中古マンションの“値下げ交渉”15のポイント|相場・タイミング・注意点を解説
「中古マンションを買う時に値引き交渉できるのか知りたい」「せっかく買うならお得に買いたい」という方も多いでしょう。
ところが、中古マンションの値引きはそう簡単ではありません。
そこで、今回は「中古マンションの値引き交渉」について、相場やタイミング、ポイント・注意点を紹介します。
中古マンション購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
・中古マンションを購入する際、値引き交渉は珍しいケースではありません。
・値引き交渉する際は、ポイントや注意点を押さえて、売主と買主双方が気持ちよく取引できるように心がけましょう。
・リノベーション前提で中古マンションを購入する方には、物件探しから住宅ローンなどの資金計画、設計施工まで、総合的に相談できるワンストップリノベーションがおすすめです。
Contents
中古マンションの“値下げ交渉”はどのくらいできる?新規登録時・成約時の価格差と値引率
リフォーム・リノベーション事例を見る:Case167「Quality of Life」
中古マンションには、新築マンションのような“定価”はありません。
同じマンション、同じ条件でも買主の都合や売出時期によって価格が変わります。
つまり、物件を買う前に売主へ値引き交渉する余地はあるということです。
実際、中古マンションが売り出されて新規登録された時点での価格と、売買取引が成約した時点での価格には差があります。
公益財団法人 東日本不動産流通機構の調べによると、2022年に首都圏で新規登録された中古マンションの平均物件価格が「4,276万円」なのに対して、実際に成約した平均物件価格は「3,573万円」でした。(参考:公益財団法人 東日本不動産流通機構|首都圏不動産流通市場の動向(2022年))
この価格差は売れ残りによる値引きも含まれるため、全てが交渉によるものとは言い切れませんが、売り出し時と契約成立時で価格が変わっている点は事実です。
買主からの価格交渉による値引きは、物件価格の「3〜10%」が相場です。
それ以上の値引きは、売主の都合によって自ら価格を下げたケースも考えられ、値引き交渉によるものではありません。
買主から10%を超える大幅な値引きを申し出ると、取引を断られる可能性があります。
中古マンションを買う際の値引き交渉はできますが、売主・買主双方が気持ちよく商談を進めるためには、いくつものポイントを押さえなくてはいけません。
「値引き交渉は住宅ローン事前審査に通ってから」
中古マンションの購入は、基本的に売主へ購入申込書(買付証明書)を提出してから進みます。
購入申込書とは、売主に対して買主が購入する意思や売買の希望条件を伝えるための書類です。
書類には、売買希望価格や希望引き渡し時期のほかに、住宅ローンの有無や、借入可能額を記載しなくてはいけないため、事前審査を通過していることが提出の条件となります。
そのため、値引き交渉するためには、ローンの事前審査を済ませておかなくてはいけません。
購入申込書に法的拘束力はなく、手付解除期日以前でしたら内容の変更やキャンセルが可能です。
ただし、安易に内容を変更したり取り下げたりすると、売主や不動産会社からの信頼を損ねてしまうので、提出する際は内容を慎重に検討しましょう。
「まずは“端数切り捨て”から」
不動産情報を見ると、2,980万円や、4,850万円などの中途半端な価格をよく見かけるはずです。
これは、売主が買主から端数の値引き交渉があることを前提としている可能性が考えられます。
そのため、値引き交渉を始める際は、まず“端数切り捨て”から始めてみましょう。
(物件価格) | (値引き額) | (値引率) |
2,980万円 | 80万円 | 2.6% |
3,980万円 | 80万円 | 2% |
4,980万円 | 80万円 | 1.6% |
このように、10万円単位の端数切り捨てでしたら、値引き率の相場に収まるため、売主からすぐに承諾をもらえるかもしれません。
「売り出されてからどのくらい経っているかチェック」
一般的に、中古マンションが売り出されてから成約するまでの平均期間は「3〜6ヶ月」と言われています。
ちなみに、公益財団法人 東日本不動産流通機構の調べによると、2022年に売り出された中古マンションにおいて、新規登録されてから成約までの平均期間は「74.7日」、およそ2ヶ月半でした。(参考:公益財団法人 東日本不動産流通機構|首都圏不動産流通市場の動向(2022年))
中古マンション市場には、日々たくさんの物件が新規登録されるため、売り出されてから3ヶ月以上経つ物件は、購入希望者の目に留まりにくくなり、値引き交渉をしやすい傾向があります。
そのため、まずは気になる物件がいつ売り出されたのか確認しましょう。
まだ新規登録されて間もない場合は、値引き交渉が難しいかもしれません。
「同じ条件の物件価格や相場をチェック」
リフォーム・リノベーション事例を見る:Case165「INDUSTRIAL + PLANTS」
値引き交渉をする際に、価格相場を知っておくことはとても重要です。
相場を知らないと、的外れな価格を提示してしまい、交渉が決裂する可能性が高まります。
不動産価格の相場を調べるには、「国土交通省 不動産取引価格情報検索・土地総合情報システム」を使うのがおすすめです。
ご自宅にいながら、エリア(市区町村、最寄駅)・広さ・間取り・建築時期の近い成約済み物件情報をチェックできます。
相場は、上記「国土交通省 不動産取引価格情報検索・土地総合情報システム」や、不動産会社に確認するなどして、公平かつ客観的に価格を見極めましょう。
「物件の建築時期・リノベ履歴をチェック」
値引き交渉をする前に、物件の建築時期とリノベーション履歴の両方をチェックしてください。
住宅設備機器の寿命は10〜15年、フローリングや壁紙などの内装材に至っては、5〜10年で劣化してしまいます。
そのため、築20年を超える物件でこれまで何もリノベーションされていないと、老朽化や劣化が進んでいる可能性が高いでしょう。
そうなると、買主は購入して住むまでにリノベーションしなくてはならないため、値引き交渉の材料になります。
「売主が個人・法人どちらかチェック」
中古マンションの売主は個人の場合が大半ですが、不動産会社・再販会社など法人のケースもあります。
法人の場合は、仕入れ費用やリノベーションにかかった経費などを鑑みて売却金額を決めているため、まとまった額の値引き交渉をしづらいでしょう。
一方、売主が個人ですと、懐事情などによって価格を下げてもらえる可能性もあります。
ただし、法人・個人でも事情は様々なので、一概にこれらの説が当てはまらないケースも少なくありません。
「競争率の高い時期・繁忙期を避ける」
中古マンションの価格は、物価や消費税増税などの要因や、市場動向など、時期による影響を大きく受けます。
特に、多くの人が引越しする3〜4月、8〜9月の2〜3ヶ月前は、物件の競争率が高く、繁忙期となるため、価格が高くなる傾向が見られます。
逆に、あまり人が引っ越さない閑散期や、市場が落ち着く年末年始、お盆の時期には、値引き交渉できる可能性が高まるでしょう。
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〈中古不動産購入〉物件探しのおすすめ時期は?いつから始める?
「売主の“売りたい事情・理由”をチェック」
不動産会社を通して、売主の事情を聞いてみるのも良いでしょう。
例えば、物件を売り急いでいる場合は、相場より少々安くてもいいという可能性も考えられます。
ただし、無理に事情を聞くと、売主が不信感を抱いてしまうため、交渉がうまく進みません。
そのため、補足情報として聞いてみる程度に留めましょう。
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中古マンションを値引き交渉する時の注意点
リフォーム・リノベーション事例を見る:Case170「Beautiful Life」
中古マンションを買う際に値引き交渉することは間違いではありませんが、注意点を押さえないと、気に入った物件を買い損ねたり、買うまでに時間がかかってしまうかもしれません。
そこで、値引き交渉の前に知っておくべき注意点を紹介します。
「相場以上の値引き交渉は慎重に」
「1円でも安く」と考える方もいるかもしれませんが、10%以上の値引き交渉をいきなり持ちかけることは避けた方が良いでしょう。
成功率が低いだけではなく、売主への印象が悪くなるかもしれないからです。
また、複数からオファーを受けている物件ですと、大幅な値引き交渉を持ちかけた時点で、買主の候補から外されてしまいます。
そのため、早い段階での大幅な値引き交渉は避けましょう。
「取引において“買主が有利”は間違い」
不動産取引において、買主と売主はあくまでも対等です。
特に、人気の高い中古マンション市場においては、「消費者である買い手が有利に交渉を進められる」訳ではありません。
売主にも、買主を選ぶ権利があることを忘れないようにしましょう。
中古マンションを買う際は、常に「ライバルがいるかも」と思って交渉を進めてください。
「売主への返事は引き延ばさない」
購入申込書を提出し、売主から値引きの承諾や条件が返ってきたら、できるだけ速やかに返事をしましょう。
返事を引き延ばすと、売主へ迷惑をかけてしまうかもしれません。
このことからも、購入申込書を提出する際は、事前にじっくり検討することが重要です。
「値引き交渉は必ず不動産会社を通す」
値引き交渉は必ず不動産会社を通して行いましょう。
内覧の際に「いくらくらい値引いてもらえますか?」と直接尋ねてはいけません。
もちろん、売主が契約している不動産会社に尋ねるのもNGです。
値引き交渉する際は、仲介を依頼している不動産会社の知見を踏まえ、価格やタイミングを相談しましょう。
「値引きと引き換えに売主にも利益を」
値引き交渉をする際は、こちら(買主)の利益だけではなく、売主側への利益となるポイントを提示するのもおすすめです。
値引きをする代わりに売主へもメリットがあれば、交渉の成功率が一気に上がります。
例えば、値引きしてもらう代わりに、以下の点を提案してみましょう。
- ●引き渡し前の掃除は不要
- ●多少の残置物を許容する
- ●引き渡し時期は、売主の希望に100%合わせる
- ●大きな劣化やキズ・汚れを許容する
ただし、これらの条件を提示する場合は、不動産会社を通して正式な書類を取り交わしてください。
「立地条件や間取りなどを交渉材料にしない」
値引き交渉をする際に、立地条件や間取りなどの悪い点を挙げるのは禁物です。
誰でも、自分の持ち物に難癖を付けられるのはあまり気分が良くありませんよね。
売主と気持ちよく話を進めるためにも、交渉の理由は、シンプルに「買主の予算都合」とするのがベストです。
「リノベーション費用も踏まえた予算計画を立てる」
値引き交渉をする際は、購入後のリノベーション費用を知っておきましょう。
購入後にかかる最低限の改修費用を知っておくと交渉材料にもなりますし、トータル費用を踏まえた予算組みができます。
ただし、値引き交渉とリノベーション計画を並行して進めるには、手間や時間がかかります。
リノベーション前提で中古物件探しをするなら、不動産知識と建築知識の両方を持つ会社へ相談しましょう。
住宅ローンなどの資金計画も含めて“ワンストップ”でサポートできる会社がおすすめです。
まとめ:値引き交渉はプロのアドバイスを受けて進める
中古マンションを購入する際、値引き交渉は決して珍しくありません。
ただし、値引き額やタイミングなど、注意しなくてはいけないポイントも多く、取引をスムーズに進めるためには売主の立場になってみてください。
また、売主・買主双方が気持ちよく取引を終えるためには、経験豊富な不動産会社のアドバイスを受けることも重要です。
リノベーション前提で中古マンションを購入する場合は、物件探しの段階からリノベーション計画を進めることをおすすめします。
そんな時に頼りになるのが、物件探し、資産計画からリノベーションまでまとめて相談できる会社です。
“SHUKEN Re / howzlife”では、1998年からの20年以上にわたり8,000件超のリフォーム・リノベーションをお手伝いしてきた実績を踏まえファイナンシャル相談からリノベーションの設計施工、アフターメンテナンス、将来の売却相談まで、ワンストップでサポートしております。
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