TESとは
TES(テス)とは
TESとは、「Thin and Economical System」の略で、1つの熱源機(ガスボイラー)で建物の暖房、乾燥(浴室乾燥)、給湯、そして冷房までをまかなうガス温水冷暖房システムのことです。
室外(軒下やバルコニーなど)に設置されたガスボイラーが、室内の冷暖房機や給湯器に温水を供給することで、家中の快適な温度管理や給湯を実現します。
TESの主なメリット
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・快適な温水空調: 輻射熱を利用した温水式床暖房や、温水を使った暖房・冷房(温水式ファンコンベクターなど)により、部屋全体をムラなく快適な温度に保ちます。エアコンのような風による乾燥やホコリの舞い上がりが少ないのも特長です。
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・効率的な熱供給: 1つの熱源で複数の用途をカバーするため、エネルギー効率が良く、光熱費の削減につながります。
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・多様な機器との連携: 浴室暖房乾燥機やガス温水式衣類乾燥機など、様々な設備と連携して快適な暮らしをサポートします。
TESのデメリットと注意点
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・初期費用の高額さ: システム全体の導入費用は、一般的な給湯器やエアコンを個別に設置する場合と比べて高額になる傾向があります。
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・設置場所の制約: 室外にガスボイラーを設置するため、設置場所のスペース確保や配管ルートの検討が必要です。
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・メンテナンスの必要性: 長期的に性能を維持するためには、定期的な点検やメンテナンスが推奨されます。
TES導入でさらに光熱費を削減・省エネ効果を高める方法
TESは、単体でも効率的ですが、他のシステムと組み合わせることで、さらなる光熱費削減や環境負荷低減が可能です。
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・太陽光発電システムとの連携: 太陽光で発電した電力を活用することで、TESを含む家全体の消費電力を補い、光熱費を大幅に削減できます。
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・コージェネレーションシステム(熱電併給)との連携: 天然ガスなどを燃料に発電し、その際に発生する排熱をTESの温水として再利用するシステムです。発電と熱利用を同時に行うため、エネルギーの無駄を最小限に抑え、大幅な省エネとCO2排出量削減に貢献します。
リフォーム・リノベーションでのTES導入ポイント
TES導入にあたっては、以下の点を専門家と検討することが大切です。
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・建物の断熱性能の向上: 高い断熱性能を持つ建物と組み合わせることで、TESの効率を最大限に引き出し、より少ないエネルギーで快適な空間を維持できます。
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・エネルギー消費量の少ない設備の導入: 照明や家電なども省エネ性能の高いものを選び、全体としてのエネルギー消費量を抑えましょう。
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・最適なシステム構築: 太陽光発電システムとの連携やコージェネレーションシステムの排熱利用など、お客様のライフスタイルや建物の状況に合わせた最適なプランを専門家のアドバイスを受けながら検討しましょう。
エネルギー効率の高い住まいは、光熱費の削減だけでなく、資産価値の向上にもつながります。
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