“照明計画”でインテリアや居心地が変わる。 照明器具の種類や選び方を紹介
皆さんはインテリアデザインと聞くと、壁・床の素材や家具をイメージする方が多いでしょう。しかし、おしゃれな部屋作りのポイントはそれだけではありません。実は同じくらい重要なのが「照明計画」です。部屋のイメージに合った光の色や明るさにするだけで、お部屋がぐんと素敵になります。
そこで、今回は照明計画の重要性や、照明器具選びのポイント・種類について解説します。ほんの少し照明を工夫するだけで、お部屋の居心地を左右します。インテリアデザインにこだわりたい方や、今のお部屋をよりよくしたい方は、ぜひ参考にしてください。
〈コラムのポイント〉
- ・照明計画の良し悪しで、インテリアデザインにも大きく影響を与える。
- ・空間の用途によって、明るさ・光の色・器具のデザインなどを選ばなくてはいけない。
- ・フレキシブルに活用できる、ライティングレール(ダクトレール)もおすすめ。
Contents
照明計画がどうして重要?その理由は?
照明計画はインテリアのカラーコーディネートなどと同じくらい重要とされています。その理由は、光の性質によって雰囲気がガラリと変わってしまうからです。ムーディーな雰囲気にしたい場合は照度を落として落ち着いた雰囲気に、逆に勉強や仕事をする部屋は目が疲れにくいように十分な明るさを確保するなど、部屋の用途や演出したい印象によって、適した明るさや光の色は異なります。
また、おしゃれな照明器具はインテリアアイテムの一つとなるため、デザインを検討する際は、お気に入りの器具選びも大切です。
照明器具選び4つのポイント
では、お部屋に合った照明器具を選ぶ際には、どのような点に気を付ければよいでしょうか?ここでは、照明器具選びのポイントを4つ紹介します。
ポイント① 明るさ(lmルーメン)
まず最初に確認すべきなのが、ランプの明るさです。明るさを表す「光束」は、一般的にルーメン(lm)という単位で表記され、部屋の広さに対して必要な光量は決まっています。
最近はLEDランプが普及し、器具やランプを選ぶ際の単位はlm(ルーメン)になりましたが、白熱電球や蛍光灯はW(ワット)表示となっています。ルーメンをワットに変換すると下の表のようになります。
W (ワット) |
20W | 30W | 40W | 50W | 60W | 80W | 100W |
lm (ルーメン) |
170 lm 程度 |
325 lm 程度 |
485 lm 程度 |
640 lm 程度 |
810 lm 程度 |
1160 lm 程度 |
1520 lm 程度 |
ただし、あくまで部屋の広さに対して必要な光束は平均的な数字なので、空間によっては暗めの方が落ち着く場合もあります。部屋の用途に合った明るさにしましょう。
光色・色温度(K)
照明器具の光には、青白い色味のものからオレンジ色のものまで、いくつかの種類があります。これを「光色」や「色温度」と言い、青白い光ほど色温度(K)の数値が高く、温かみのある落ち着いた色の光ほど色温度(K)の数値が低く表示されます。
ポイントは、同じlm・W数のランプを選んでも、光色によって実際に感じる明るさは異なるという点です。煌々と明るく部屋にしたい場合には色温度が高いものを、寝室など落ち着いた明るさにしたい場合は、色温度が低いものを選びましょう。主なランプの種類は下の通りです。
ランプ種類 | 電球色 | 温白色 | 白色 | 昼白色 | 昼光色 |
色温度(K) | 3000K 程度 |
3500K 程度 |
4200K 程度 |
5000K 程度 |
6500K 程度 |
光の色 | オレンジや黄色がかった光 | オフホワイトのような光 | 青白い光 |
眩しさ・広がり方
眩しさは居心地に大きく影響するため、器具を選ぶ際には必ずチェックしなくてはいけません。ランプが直接視界に入る形状の場合は、光が直接見えないような位置に設置しましょう。どうしても設置場所が限定されてしまう場合には、ランプがシェードで覆われているタイプを選んだり、間接照明など柔らかい光を放つタイプがおすすめです。
また、光の広がり方もランプの種類や器具の形状によって異なるため、出来るだけ器具選びの際にはショールームで実物を確認するようにしましょう。
器具のデザイン
光の性質や強さと同じくらい大切なポイントとなるのが、器具のデザインです。インテリアデザインのテイストに合わせたものを選びましょう。また、シャンデリアやスタンドライトのように、照明器具そのものがデザインのアクセントになる場合もあります。
照明器具の種類とその特徴は?それぞれの適した場所は?
照明器具と言っても、その形状は色々あります。そこで、ここではどの器具がどのようなシーンに適しているかについて解説します。
シーリングライト
シーリングライトとは、その名の通り天井(シーリング)に取り付ける照明器具で、メイン照明として用いられることが多いです。上から広い範囲を照らしたい場合に適していますが、明るさが単調になりがちで、部屋の中で明暗をつけて雰囲気を出したい場合にはおすすめできません。
スポットライト
強調したい場所をスポットで照らす照明器具で、キッチンなどの手元灯として設置することもあります。また、壁に向けて設置すれば壁に反射した柔らかい光で部屋を明るくすることもできます。光が広がるタイプの器具は、複数台設置することで、メイン照明としても使えます。
ペンダントライト
天井からワイヤーなどで吊るすタイプの照明器具で、シャンデリアもペンダントライトの一種と言えます。ダイニングなどで落ち着いた光を落としたい場合や、照明器具自体をインテリアアイテムとして見せたい場合におすすめです。ただし、天井高が十分でない場合に設置すると、圧迫感が際立ってしまうため注意してください。
ダウンライト
ダウンライトとは器具本体を天井に埋め込むタイプで、照明器具の存在感をなくしたい場合や、天井高が低い場合に適しています。ただし、構造躯体(コンクリート)を露出させる天井の場合には、器具が埋め込めないため設置できません。
ブラケットライト
ブラケットライトとは壁付けの照明器具のことで、メイン照明というよりも廊下や玄関などをほのかに明るくするサブ照明として用いられます。形状やデザインも豊富で、光の放ち方も様々なので、個性的なインテリアにしたい場合におすすめです。
スタンドライト
スタンドライトは置き型照明のことで、床に置く背の高いタイプから、テーブルなどの上に置く背の低いタイプまで、様々なデザインのものがあります。他の照明器具とは違い設置に工事が必要なく、インテリアショップなどでも購入できます。部屋の一部や手元などを優しく照らしたい場合におすすめです。
間接照明
最近トレンドなのが、間接照明です。照明器具から直接放たれる光とは違い、天井や壁などに反射した光を利用するため、落ち着いた印象になります。また、器具本体を隠すため、シンプルでシックなインテリアデザインにぴったりです。間接照明と聞くと「薄暗くなる」と思う方も多いですが、器具の形状や量によっては、メイン照明として部屋を十分に照らすこともできます。
スタイリッシュな部屋にはライティングレールがおすすめ
ここまで照明器具の種類について詳しくお話ししてきましたが、最近特におすすめなのがライティングレールです。ダクトレールとも呼ばれ、レール内であればどこにでもワンタッチで専用の照明器具を設置することができ、移動も簡単です。ですから、部屋の模様替えをして家具の位置が変わった場合でも対応できますし、工事無しで器具を追加したり減らしたりもできます。
また、ペンダントライトとスポットライトなど様々なデザインの照明器具を組み合わせてオリジナルのコーディネートを楽しめるのも魅力です。ぜひ、照明計画を検討する際にはライティングレールを取り入れてみましょう。
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照明計画は、お部屋のデザインを決めるだけではなく、居心地さえも左右してしまいます。いくら素敵なデザインのお部屋でも、その空間に合った明るさや光の色でなければ違和感を感じてしまうでしょう。ですから、平面のプランニングや内装デザインと合わせて、照明計画についても是非じっくり検討してみてください。
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