公開日:2020-05-17 更新日:2024-07-04
中古戸建て物件選びの注意点やメリット・デメリット
一昔前はマイホームといえば新築が当たりまえでしたが、最近は中古戸建て+リノベーションを選ぶ方も増えています。
地球規模の気候変動やサステナブル社会の実現に向けて、国土交通省も既存住宅のリフォーム・リノベーションを推進していて、補助金を含めた推進事業なども発表されています。
そこで今回は、中古戸建てを購入してリノベーションする際の物件選びやメリット・デメリットについて解説します。これから住まい探しに取り組む方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
■ 中古戸建て+リノベのメリット・デメリット
まずは中古戸建の購入とリノベーションを、新築購入と比較した場合のメリットやデメリットを見ていきましょう。
・新築と比較したメリット
新築を購入する際は「建物価格+土地価格」が総額費用となり、ある程度の幅はあるものの一般的な相場は決まってきます。
対して中古戸建ては築年数に比例して建物価格が減っていくため、ほとんど土地価格のみで購入できるケースも。
物件購入費用の上下幅が大きく、リノベーションの範囲や仕様も自由に変えられるため予算に合わせて選びやすい点は大きなメリットです。
また、新築と比べて細かいプランニングができるため、オーダーメイドで要望に合わせた家を作りやすい点も魅力です。
新築はコスト削減のため選べる材料が決まっているケースもありますが、リノベーションは自由に選べます。
メリットまとめ
- 〇予算に合わせて調整しやすい
- 〇オーダーメイドのプラン作りができる
・新築と比較したデメリット
建物全体を作り変えるフルリノベーションの場合、一般的に3~4か月程度の工事期間がかかります。
1年前後かかる注文住宅と比べると短いですが、完成物件を購入する建売住宅と比べると入居までの時間がかかります。
転勤やお子さんの学校のタイミングなど、引っ越ししたい時期が決まっている場合は仮住まいなども検討する必要があると知っておきましょう。
また、建物のメンテナンス状況によっては劣化が進んでいる可能性もあり、リノベーション以外の費用がかかることも考えられます。
柱の腐食や耐震性能の不足など、補修や補強が必要な中古物件も市場に出回っている可能性はゼロではありません。
こちらについては、物件購入の前に私たちプロにご相談いただき、しっかりと建物を診断することで防ぐことができます。
物件探しから住まいづくりのプロと取り組む「ワンストップリノベ」については記事の後半でも詳しく解説しますので、ぜひチェックしてください。
デメリットまとめ
- △住み始めるまでに時間がかかる
- △耐震補強や腐食の補修などメンテナンス費用がかかる場合がある
■ おしゃれな中古戸建てリノベーション事例
リノベーションで実際にどんな家が作れるのかは、実例を見てみるのが一番!中古戸建てのリノベーション実例をいくつかご紹介します。
ここに掲載できないほかの写真や物件の詳細も各ページにたくさんありますので、気になったらそちらもどうぞ♪
・レトロ感のある現代スペックの家
▽間取りイメージ
キッチンの位置やお部屋の間取りは大きく変えず、細かい工夫で現代的な暮らしに合わせてバージョンアップ。
勝手口を無くし冷蔵庫置き場にしたり、廊下側に開くドアをLDK側にしたりとお施主様に合わせてカスタマイズしています。
おしゃれで収納力もあるオープン収納の玄関は、土間を拡張して自転車なども収納可能。部活やおしゃれなどでお子さんの靴が増えてもすっきり収納できます。
押し入れをロフト風の遊び場にするなど、既存の構造を活かしつつおしゃれに仕上げているのもデザインのポイント。使えるものは活かし、懐かしさを残しつつ現代スペックに仕上げられるのもリノベーションの魅力です。
・フルリノベーションで安心・快適な住み心地
▽間取りイメージ
築42年の中古物件を、フルリノベーションで新しく作り変えた事例です。
水回り全体を移動して、独立タイプのキッチンを対面式のオープンキッチンに。
和室をつなげた広いLDKでくつろぐ家族と、コミュニケーションを取りながらお料理を楽しめるようになりました。
こちらの物件は築年数が経っていますが、耐震補強を実施することで見た目だけでなく性能も現代スペックに。
費用は掛かりますが、中古戸建ての価格など条件によっては新築より価格を抑えて最新性能の住まいが手に入ります。
断熱性や耐震性能など、建物の性能が心配な方も安心してご相談ください。
■ 中古戸建て購入時の注意点
リノベーションを前提とした中古戸建て選びで注意すべき点をご紹介します。物件探しでは注意すべきポイントがたくさんあるため大変ですが、事前に知っておけば効率よく取り組めますよ。
・建築制限にかかっていないか
すべての土地には建築基準法や条例などで、どのような建物が作れるかという基準が定められています。特殊な建築制限がかかった土地の中古物件は、リノベーション時の選択肢が少なくなってしまう事もあります。
例えば火災の延焼を防ぐための防火地域・準防火地域に指定されていると外壁・屋根・玄関ドア・サッシなどの建材が制限されます。好みのデザインが制限されてしまう事も少なくありません。
また、建物の建坪と床面積の上限を決める建ぺい率・容積率ギリギリに建てられた物件は、増築ができません。部屋数が足りず増やしたいときなどは、建ぺい率と容積率に余裕があるかどうかもチェックしましょう。
・住宅ローンが組めるか
費用を抑えやすい中古戸建てのリノベーションですが、ある程度まとまった金額になるため住宅ローンを使う方も多いです。中古戸建ての中には住宅ローンが組めない物件もあるため注意しましょう。
稀ではありますが、中古市場には建築制限を無視した違法物件の物件も出回っています。こうした違法建築物件は住宅ローンの審査が通りません。
また、築年数が古すぎる物件もローン申請を通らないケースがあります。仮にローンが使えたとしても、金融機関やローン種類の選択肢が少なくなるため注意しましょう。
・間取り変更に対応できるか
リノベーションを前提に中古戸建てを選ぶ際は、まず間取り変更に対応できない構造でないかという点に注意してください。
一般的な戸建て住宅は木造のケースがほとんどですが、輸入住宅などに代表される2×4(ツーバイフォー)工法は間取り変更が難しいケースも。天井・壁・床全体で建物を支えるため、壁の撤去や移動が難しいためです。
骨組みに鉄骨を使用する軽量鉄骨・重量鉄骨などの工法も間取り変更が難しいケースが多く見られます。
大手ハウスメーカーの物件でよく見られ、木造と比べて耐久性が高いメリットはありますが、リノベーションで間取り変更をしたい場合は注意しましょう。
・リフォーム費用が掛かっていないか
売主や不動産会社によっては、売り手が付きやすいようにリフォームをしてから物件を売りに出す場合があります。
リフォーム費用は当然売却価格に反映しますから、解体する可能性が高いリノベーション物件の場合無駄な費用になってしまいます。
内装やキッチン・ユニットバスなどの水回りを一式交換すると、リフォーム費用は数百万円になることも。そのまま使える設備もあるかもしれませんが、自由なプラン作りが魅力のリノベーションをするなら好きな物を選びたいですよね。
リノベーション用の戸建て物件を探すなら現状は気にせず、リフォーム費用が掛かっていないことを確認しましょう。
・どの耐震基準で建てられているか
地震の多い日本では、住まいの耐震性能も要チェックポイント。耐震性能を目で見て判断するのは難しいですが、築年数が判断の目安となります。
建物の耐震性能を決める建築基準法は1981年と2000年に変更があったため、それ以前の物件は現在の耐震基準を満たしていない可能性があります。
≪2000年以降の物件≫
地盤調査が義務化され、筋交いなどの耐力壁のバランスなども指定されました。耐震性能については大きな心配は必要ないでしょう。
≪1981年以降の物件≫
震度6強~7程度の大規模地震で倒壊しない現在の基準となっていて、大きな耐震補強は必要ない可能性が高いです。
≪1981年以前の物件≫
震度5程度の中規模地震で倒壊しない旧基準のため、購入にあたっては耐震診断をするのが望ましいです。
物件を検討する際の指針として、築年数が経っている場合は耐震補強の費用などが掛かることを頭に入れておきましょう。
・基礎や柱などの構造体が劣化していないか
中古物件選びでは、壁・床・水回りなど目に見える部分に注意が行きがちですが、解体してつくりかえるリノベーションではあまり重要ではありません。
優先してチェックすべき点は、建物を支える基礎・土台・柱・梁などの構造体です。
仮に最新の耐震基準で建てられている物件も、柱や土台が腐っていたら本来の耐震性能を発揮できません。壁や床を解体して構造体に不具合が発見されると、リノベーション以外の補修費用が追加で掛かってしまいます。
柱や梁などの構造体は壁や天井で隠れているため、目視ですべてチェックするのは難しいです。大掛かりな建物診断をする前の簡易チェックとしては、物件のメンテナンス履歴が参考になります。
外壁や屋根塗装など、定期的なメンテナンスを実施している物件は構造体が劣化している危険が少ないです。
下記のようなメンテナンスサイクルの目安を築年数と照らし合わせて、まめにお手入れされている物件がおすすめの物件です。
・外壁・屋根塗装 | 10年~15年 |
・雨どい交換 | 15~20年 |
・給湯器交換 | 10年前後 |
・給水管交換 | 30年前後 |
■ 補助金を活用してリノベーション費用を抑える
最近はリノベーションやリフォームの需要の高まりに合わせ、国や自治体による補助金が用意されています。
断熱性を高める省エネ工事や段差をなくすバリアフリー工事など、リノベーションで活用できるものも少なくありません。
上手に活用すれば費用を抑えられ、ほかの設備や間取り変更に予算をかけることができます。補助金が使える工事や手続きのお手伝いもお任せください。
≪リノベーションで補助金が活用できる主な工事≫
- 手すりの設置
- 段差解消や引き戸の採用などバリアフリー化
- ペアガラスや断熱改修など断熱性能アップ
- 節水トイレやエコキュート設置などの省エネ化
- 耐震改修や補強工事
■ まとめ:中古戸建てはワンストップリノベがおすすめ
今回は中古戸建てを購入してリノベーションする際のメリットや注意点をご紹介してきました。こうしたポイントをお施主様ご自身が知っておくことは大切ですが、私たち施工店のサポートも大切です。
そこでおすすめなのは、物件探しや資金計画なども施工店と一緒に取り組む「ワンストップリノベ」。最初の段階からご相談いただき、適切なサポートをすることでリノベーションの失敗や後悔を防ぎます。
SHUKEN Reはプラン作りから施工まで一貫した体制で理想の住まいづくりをサポートいたします。もちろんご自宅のリノベーションや、すでに物件を購入した方のリノベーションご相談も大歓迎です。
お仕事や家事・育児などでなかなかお時間が取れない方のために、オンライン相談会もご利用ください。ご自宅からお気軽に住まいの悩みや要望をご相談いただけますので、ぜひご活用ください。