公開日:2022-05-08 更新日:2024-07-04
物が少ない&生活感のない家を実現できるミニマルな暮らし|メリットやデザインのポイントから施工事例まで詳しく解説
最近メディアを賑わしているのが「ミニマリスト」や「ミニマル」な暮らし方。
色々な場所で耳にすることも多いでしょう。
実は、住まい作りのシーンでもこれらのキーワードが注目されています。
では、具体的にどのような間取りやインテリアのことを指すのでしょうか?
そこで今回は、ミニマルな暮らしを実現する間取りのポイントについて、詳しく解説します。
ご自宅のリノベーションを検討している方や、部屋をすっきりさせたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
■ “ミニマル”の概念とは?ミニマムとはどう違う?
ミニマル(英:minimal )とは、直訳すると「できる限りわずかな」「可能な限り少ない」という意味です。
数量を表すというよりも、その様子や状態を表現する時に使われます。
よく混同されがちなのが、ミニマム(英:minimum)ですが、こちらは「最小量」「最小単位」など物理的な量を表すため、英語圏の人はそれぞれをはっきりと使い分けます。
つまり、ミニマルは相対的な量ではなく“状態”が最小限である様子を指し、インテリアにおいては「無駄のないシンプルで機能的な空間」を意味するのです。
■ 若者だけではなく団塊の世代からも注目されている“ミニマルライフ”|そのメリットは?
“ミニマリスト”と聞くと、若い世代の人を想像するかもしれませんが、実は団塊の世代の方を含めた高齢な方からも高い注目を受けています。
では、なぜここまで幅広い世代の方から人気が高いのでしょうか。
主なメリットは下の4つです。
- ●物や空間の“無駄”をそぎ落とすことで、本当に大切な物を把握できる。
- ●生活感のないシンプルでスタイリッシュな暮らしができる。
- ●狭い部屋でも生活が成り立つため、住宅コストの高い都心での暮らしが実現しやすい。
- ●終活に向けて断捨離できる。
まず、ミニマルな状態を作るために、いらない・あまり使わない物を処分していくと、本当に大切な物だけに囲まれた生活を送ることができます。
つまり、部屋が雑然としにくく、まるでインテリア雑誌に載っているような生活感のないすっきりとした空間が出来上がるのです。
また、無駄な収納スペースなどがいらなくなり、物理的な生活スペースを狭くできるため、家賃や住宅価格が高い都心部や駅近などの好条件な場所での生活が実現しやすい点も大きなメリットと言えるでしょう。
特に高齢の方にとっては、終活(人生の終わりのための活動)の一環として、ミニマルな生活に切り替える方も少なくありません。
ご自身に万が一のことがあった際に、残されたご家族に「荷物の片付けの負担をかけたくない」という思いから、早めに大規模な断捨離をすることもおすすめです。
ミニマルな暮らし方は、一見“質素”と思われがちですが、最小限の物や空間で過ごす生活は、老若男女の人の心を豊かにします。
■ ミニマルライフにぴったりのインテリアや間取りは?5つのポイントを紹介
では、ミニマルライフを送るためには、どのような間取りやインテリアの住まいが適しているのでしょうか?
ここでは、主なポイントを5つ紹介します。
その① 収納スペースはまとめる
ミニマルライフを実現する上で最も大きなポイントが、収納計画です。
細々とした収納ラックや家具などは置かずに、様々な目的の収納スペースを一箇所にまとめてみましょう。
そうすることで、「今、自分がどれだけの物を持っているか」を把握しやすく、無駄な買い物を防げます。
最近一般的になりつつある、ファミリークローゼットやパントリー、シューズインクローゼットなどもその一種です。
洋服や日用品、ストック品を一箇所にまとめることで、生活スペースに物が溢れてこず、シンプルで洗練されたインテリア空間に仕上がります。
その② 余白のあるインテリアデザインや家具の配置
ミニマルな印象を醸し出すためには、“空間の余白”は欠かせません。
家具や装飾のない場所を設けることで、部屋が広く見えるだけではなく、空間の順応性や柔軟性が上がります。
また、整頓されていないと目立ってしまうため、ミニマルライフを意識的に維持できます。
その③ インテリアの質にはとことんこだわる
ミニマリストの根本は、「上質な最小限のものを長く使う」点にあります。
近年、見た目がおしゃれなファストインテリアが数多く販売されていますが、ミニマルライフの場合はそれらを多用すると、どうしても安っぽい印象になりがちです。
ですから、できるだけ厳選した高品質のものを揃え、長く使い続けられるものでまとめましょう。
すると、少ないものだけでも高級感が演出でき、「“敢えて”シンプルにしている」ことを強調できます。
その④ 採光は十分に
物が少ない上に暗い部屋だと、どうしても殺風景で陰気な印象になってしまいます。
ですから、できるだけ窓などの開口をフル活用し、陽の光を十分に取り入れましょう。
どうしても採光が確保できない場合は、照度の高い照明器具を取り付けるか、壁や床の色を光の反射率が高い明るいトーンでまとめてください。
そうすることで、爽やかな印象や整頓されている印象が際立ち、よりスタイリッシュな部屋になります。
その⑤ 「住まいの長寿命化」を意識して
SDGsや環境保全の観点から、「家の長寿命化」が取り糺されていますが、ミニマルライフにおいても、大切なポイントです。
間仕切り壁を極力少なくし、家具やパーテーションなど可動式の物でゾーニングすることにより、ライフスタイルの変化に対応でき長く住み続けられます。
現に、国で推し進めている「長期優良化住宅」の取り組みにおいても、認定条件に「可変性」を明記しているほどです。
引用元:国土交通省|「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」の長期優良住宅認定制度の概要について
■ 施工事例|おしゃれなミニマルスタイルの間取り
私たちSHUKEN Reでは、ミニマルライフを実現できるのお部屋を数多く手がけてきました。
そこで、ここでは特に特徴的な事例を3つ紹介します。
CASE① 間取りを“ひと”でなく“目的”で分ける
物やスペースの無駄を極力減らすために有効なのが、空間を“人単位”ではなく“目的単位”で分けることです。
こちらの事例では、親のワークスペースと子供の勉強スペースをまとめ、各個室は寝るためだけの最低限の広さだけにしています。
また、玄関脇のシューズインクローゼットには、靴だけではなくアウトドア用品や自転車など、様々なものをまとめて収納することで、持ち物のボリュームを把握でき、「ここに収まるだけのものを買う」という認識が高まります。
このように、限られたスペースでも家族の動作目的や収納スペースをまとめることで、細々としたデッドスペースがなくなり、空間をフル活用できます。
CASE② 無駄を削ぎ落とした洗練したデザイン
こちらは、キッチン・ダイニング・リビングを一つの大空間にまとめた事例です。
極力家具は置かずに、ソファーやカウチなどは上質の名作家具を置く徹底ぶり。
お気に入りの家具がまるで美術館に展示されているかのような印象を受けます。
また、床は天然木フローリング、キッチンは厨房を彷彿させるモルタル調フロアタイルとステンレスキッチンをセレクトし、とことん素材やテクスチャーにこだわりました。
このように、間仕切り壁や造作家具などを作らず、緩やかにゾーニングしお気に入りのものを置くことで、殺風景ではなくハイセンスな空間が仕上がります。
CASE③ 間仕切り壁は最小限に
こちらは、築40年ほどのマンションをリノベーションした事例で、元々はリビングに和室が二間隣接する“昔ながら”の間取りでした。
しかし、そのままではLDKがどうしても手狭に…。
そこで、間仕切り壁を大胆に撤去して最低限分けたい部分だけを個室にし、陽の光がふんだんに降り注ぐ明るくて居心地のいいリビングに仕上げました。
将来お子さんが独立した後には、子供部屋の間仕切りを撤去することでさらにリビングを拡張しやすく、可変性のある住まいになります。
■ まとめ:ミニマルな住まいは老若男女の方から人気
ミニマルライフは、若い人から高齢の人まで、とても魅力的でメリットの多い暮らし方です。
「無駄をなくす」というと、ギスギスし我慢だらけの生活を想像する人もいるかもしれません。
しかし、余った空間は生活を豊かにし、片付けに費やしていた時間を趣味などに活用できるようにもなります。
「物が多くてうまく片付けられない」「部屋が狭くてリラックスできない」そんなお悩みを抱えている方は、ぜひミニマルライフに切り替えてみてください。
千葉県浦安の本店と東京世田谷のリノベショップのほか、オンラインでも相談を受け付けています。
お家づくりが大好きなスタッフがお話を伺いますので、どんな疑問やご要望もお気軽にご相談ください。お待ちしております♪