中古マンション購入のデメリットと中古一戸建てとの違い
中古マンションには、新築マンションや中古一戸建てと比較して立地を選択できる範囲が広いこと、新築物件より購入の費用を抑えられるメリットがあります。
一方、中古マンションの購入には、築古物件の見極めやリノベーション費用を含めた予算取りなど、デメリットや不安を解決する対策が必要です。
デメリットには対策を講じて、中古マンションを理想の住まいにする方法をご紹介します。
・中古マンションは状態の良し悪しで解決すべきデメリットの大きさが変わります。
・中古マンションには個人で解決できない問題もありますが、多くの場合、しっかりと対策を講じれば解決策は見つかります。
・デメリットをメリットに変えられるような中古マンション探しとリノベーションによって理想の住まいをつくりましょう。
Contents
中古マンションには個人では解決できない問題がある
中古マンションには、構造上の問題や管理組合の規約によって、個人では解決できない項目がいくつかあります。
購入後に後悔しないよう、個人では解決できない問題について確認していきましょう。
耐震性
築年数が長いマンションや住宅の中には、新耐震基準を満たしていない住宅があります。
中古一戸建ての場合には、個人で耐震改修ができますが、中古マンションの場合、個人ではどうすることもできません。
▪ 「新築された年が1981(昭和56)年6月1日以降であること」
▪ 新耐震基準への法改正がされる前に建築されたマンションの場合には、「耐震基準適合証明」の有無
購入前にこの2点を必ず確認すれば、物件選びの段階でこうした耐震性に関わるデメリットは避けられます。
水回りの位置
給水管や排水管などの配管は、マンション全体の共用部分です。
専有スペース内には、僅かな距離なら動かせる給水管や排水管もありますが、基本的にはできないと考えておく方が良いでしょう。
内覧の際には、「水回りの位置を変えないでリノベーションできる範囲」を想定した上で、理想の間取りにできるかどうかを考えてみましょう。
給水管・給湯管の劣化
水道管が劣化していると錆びの混ざった水が出てきたり、上の階からの漏水があったりといった問題が起こります。
ただ、この部分もマンション全体の問題なので個人では修繕できません。
購入前に管理組合の運営状況や大規模修繕の記録などで、排水管が劣化していないことを確認することが大切です。
購入後であっても、リノベーション前に専有部分だけの配管の劣化が分かった場合には、修繕する方法もとれますが30万円程度はかかります。
一方、リノベーション済みの中古マンションを購入後に劣化を発見した場合、床や壁を解体し、配管工事後に復元しなくてならないので、50~100万円の出費になってしまいます。
このような見えない部分に関するデメリットは、リノベーション会社や専門家のアドバイスを受けながら物件探しを進めることで事前に想定の上で対策を講じることができます。
断熱
マンションは一戸建て住宅と比較すると、外気に面している壁が少ないので、断熱性に関しての問題はないと考えていらっしゃる方が多いと思います。
ただ、実際には築年数の長いマンションに住む人の中には、底冷えがするという悩みや、冷暖房の効率が悪く光熱費が嵩むといった問題を抱えている人もいるでしょう。
もちろん、リノベーションの際に、壁や天井に断熱材を入れるなどのことはできます。
それでも、1階の部屋や北側に面している部屋の場合、断熱材だけでは不十分で窓の断熱も必要になることも。
しかし、窓の断熱化はマンションの規約によって禁じられていることがありますので、管理組合の規約を確認する必要があります。
多くのマンションでは、内窓は許可されていることが多いため、断熱対策として内窓も選択肢になるでしょう。
購入前に規約を確認しておくことで、断熱面のデメリットは避けられます!
日当たりや風通し
マンションでは窓の位置やサイズを変更できません。
その為、日当たりが悪いことが分かっても、簡単には解決する方法がありません。
戸建て住宅の場合は、壁を壊す方式のフルリノベーションをすれば、窓の位置とサイズを変更して、陽射しと風を採り込めるようにすることができます。
また、外壁を残す場合でも、窓の開閉方法のタイプを引き違い窓からウィンドキャッチ窓に変更すると、風を採り込めるようになります。
一方、窓の位置や開閉方法を変更できないマンションではその解決方法は有効ではありません。
その為、室内窓を設けて光と風を通す方法を採用することがあります。
耐力壁など間取りの変えられない部分と、外気に接している窓との位置関係によって、陽射しが届かない部屋がある場合などがそのケースです。
時間帯と間取りによって光と風の通り方の変化をある程度予測して室内窓を設置することで、日当たりや風通しの悪さというデメリットを最小限にすることも可能です。
この他にも、エントランスやエレベーターなどの共用部分が、良い状態に維持されていない中古マンションもあります。
ベランダの柵に錆があったり、玄関ドアが褪色していたりしても、個人では交換や修理ができません。
マンション全体の外観が古びていることもあるでしょう。
古びた外観に趣があると感じる人と、見た目が気になる人は、その物件の印象が大きく変わります。
そのような部分に関しては、納得できるように、外観や共用スペースを目視でチェックする必要があります。
騒音や日当たりに関しては、時間帯を変えて何度か内覧してみることをおすすめします。
間取り変更の制限
築年数の長いマンションには、現代のライフスタイルにそぐわない間取りもあります。
その為、自由に間取りを変更したいという思いは、どなたにでもあるでしょう。
ただ、マンションには「水回りの位置はあまり変更できない」ということに加えて、「構造による制限」があります。
ラーメン式構造の場合には柱の出っ張りがあり、壁式構造の場合には外せない耐力壁があります。
例えば、柱の出っ張りと出っ張りの間に家具を置くとデッドスペースが生まれてしまうことも。
外せない耐力壁があると、部屋を繋げたくても繋げられません。
そのような場合は、柱の出っ張りの間に造作家具を設けるとデッドスペースの問題が解決できます。
外せない耐力壁に対しては、内部の筋交いだけにして視線と風や光を通し、閉塞感を解消、開放的な空間にするという方法もあります。
間取り制限のデメリットを避ける為には、マンションの内覧する際、間取り変更が難しい部分に対するリノベーションの可能性を見て取る必要があります。
間取り変更が難しい部分の解決策は、はやめにリノベーション会社に相談するとよいでしょう。
リノベーションの費用を嵩ませる要素
中古マンションにも、中古一戸建てにも共通するデメリットのひとつがリノベーション費用に幅があることです。
リノベーションの内容によって数十万~数百万円単位で変化する為、全体の予算に大きく影響します。
比較的予算の変動幅の大きい、設備の交換、内装、防音・断熱などの対策が必要なケースについて確認していきましょう。
住宅設備機器の交換
住宅設備機器の耐用年数は15年ですが、実際にはもっと長く使っているケースもあります。
そのような場合には、交換が必要です。
グレードにもよりますが、標準仕様のキッチン、浴室、洗面所、トイレの交換には全部合わせると200~250万円程度は見ておいたほうがよいでしょう。
在来工法で仕上げたり、ハイグレードな仕様を選ぶ場合の予算は余裕をもって確保する必要があります。
水回り関係の設備機器は衛生用品ですので、15年以内であってもリノベーションの際には交換したい方も多いでしょう。
「住宅設備機器交換の必要はない築浅物件」では、物件価格が高めに設定されることが多いので、物件価格とリノベーション費用を総合的に勘案した購入計画を検討する必要があります。
「価格が抑えられている築年数の中古物件」を選び、フルリノベーションをする中で住宅設備機器も含めて一新すれば、物件費に予算を少なめにして、リノベーションを含めた設備機器等への予算を多めに配分しやすくなります。
内装
クロスや天井、床材の張り替えは素材によって張り替え時期が異なります。
表面に見える部分は、リフォームであっても、リノベーションであっても施工の際に一新されることが多く、築年数が浅い場合には表面の張り替えだけで済む場合もあります。
ただ、築年数が長くなると下地の張り替えも必要になります。下地まで交換する必要があるかどうかは、表面からは判断できません。
下地交換が必要な壁かどうかは、築年数やリフォーム履歴を確認するなどしてチェックしておくとよいでしょう。
壁の状態をチェックして、下地を活かしてクロスで仕上げるか、状態があまり良くないので思い切って塗り壁に変えてはどうかなど、様々な選択肢を施工会社に相談することができます。
防音や断熱の対策
マンションの規約によっては許可されない場合もありますが、断熱や防音の為の内窓を設置できる場合もあります。
立地条件や耐震性などは十分だが、騒音が気になるという場合には、許可されるのであれば内窓で防音でき、断熱性も高めることができます。
戸建て住宅に比べると窓の数が少ないので、内窓設置費用はマンションのほうが抑えられます。
購入を決断する前に管理組合の規約を確認すれば、窓に関するデメリットを避けられます。
デメリットを避けて中古マンションを購入する方法
中古マンションの購入にあたっては、メリット・デメリットを十分理解して、対策を十分に検討してから購入することをおすすめします。
立地条件や築年数、専有面積だけでは計れない部分が多数あるため、購入にあたっては物件を見極める最低限の知識が必要です。
同じ築年数であっても、住宅の状態や、プランニング次第でリノベーションにかかる費用は変わります。
加えて管理組合の運営状態によって、共有部分の状態が変わり、暮らしやすさに影響するでしょう。
また、中古マンションと、中古住宅のどちらにするか迷っているというご家族は、中古マンションと中古の戸建て住宅の両方を調査しなくてはならないので、より手間と時間がかかります。
上手に物件探しをすれば、ご家族の希望によっては、中古マンションより、中古の戸建ての方が最適な物件が見つかる可能性も。
それらの幅広い選択肢の中から、家族に最適な住まい探し、家づくりをするためには、どのような物件であっても、そのメリット・デメリットを見極めて適切に解決策を導き出すことができる経験豊富な専門家の知識と経験が欠かせません。
物件購入とリノベーションを併せて進める場合は、ワンストップで相談ができる「ワンストップリノベーションサービス」を提供している会社に相談するのがおすすめです。
自分たち好みのテイストの施工事例があり、暮らしたい地域でリノベーションの実績が豊富な「ワンストップリノベーション会社」に相談することで、購入対象になる物件の選択の幅も広がります!
その会社が所有している物件の中に、希望に合う中古マンションや中古住宅があれば、より安心ですね。
「個人では解決できない耐震や断熱に関する問題のない物件」だけを紹介してもらえるというメリットも。
物件探しも相談できるリノベーション会社であれば、中古マンションと中古一戸建てで迷っている場合には、その旨も併せて相談できます。
中古住宅・中古マンション探しから理想の住まいの完成までをトータルにお手伝いします
howzlifeはリノベーション会社「SHUKEN Re」の、中古物件探しからスタートするワンストップサービスです。
中古住宅を探してから、さらにリフォームを依頼する会社を見つけるのは時間もかかり、予算オーバーになりがちです。
「中古住宅・中古マンション購入とリフォームはセットで考える」という方法が、物件にみあったリノベーションが最も効率が良くできる、失敗のない方法です。
専門的な知識がないと判断し難い構造部の状態を把握した上で、ご家族にあった最適なリノベーション計画をワンストップで提案できます。
この方法であれば、後悔するような中古住宅を購入する心配がない上に、家族の暮らし方や価値観、好みに合った新しい住まいが実現します。
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