難い戸建て住宅の耐震性や、構造部の状態を把握した上で、家族の希望する間取りに変更可能な中古住宅探しが進められます。
その結果、耐震や住宅の劣化状態に不安がなく、なおかつ理想の間取りが実現できる家が見つかり、家族が選んだ中古住宅を理想の家にする為の計画が作られていきます。
この方法であれば、後悔するような中古住宅を購入する心配がない上に、家族の暮らし方や価値観、好みに合った新しい住まいが実現します。
私たちSHUKEN Reは、中古物件探しからリノベーションまで一貫してお役に立ちます。
予算立てやローンの組み方などのご相談もお受けしているので、お気軽にお問い合わせください。
〈関連コラム〉