妻のキッチン。夫の土間。
この日おじゃましたのは、7歳、4歳、1歳のお子様がいる5人家族のS様邸。
千葉県のシンボルの“夢の国”からもほど近く、住民専用の緑地が広がる抜群の立地の団地の一室です。
さっそくおじゃますると、ハンモックで遊ぶお子様たちが元気いっぱいに迎えてくれました。
こうして楽しく遊んでいるシーンを見られると、リノベ会社冥利に尽きますね。
同じ団地の中でお引っ越し
S様邸がちょっとユニークなのは、同じ団地の8階の部屋から9階の部屋に住み替えられたということ。
お子様が3人になったタイミングで、手狭になった住まいの買い替えを考えるようになり、立地が気に入っていたこと、上のお子様たちの転校&転園が不要なことから、同じ団地内で今より広い部屋が空き物件として出るのを待っていたそうです。
以前の部屋は66㎡。現在の部屋は78㎡。
無事に広い部屋へ買い替えができ、間取りも内装も43年前の建築時のままだった部屋をフルリノベすることにしました。リノベを主導したのは奥様。まずは、奥様いちばんのこだわりのキッチンを見せていただきましょう!
とにかく広くしたかったキッチン
以前はクローズドのキッチンで、狭くてすれ違うのもひと苦労だったとか。
「どうやって生活していたのだろう」というくらい収納スペースも少なく、リノベでキッチンの背面側に造り付けの収納を設けるのが奥様の夢でした。
「以前の家では市販の食器棚を置いていたんですが、統一感がないのがいやだったんです。
絶対に造り付けがよくて」と奥様。
現在のキッチンは収納力も統一感もばっちりです!
背面の壁は白の長方形タイル仕上げ。カウンターには家電を並べておけます。
「あれ? トースターが2つ?」と思ってお尋ねすると、右手の「黒い箱」はブレッドケースでした。
開封済みのパンやお菓子のパッケージを隠しておけるので、オープンキッチンをすっきり保てます。
お気に入りのキッチンをお気に入りのままずっと素敵に使っていきたいという奥様の気持ちが伝わって、うれしくなってしまいました。
LD側からシンクまわりが見えないように、キッチンカウンターに立ち上がりをつけたのもポイント。
「きれいにしておく自信がなくて……」とリクエストしたそうですが、いえいえ、とってもきれいです!
でも「今日はヘトヘト」という日もあるし、「いつもきれいにしておかないと」というプレッシャーがやわらぎますよね。
キッチンをぐるっと囲む腰壁はネイビーブルーに。
LDKは「ほっこり」でなく「クール」なイメージにしたかったそうで、
まさに!という雰囲気に仕上がりました。
レンジフードは「高額だったのでものすごく迷った」という掃除不要のものを奮発。
リノベは「家事ラクな家」にする絶好の機会ですから、その投資は絶対にムダではないと思います!
ご主人念願の土間も実現!
キッチンにこだわった奥様に対して、ご主人がリノベで叶えたかったのは、玄関から続く土間スペースです。
キャンプが趣味で、上のお子様2人を連れて山梨や長野などのキャンプ場によく行くというご主人。
玄関横の個室だったスペースの一部を活用して、キャンプ道具をしまえる土間を設けました。
ここは靴の収納スペースも兼ねていますが、2/3はキャンプ道具ですね(笑)。
リノベ前は、部屋から1階の駐車場の車までキャンプ道具を運ぶのがとにかく大変だったそう。
「5~6往復くらいするんですが、靴を脱いで部屋の中まで運ぶのと、玄関まででいいのでは負担が全然違います。道具と一緒にキャンプ場から虫を連れて帰ってきてしまうこともあって、家に帰ったらブーンと虫が飛んでいたりしましたが(笑)、部屋の手前(=土間)で荷物が処理できるようになって、それもなくなりました」とご主人(奥様はにっこり)。
念願の収納場所ができて、マイナス25度の場所でも寝られるという寝袋などなど、以前にも増して道具に凝り出してしまっているそうです。
LDKにもキャンプ好きのご主人のセンスがキラリ。
設備や内装材はほぼ奥様のお見立てですが、照明選びはご主人が担当しました。
キャンプやアウトドアをイメージさせるような、アイアンを使ったハードなテイストの内装を考えていた時期もあったというご主人。
でもそれだと「やりすぎ」になりそうで、奥様の希望ともマッチしないことから、そのテイストを照明で取り入れることにしたのだそう。
オープン棚には、さりげなくキャンプ用のランタンもスタンバイ。
S様邸ならではの印象的なワンポイントになっています。
土間の施工事例に魅せられて
S様がSHUKEN Reにリノベを依頼してくださったのは、実は「土間」が理由の1つでもありました。
絶対に土間がほしい!と思っていたご主人は、雑誌で理想的な土間の施工事例を見つけ、その設計施工先が当社だったとのこと。
奥様も、当社がリノベを担当したご友人宅を見学したことがあり、「安心して依頼することができました」。
物件の買い替えにともなうリノベだったS様の場合、スピード感も重要でした。
以前の住まいをスムーズに売却できたものの、その分早めに退去しないとならず、新居のリノベ工事も急ピッチ。
問い合わせをするとすぐに対応してもらえ、スピーディに進められたことも助かったとおっしゃってくれました。
リビング学習にぴったりのデスク
奥様とご主人それぞれのこだわりスペースを拝見したところで、その他の部分も見せてもらいましょう。
まずは、パステルブルーのアクセントクロスが素敵なダイニングです。
「子ども部屋は寝るだけの部屋でいい。LDに子どもたちが勉強できる場所がほしい」という希望に合わせて、壁際にデスクを造り付けました。
「これは頼んで本当に正解でした。コストのこともあって、造り付けはやめて市販のデスクを置いてもいいかなと思ったのですが、統一感があって、こちらのほうが断然いいですね」。
アクセントクロスは、当社の施工事例を参考にとり入れたもの。
「このクロス使いや、磁石がつくところに、遊びに来た友人たちがすごーい!と言ってくれます」。
デスクまわりにはコンセントを多めにつけたことも、その後の暮らしに重宝しているとか。
デスク上のコンセントはたくさんあるモバイル機器の充電に便利。足元にはルンバ専用のコンセント&格納場所も設けてあります。
フレキシブルに使える個室も!
視聴距離がとれるようにと、リビングのテレビは壁掛け式に。
テレビまわりがすっきりしてよかったとか。
右手には、現在はお子様たちのプレイルームにしている個室があります。
キッチンで作業中でもお子様たちに目が届き、とても安心。
プレイルームは引き戸で閉め切ることができ、お子様がお昼寝したらそっと閉めておきます。
この部屋は将来、ご夫婦の寝室にする予定です。
LDKの出入り口は引き戸を採用。
2面開口で風通しのいい物件のため、以前の部屋では開放していたドアがバタンバタンと大きな音を立てていたそう。
「開けたままにできる引き戸を提案してもらって、本当によかったです。色はキッチンの腰壁とそろえてもらいました」。
秘密基地みたいな子ども部屋
女の子1人(7歳)と男の子2人(4歳、1歳)の3人のお子様がいるS様邸。
「広さ的に1人1部屋は無理だと思ったので、子ども部屋をどのように設けるかも悩みどころでしたが、プランナーさんがいいアイディアを出してくれて……」
それが、間仕切りを兼ねた造り付けの2段ベッド!
2室並んだ子ども部屋の一方は2段ベッドの上段、もう一方は下段が自室のテリトリーです。
下の男の子2人がまだ小さいので、今は2段ベッドの上段はご主人、下段はお姉ちゃんが使っています。
いずれこの2段ベッドは、男の子2人が使い、もう1つある個室をお姉ちゃんの部屋にする予定。
お子様たちの成長に合わせて、フレキシブルに使える間取りになっています。
インスタで理想のイメージを共有
プランニング中は、インスタグラムで理想のイメージの画像を探しまくっていたという奥様。
洗面台の水がかりの部分にあしらったタイルなどは、インスタの画像からイメージをふくらませました。
靴を洗ったり、習字道具を洗ったり、お子様がいるのでとにかく「洗いもの」が多いということから、造作の洗面台に実験用シンクを採用。
洗面台の背面側には収納スペースをたっぷりと。
下着やパジャマを5人分収納できるようにとリクエストしました。
室内干し用のバーも5人家族のS様邸には必須アイテム。
洗面室のほか、ダイニングの窓際と土間にもつけました。
「躯体の関係で無理なのでは?と、浴室を広くするのはあきらめていたら、プランナーさんができますよって。浴室が狭いと、子どもが3人いる家は大変。広くなったのがうれしいですし、段差が解消されて限りなくフラットになったのがよかったです」。
トイレのアクセントウォールは、インスタで見た画像を参考に落ち着いたグリーンをチョイス。
白いクロスは、塗り壁のようなテクスチャーのものにしました。
ふわっとした希望をカタチに
住み替え前の部屋はリノベ済み物件だったため、今回がS様にとってはじめてのリノベーションとなりました。
ご感想をうかがうと、「ワクワクして、とっても楽しかったです! こちらが何を言っても、プランナーさんができますよ~と言ってくれたのがうれしかった」と奥様。
ご主人も、「僕たちの希望は案外ふわっとしていたので、細かい部分で悩んでいると、いい案を提案してくれて助かりました。2方向から使う2段ベッドがそのいい例ですね。こんなことができるんだと感激しました」。
住み心地はいかがですか?という質問には、「本当に住みやすくなりました」と答えてくださった奥様。
「以前の家では夫のキャンプ道具で埋めつくされた部屋があって、入るたびにため息をついていました(笑)。
これがなければ、ここで寝られるのにって。だから、土間ができて幸せ。キッチンも料理がしやすくなって、とても気に入っています」。
ご主人にも、奥様にも、喜んでもらえて本当によかった!と、ホクホクしながらお話を聞いていたスタッフ。
ちょっと意外だったのは、ご主人はこれまで料理にはノータッチで、ご飯を炊いたこともなかったそう。
キャンプが趣味になって、今回のリノベで使いやすいキッチンもできて、現地で腕をふるえるように、ただ今、さまざまなメニューを練習中。パパの得意料理がこれからどんどん増えそうですね!
お忙しい中、取材・撮影にご協力いただき、ありがとうございました。
取材・文/ライター志賀朝子