中古マンション購入の注意点は築年数?耐震性?
中古マンションの購入計画を後悔のないよう進めるためには何を手掛かりにしたら良いのでしょうか?
ある程度のことはわかっていると思うが見落としがあるかもしれない…
そのような不安を解消する為に、中古マンション購入の注意点を確認していきましょう。
中古マンションのリノベーションを数多く手がけている立場から、具体的なポイントに絞ってお話していきます。
・ 築年数は価格に、管理状態は建物の劣化に、新築時の建物の設計と時期は、耐震にそれぞれ影響します。
・中古住宅を購入する際には、まずこの3点を確認することが安心な暮らしに繋がります。
Contents
中古マンションの価格は築年数で変わるが同じ築年数でも状態は違う
中古マンションは築年数によって価格が下落していきます。築年数が長くなるほど建物の劣化が進み、資産価値が低くなっていくからです。
ただ、ここで注意したいことは、中古マンションの状態は築年数だけでは判断できないということです。
中古マンションは新築時の設計や管理状態によって同じ築年数でも建物の状況が大きく変わります。
築年数が長いほどマンションの購入価格は安くなるので、築年数が50年程になると新築マンションの半額程度で購入することも難しくありません。
ただし、同じ築年数であっても、新築時の設計によって、中古マンションが備えている耐震性や断熱性が変わってきます。
また、どんなに優れた性能を備えていたとしても、管理状態が不十分であれば、同じ性能、同じ築年数であっても、現在の建物の状態は異なります。
中古マンション購入見極めには管理状態が重要
施工事例:Happy Family Home│詳しく見てみる
新築時にどんなに優れた設計がされていたとしても、管理状態によって現在のマンションの状態は変わってしまいます。
新築時の状態も築年数も同じだったとしても、管理状態によって新築時の性能を維持できているマンションと、劣化が進んでしまっているマンションが存在します。
その理由は管理組合の運営の仕方の違いです。
管理組合はマンションの所有者が全員参加している組合で、マンションを適切に管理する為に運営されています。
所有者の中から選ばれた人々で構成される理事会によって、管理規約の作成、共用部分の管理、管理費と修繕費用の管理などの具体的な業務が行われます
議事録でわかること
マンションが適切に管理されているかどうかは、管理組合が保管している議事録にすべて記録されています。具体的には次のような内容です。
- 10数年に1度ごとに行われてきた大規模修繕の内容
- 今後の将来に向けて修繕計画
- 修繕計画に伴う管理費と修繕積立金の完納、滞納状況
議事録を閲覧することによって、現在の管理状況が分かると共に、管理費と修繕積立金が将来的に上がる可能性があるかどうかもある程度予測できる場合があります。
修繕積立金が十分に溜まっていない場合、修繕積立金が値上げされたり、大規模修繕の際に臨時の費用を集めたりすることがあるからです。
中古マンションの場合、中古住宅と違い、住宅ローンだけではなく管理費と修繕積立金も支払い続けなくてはならないので、管理費と修繕積立金の額の確認も大切です。
共用部分でわかること
マンションのエントランスや駐車・駐輪場、ゴミ置き場、敷地内の植栽などはすべて管理組合によって清掃や手入れがされています。
この共用部分が清潔に管理されていない、自転車が乱雑に置かれている、ヒビ割れや塗装の剥離がある、古びて見栄えが悪くなっているというような状態になっているマンションもあります。
そのようなマンションは適切に管理組合が動いていない可能性があるので、注意が必要です。
マンションの築年数と耐震性への注意点
適切に管理されていて状態が良ければ、築年数の長い中古マンションであっても、安心して購入できます。
しかも築年数が長くなるほど資産価値が低下していくので、購入しやすい価格になっていきます。
ただ、長期優良住宅認定制度に認定されているマンションではない場合には、耐震基準について確認が必要です。
1981(昭和56)年6月1日以降に建築確認を受けたマンションであれば、新耐震基準で建築されていますが、それ以前に建てられたマンションは、旧耐震基準で建てられています。
もちろん、旧耐震基準で建てられていても、新耐震基準を満たすマンションは数多くあります。
ただ、耐震性は外観や内装のように目で見て確認することができません。
その為、築年数が長く1981(昭和56)年6月1日以前に建てられたマンションの場合、耐震診断をしているかどうかということを確認することが必要です。
マンションの耐震性の確認ができる住宅性能表示制度
住宅性能表示制度とは建築に対する専門知識を持たない一般的な消費者が、目に見えない大切な部分を確認できるようにする為の制度です。
住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)によって平成12年定められました。
住宅性能表示制度は、良質な住宅を安心して取得できる市場を形成するためにつくられた住宅品質確保法に基づく制度です。
具体的には、どの程度「暮らしやすく安全な家」になるのかということついて知ることができます。
- 構造の安定(耐震性)
- 火災時の安全
- 劣化の軽減
- 維持管理・更新への配慮(メンテナンスの計画)
- 温熱環境(断熱性)
- エネルギー消費量(省エネ)
- 空気環境(換気と風通し)
- 光・視環境(日当たり)
- 音環境(防音・遮音)
- 高齢者等への配慮(バリアフリー)
- 防犯
住宅性能表示制度は新築の戸建て住宅では、所有者が認定を受けるかどうか決めます。
一方、中古マンションの場合は、不動産業者が認定を受けるかどうかを決めます。
従って住宅性能評価の認定を受けた住宅として販売されているマンションも、住宅性能評価の認定を受けていないマンションも存在します。
住宅性能評価の認定を受けた住宅として販売されているマンションであれば、新築時から備えている住宅の性能が確実なので安心です。
住宅性能評価を受けていないマンションの耐震性の調べ方
住宅性能評価の認定を受けていないマンションの場合には、マンションの状況を知る為に、専門家のアドバイスを受けるという方法があります。
購入の検討を専門家にアドバイスしてもらう為には、地盤の状況や地下水位の高さ、杭の長さや太さ、本数などを確認できるマンションの設計図や構造計算書などが必要です。
この場合にはマンションの管理組合に依頼すると、設計や機械設備、特定行政庁や消防からの通知など、必要書類を閲覧させてもらえます。
契約の際の注意点
マンション購入の契約をする際には、重要事項説明書という書類に同意した上で売買契約が締結されます。
この重要事項説明書には、売買取引の内容の他に、マンションで暮らし始めてから必要になる情報が記載されています。
詳細はマンションによって異なりますが、具体的にはマンションの専有部分や共有部分についてのルール、管理費用や積立金などの支払い方法と金額などについて書かれています。
内容については、不動産業者など売り主からの説明があります。
暮らし始めてから知らなかった、聞いていないというようなことにならないよう、内容に不明な点や疑問点を残さないよう、その場で質問してすべてを明確にすることが大切です。
契約を締結する際には、マンションの購入価格の一割程度の手付金を支払うのですが、重要事項説明書の確認不足から契約後にキャンセルすると、手付金は違約金となって返還されません。
大きな金額ですのでそのようなことにならないよう、十分に内容を把握した上で契約の締結に進みましょう。
暮らし始めてからの税金
マンションを購入した後は、住宅ローンとマンションの管理費用や積立金を支払っていくことになるのですが、その他に税金も納めなくてはなりません。
マンション購入時には不動産取得税がかかります。この税金は1回だけで終わります。
加えて、自治体の定めている条件を満たすと一定の金額が控除されます。
一方、固定資産税はそこに住み続けている限り半永久的に支払い続けていく税金です。
1年分まとめて支払う方法と、1年のうちに4分割して支払う方法があり、中古マンションの1年分の相場は10~15万円です。
具体的な税額を調べたい場合には、マンションのある地域の役場にある固定資産税台帳で確認できます。
まとめ
中古マンションを選ぶ際の基本的な注意点は目に見えない部分の確認です。
- 新築時の性能
- 管理状態
- 築年数
この3つを考えあわせた上で安全なマンションであることが確認できたら、内装や間取りなど、夢が膨らむ計画に移行していきましょう。
リノベーション済みのマンションでない場合には、希望の間取りに変更できるかなど、目に見える部分の確認から始めていきます。
その前の段階として、大きな地震がきても不安がない、管理状態が良く共用部分に劣化がないという2点が確認できれば、築年数に関わらず安心して住まえるマンションです。
どんなに立地条件が良く手頃な価格であっても、耐震性に不安があったり、共用部分が現在も将来も適切に管理されることが不明であったりすれば、良い中古マンションとは言えないからです。
見えない部分をしっかりと確認していつまでも安心して暮らせる中古マンションを購入し、新しい暮らしをお楽しみください。
私たちhowzlifeは、中古物件探しからリノベーションまで一貫してお役に立ちます。
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