公開日:2020-03-23 更新日:2024-07-04
リノベーションに適した中古物件の探し方
最近はマイホームを手に入れる手段としてリノベーションを選ぶ方が徐々に増え、中古物件探しの需要も高まっているようです。
リノベーションを目的とした物件選びの場合は、普通の中古物件探しとは違うポイントに注意が必要となります。
今回は戸建て・マンションそれぞれのリノベーションに適した中古物件探しを解説します。物件選びによる失敗を防いで、思い通りのリノベーションで理想の住まいを手に入れましょう。
■ リノベーションに適した戸建て物件
まずは戸建てでリノベーションに適した物件の条件をチェックしていきましょう。
・筋交い/通し柱が少ない
戸建て住宅では、間取り変更や窓のサイズ変更などに関わる筋交い・通し柱が少ない物件はリノベーションに有利です。
1階から2階まで一本の柱が通っている通し柱は、家を支える重要な部分のため基本的に移動や撤去はできません。
通し柱が多い家では大開口のLDKを作ろうと思っても、柱が残ってしまうため思い通りのデザインや動線が実現できない可能性が高いです。
筋交いは柱を支える斜めのつっかえ棒のような構造体で、地震などの揺れに耐える役割を持っています。補強することで移動や撤去できる場合もありますが、筋交いが多い場合間取り変更しづらいケースが多いです。
外壁にも設置されていて、窓のサイズ変更や新設に影響する場合もあります。
特に間取りを大きく変更するリノベーションを検討する際は、筋交い通し柱の位置や量について注目してみてください。
・現在の耐震基準を満たしている
リノベーションした住まいはこの先数十年住むことになりますから、現在の耐震基準に対応しているかどうかは重要なポイントです。
築年数が経っている中古物件は、現在の耐震基準を満たしていない場合があり、リノベーションのほかに耐震改修が必要になるケースも。
耐震基準は1981年に大きく内容が改正されているため、特に1981年以前の建物は注意が必要です。昔の耐震基準のままでも違反ではありませんが、大きな地震が来た時に倒壊する可能性が高いためおすすめできません。
現在の耐震基準を満たしていれば余計な費用が掛かりませんので、築年数と一緒に耐震性能もチェックし、新しい基準に対応する物件を選びましょう。
・セットバックの必要がない
中古の戸建て物件探しでは、セットバックの必要有無についても注目してみてください。
セットバックとは、昔の基準でつくられた狭い道路に接する住宅に対して「道路をいずれ広げるので建物の大きさや位置に制限をかける」制度です。
将来的に敷地面積が減ってしまう可能性があり、増改築を含めたリノベーションプランの選択肢が狭まるケースも。昔つくられた住宅街などで該当する場合が多いので、検討する際はよく確認してなるべくセットバックの必要がない物件を選びましょう。
■ リノベーションに適したマンション物件
続いて、リノベーション工事をしやすいマンション物件の条件や注意点をご紹介します。
マンションはリノベーションに関する制限が多く、配管や配線などの物理的な面と管理規定などの制限の面に注意が必要です。
・建材の規定が少ない
上下左右の家と隣接するマンションでは、防音や防災に関する規定で使用する建材に制限されている場合があります。
使いたい建材が規定を満たしていないと選べない場合があるため、なるべく規定が少ないマンションがリノベーションに適しているといえるでしょう。
例えばマンションは足音などが階下に伝わらないよう、フローリング材に防音規定を設けていることが一般的ですが、求められる防音性能が高いと選べる柄や材質が狭まる可能性があります。
また、消防法で規定されているマンションの場合、窓ガラスが防火の網入りタイプになっていて景観を損ねるケースも。網なしの防火ガラスもありますが、価格が高くなり設置階によっては風圧制限などで選択できない可能性もあります。
建材の規定によって好みのデザインや間取りが実現できないケースは多いため、購入前にチェックして規定の少ないマンションを探してみましょう。
・壁や柱の移動ができる
壁紙などで仕上げてあると違いが分かりづらいですが、マンションの室内壁や柱は移動できるものとできないものがあります。
構造的に移動不可の壁ばかりだと、間取り変更に対応できないケースもあるため注意が必要です。
基本的にマンションの構造は鉄筋コンクリート(RC)造となっていますが、室内の壁で建物を支えている場合は移動が不可能です。壁がコンクリート造かどうかは見た目だけで判断できないこともあるため、必ず図面で壁や柱が移動できるかチェックしましょう。
・水回りの移動ができる
リノベーションでは水回りの位置を変更することも少なくありませんので、できればキッチン・ユニットバス・トイレ・洗面などが移動できるマンションがおすすめです。
水回りの位置が生活動線に与える影響は大きく、ライフスタイルに合わせると移動したくなるケースは多いかと思います。
特にキッチンは対面やアイランド型など使いやすさにこだわると移動する場合が多いため、よくチェックしておきましょう。
水回りが移動できるかどうかは、給排水などの配管スペースや天井高といった物理的な面と、マンション規定の面が関係してきます。マンションで水回り移動事例があるかどうかといった確認や、管理組合への問い合わせなどをしながら確認しましょう。
・工事しやすい体制が整っている
特にマンションリノベーションではスペースや搬出入経路に制限がある場合が多く、工事しやすい体制かどうかも要チェックポイントです。
フルリノベーションは基本的に空き家状態で行うため関係ないと感じる方も多いですが、工事のしやすさは全体の工期や費用にも関わってきます。
例えばマンションに工事車両を停めるスペースがなく、遠くから行き来しなければならないとそれだけロスが増え工期も伸びてしまいます。
エレベーターが1基しかないマンションでは搬入出に使用できないケースもあり、荷上げに人を配置すれば費用に影響が出るでしょう。
工事中はどうしても音や振動が出ますから、長く続けば近隣の方の心象が悪くなる可能性もあります。マンションでは過去にリノベーションが行われているかどうか、といった点もチェックしながら工事のしやすい物件を探しましょう。
■ 失敗しない物件探しの取り組み方
前述したように物件探しはリノベーションの成功に大きく関わります。ここからは物件選びで失敗しないための取り組み方をご紹介します。
・ある程度イメージを固める
前述したようにリノベーションに適した条件はさまざまですが、すべてを満たした物件はなかなかありません。必要な条件と不要な条件をはっきりさせるために、完成後のイメージをある程度固める必要があります。
どんな住まいを作りたいかはっきりしていないと、チェックすべきポイントも定まりません。物件探しと並行してご相談いただき、大まかなイメージを固めていきましょう。
SHUKEN REはイメージに合わせた物件探しにも対応しておりますので、リノベーションする住まいがまだない方もどんどんご相談ください。
・リフォーム前の物件を探す
リノベーションが前提の中古物件探しでは、リフォーム前の物件を探すようにしましょう。
マンション・戸建に限らず、買い手が付きやすいように前の持ち主や不動産会社がリフォームしてから販売しているケースがあります。ユニットバスやキッチンなどせっかく新しい設備がついていても、リノベーションで移動することになったらもったいないです。
リフォーム費用は当然販売価格に含まれていますから、余計なリフォーム費用を負担していることになってしまいます。
よほど条件が良く気に入った物件についてはその限りではありませんが、リノベーションではなるべくリフォームされていない物件がおすすめと言えます。
・建築図面を用意してもらう
物件の壁や柱が移動できるかどうかは目視だけで判断するのが難しいため、内見の前後で必ず建築図面を用意してもらいチェックしましょう。
コピーを用意して、内見時に気になったポイントなどを書きこめば複数の物件を比較するのにも役立ちます。見逃しや質問忘れなども防げますので、必ず図面を用意してもらい管理してみてください。
・時間に余裕を持つ
リノベーションに適した物件を選ぶには様々なチェックポイントがあるため、理想の物件に巡り合うのは簡単ではありません。
焦って妥協して後悔しないためにも、時間に余裕を持って物件探しの段階からこだわりましょう。
とはいえ、リノベーション全体でかかる時間の目安がわからないと、余裕を持った計画は難しいかと思います。
リノベーションの範囲や方法によっても変わってきますので、物件探しと並行してご相談いただくと計画を立てやすいです。物件が決まる前のご相談も受け付けておりますので、お気軽にご相談下さい。
■ まとめ:リノベーション物件はプロと一緒に探しましょう
事例を見る:Case64「「ホテルライクな新築風」をあえて、リノベで叶える贅沢」
マンション・戸建てに関わらず、物件選びは重要なチェックポイントがたくさん。お客様だけではすべてを漏れなくチェックするのは難しいため、物件探しの段階からリノベーションのプロにご相談いただくのがおすすめです。
SHUKEN REは豊富な施工実績をもとに、リノベーションのプランニングと物件探しをトータルサポート。何から取り掛かってよいかわからない、といった段階の方もお気軽にご相談くださいませ。