公開日:2026-02-25
民泊許可に必要な費用の内訳と相場を解説|収益性を高めるためのリノベーション費用も

相続したアパートや空室が増えた一棟マンションなどを、民泊化して収益性を改善したいと考えるオーナーや投資家の方が増えています。
しかし実際に調べ始めると、許可取得に必要な費用と、開業・収益化のためにかかる初期投資が混在し、総額のイメージがつかみにくいのが実情です。
そこでこの記事では、民泊開業の初期費用について、①許可取得に必要な費用(消防・図面・専門家報酬など)、②開業・運営に必要な費用(リノベーション・家具家電・運営設備など)の2つに分けて詳しく解説します。
この記事を読めば、民泊を始めるために「どれくらいの費用が必要なのか」が一度で把握できます。
- ・民泊の許可を受けるために必要な費用の内訳や相場、正確な金額を知るための方法について解説します。
- ・実際に民泊施設を開業・運営するためには、リノベーションや家具・家電の購入などの追加費用もかかります。
- ・住宅宿泊事業法、特区民泊、旅館業法など、民泊許可を受けるために利用する制度によっても費用が変動します。
目次
■民泊を始めるには「許可取得」と「開業準備」の2種類の費用が必要

民泊開業に必要な初期費用は、法令上必須となる「許可取得コスト」と、実際に運営を開始し収益を確保するための「開業準備コスト」の2種類に分かれます。
民泊の事業計画の精度を高めて経営を成功させるためには、それぞれの費用の内訳を把握することが不可欠です。
民泊許可取得に必要な最低限のコスト

民泊を開業・運営するためには、法令に基づく許可・届出が必要となり、申請手続きにかかる最低限のコストがかかります。
- ・申請手数料
- ・行政書士など専門家への報酬
- ・許可基準を満たすための消防設備の追加・内装・設備工事費
- ・許可申請に必要な図面作成費用
どの制度で民泊を開業する場合でも、自治体や保健所など窓口への申請手数料がかかり、申請を行政書士などの専門家へ依頼する場合は報酬も必要です。
また、民泊化する建物を許可基準に適合させるための、最低限の改修費用、申請に必要な図面作成費用もかかります。
これらの民泊許可にかかる最低限のコストは、物件の状態や選ぶ制度(民泊新法/旅館業法)などによって大きく変動するため、後半でも詳しく解説します。
開業・運営に必要な費用

許可を取得すれば法律上は民泊施設を開業できますが、実際にゲストを受け入れ一定の稼働率と収益を確保するためには、初期投資が別途必要になります。
- ・リノベーション・インテリアコーディネート費用
- ・家具・家電・備品の購入
- ・Wi-Fiやスマートロックなどの運営設備の導入
- ・写真撮影や集客運営代行の初期費用
民泊施設として集客をするためには、ユーザーに選ばれる施設をつくるためにリノベーションやインテリアコーディネート、家具・家電・備品などの購入が必要です。
また、民泊施設の運用方法によっては、Wi-Fiやスマートロックなどの設備導入、集客や運営を代行する業者への初期費用がかかるケースもあります。
これらは「許可とは別軸の費用」であり、収益性(単価・稼働率)を左右する重要な投資であり、事業として民泊を成立させるためには不可欠です。
■民泊許可に必要な最低限の費用

ここからは、民泊営業を始めるための届出や許可を得るためにかかる、最低限の費用の内訳と相場をチェックしましょう。
|
費用項目 |
費用相場 |
内容・ポイント |
|
申請手数料 |
数千〜数万円 |
自治体への申請・検査費用。民泊新法は届出のため低額、旅館業は1〜3万円程度で自治体によって変動する。 |
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行政書士・専門家報酬 |
10〜40万円 |
書類作成、事前協議、図面整理、消防との調整など。旅館業は手続きが複雑で高めの傾向がある。 |
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図面・建築関連費用 |
10〜30万円 |
平面図・避難経路図・消防設備図など申請に必須。古い物件は図面起こしが必要。 |
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消防設備工事費 |
10〜300万円以上 |
自火報・誘導灯・非常警報設備など。物件の規模によって差が出る。 |
|
内装・設備工事費 |
30〜2,000万円以上 |
衛生設備、換気、採光、避難経路、用途変更対応など。 |
民泊の営業を始めるためには、上記のようにさまざまな項目の費用がかかります。
自治体や関連窓口への申請手数料は事前に正確な金額を確認できますが、ほかの項目は開業する民泊の規模や依頼先によって費用が変動するのが難しいポイントです。
例えば、自宅や区分マンションの1室での民泊と、アパートやマンション一棟まるごと使った民泊施設では、手続きや図面作成、設備や内装工事の内容と費用が変わります。
一棟民泊では共用部・全戸を含めて避難経路の確保などを含めた大規模な工事が必要になるため、単体物件より費用が大きくなる可能性が高いです。
消防設備工事の費用は物件の規模で大きく変わりますが、一定の要件を満たす小規模な施設であれば、「特定小規模施設用自動火災報知設備」という簡易的な無線設備の設置で認められるケースがあります。
これにより、数百万円かかると言われた工事費が数十万円で済むこともありますので、消防署との事前協議が重要です。
また、民泊や簡易宿所はホテルや旅館より構造や設備などの要件のハードルは低めですが、元々違う用途に使われていた建物で開業する場合は用途変更が必要になり、費用が多めにかかることもあります。
ただし、転用する部分の床面積が200㎡以下であれば、建築確認申請の手続きは不要です。
手続きが不要でも建築基準法への適合は必須であり、違反建築物とならないようプロによるチェックは欠かせません。
民泊開業にまつわる用途変更については、こちらのコラムもごらんください。
〈関連コラム〉
民泊開業で用途変更が必要なケース・不要なケース|建築基準法における手続きも解説
民泊許可に必要な初期費用を把握するためには、まず開業予定の物件が各種法令に適合しているか確認したうえで、図面を作成しさまざまな項目について見積もりを作成しなければなりません。
なるべく早い段階で民泊開業に詳しい専門家に相談するのが成功のポイントです。
SHUKEN Reはこれまで多くの民泊施設づくりを手掛けた実績をもとに、各種手続きを含めた開業計画をトータルサポートいたします。
開業予定物件のチェックや法令基準を満たすための工事プラン作成、見積もりなど、どんなこともお気軽にご相談ください。
■民泊開業・運営のために必要な追加費用

先ほど挙げた最低限の費用にくわえて、実際に民泊施設を開業・運営するための費用も発生します。
実際にゲストを受け入れて収益を上げるためにかかる代表的な費用項目と相場をまとめました。
|
費用項目 |
目安金額 |
内容・ポイント |
|
リノベーション費用 |
300~700万円程度/室 |
ニーズに合わせた間取りやデザインへの変更、水回り設備の入れ替えなど。物件の種類や床面積などで変動する。 |
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家具・インテリア・家電・備品購入費用 |
20〜80万円/室 |
ベッド、家電、寝具、キッチン用品など。 |
|
Wi-Fi・スマートロック等導入費用 |
数万円〜数十万円 |
通信環境、遠隔管理、チェックイン効率化に必須。 |
|
写真撮影 |
5〜30万円 |
プロカメラマンによる撮影。物件の見栄えを左右し単価・稼働率に直結する。 |
|
運営代行の初期費用 |
5〜20万円 |
OTA設定、ハウスルール作成、運営システム構築など。 |
魅力的な民泊施設をつくり収益を上げるためには、上記のようにさまざまな費用がかかります。
特に金額が大きいのはリノベーション費用で、ニーズに合わせた民泊施設をつくり、投資効果を高めるためには欠かせない項目です。
室数が多いアパートやマンションの一棟民泊では、特にリノベーション費用の負担も大きくなるため、初期段階での把握が重要です。
実際の民泊リノベーション費用は、物件の種類や構造、コンセプトなどさまざまな要素で変動するため、こちらのコラムで詳しくチェックしてみてください。
〈関連コラム〉
民泊リノベーションの費用相場&施工事例|物件選びや補助金で費用を抑えるコツも
ここで挙げた費用は、民泊施設の集客力や収益性に直結する重要な項目のため、専門家のサポートを受けながら計画を立てることが重要です。
私たちSHUKEN Reは、民泊施設づくりのプロとして、開業後の収益性まで考えたリノベーションやインテリアコーディネートまでトータルサポートする専門会社です。
ぜひお気軽にご相談ください。
■民泊許可は3種類|選ぶ制度で必要な費用が変わる

民泊を運営するための制度は複数あり、どの制度を選ぶかによって申請や開業にかかる費用が変動します。
- ① 民泊(住宅宿泊事業)
- ② 特区民泊(国家戦略特別区域法)
- ③ 簡易宿所(旅館業法)
制度ごとに求められる設備基準・消防要件・申請手続きが異なるため、初期費用にも差が生まれます。
それぞれの制度の基本的な違いと費用への影響を整理しておきましょう。
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民泊(住宅宿泊事業法) |
特区民泊(国家戦略特別区域法) |
簡易宿所(旅館業法) |
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許認可等 |
届出制 |
認定制 |
許可制 |
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申請手続きの費用 |
0円~ |
2万円~ ※自治体によって異なる |
1万円~ ※自治体によって異なる |
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営業日数 |
年間180日まで |
上限なし ※自治体ごとに最低宿泊日数の規定あり |
上限なし |
|
住居専用地域での営業 |
可能 ※条例により制限されている場合あり |
可能 ※認定を行う自治体ごとに、制限している場合あり |
不可 |
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衛生措置 |
換気、除湿、清潔等の措置、定期的な清掃等 |
換気、採光、照明、防湿、清潔等の措置、使用の開始時に清潔な居室の提供 |
換気、採光、照明、防湿、清潔等の措置 |
|
消防用設備等の設置 |
あり 家主同居で宿泊室の面積が小さい場合は不要 |
あり |
あり |
|
最低床面積 (3.3㎡/人)の確保 |
最低床面積あり (3.3㎡/人) |
原則25㎡以上/室(自治体により緩和あり) |
最低床面積あり (33㎡。ただし、宿泊者数10人未満の場合は、3.3㎡/人) |
3つの制度には上記のようにさまざまな違いがあり、一般的に開業や費用のハードルは民泊<特区民泊<簡易宿所の順に高くなります。
申請手続きの費用はそれほど差がありませんが、設備基準を満たすためのリノベーションや行政書士などへの報酬が変わってきます。
ただし、特区民泊の認定を受けられるのは東京都大田区や大阪府など「国家戦略特別区域」に指定された一部の地域で、一般的には民泊か簡易宿所を比較するケースが多いです。
住宅宿泊事業法における民泊は開業のハードルが低く費用を抑えやすいものの、年間営業日数が180日に制限されるため、得られる収益には上限があります。
民泊として開業するのか、旅館業法の簡易宿所として大きな収益を狙うのかの判断は、それぞれのメリット・デメリットや初期費用の差を踏まえて検討する必要があります。
こちらのコラムで民泊と簡易宿所の基本的な違いについて詳しく解説していますので、あわせてごらんください。
〈関連コラム〉
民泊の始め方を5ステップで分かりやすく解説|民泊経営を成功させるポイントも
■民泊の許可に関するよくある質問

最後に、東京・千葉・神奈川エリアで多くの民泊リフォームを手掛けるSHUKEN Reが、許可申請の際に「よくある疑問」にお答えします。
■まとめ
民泊施設の開業には、許可や届出にかかる最低限の費用、実際にゲストを受け入れて収益を上げるために必要な追加費用がかかります。
今回ご紹介した費用相場はあくまで目安であり、実際は開業予定の物件の種類や規模、コンセプトなどによって変動します。
民泊開業の正確な初期費用を把握し、安定した収益を上げて経営を成功させるためには、計画の初期段階から専門家に相談し、適切なサポートやアドバイスを受けることが大切です。
SHUKEN Reは、東京・千葉・神奈川の首都圏エリアを中心に、これまで多くの民泊施設づくりをサポートした実績がございます。
各法令の基準を満たすだけでなく、開業後の収益性や運営まで見据えたリノベーションプランづくり、資金計画などトータルサポートが可能です。
ぜひお気軽にご相談ください。
Q マンションの1室だけで民泊を始められますか?
法律上は可能ですが管理規約で禁止されていることが多いです
住宅宿泊事業法における民泊では、住居用の分譲マンションでも開業可能ですが、管理規約で禁止されているケースがほとんどです。
仮に禁止されていないケースでも、管理組合や理事会の承認が必要となることが多く、事実上難しいです。
マンションでの民泊開業は、管理規約の課題がなく収益性も高めやすい一棟経営を検討してみましょう。
〈関連コラム〉
Q アパートでも民泊の許可は取れますか?
一棟アパートなら可能なケースが多いです
住宅宿泊事業法の場合は、賃貸アパート一室の転貸でも許可を取得するのは不可能ではありません。
しかし、賃貸アパートはオーナーの許可を得る必要があり、住居用の物件では実質不可能な場合が多いです。
賃貸アパートから民泊への転用を検討する場合は、中古の一棟物件をリノベーションも検討してみましょう。
〈関連コラム〉
Q 民泊許可は自分で申請できますか?
可能ですが、一棟民泊の場合は専門家に依頼するのが一般的です
民泊の届出や許可申請は一般の方でも手続きできますが、実際は専門家に相談し代行してもらうことが多いです。
今回ご紹介したように民泊許可の手続きは複雑で、リノベーション計画や図面作成など複数の工程を同時進行する必要があります。
なるべく民泊施設づくりの実績が豊富な専門家に相談し、申請までトータルサポートを受けるのが成功のポイントです。
Q 自宅の一部を民泊にする場合、費用は安くなりますか?
管理方法によって変動します
大掛かりなリノベが不要なご自宅での民泊なら、消防設備と申請手数料など30〜50万円程度の費用で済む場合もあります。
ただし、家主居住型(ホームステイ型)か家主不在型かによって必要な消防設備が変わり、費用も変動します。
事前に管轄の消防署へ相談しましょう。









