PRESENT AND THE FUTURE

この記事の見所ポイント
- LDKからランドリールームを回遊できる間取り
- 使用したい家具や照明に合わせて北欧ライクなテイストに
- 洗面台は玄関そばに配置。身支度・帰宅後の動線がすっきり
- 家族が増えるなどの変化に対応できる個室
都心へアクセスしやすい、千葉県の主要駅に位置する中古マンション。Aさまご夫婦が「今もこれからもずっと快適に過ごせる住まいを」と、選んだ物件です。
入居してからまだ2ヵ月ほどだと伺い、スタッフ一同びっくり。大型家具をはじめ、インテリアも収納も、どこを見渡してもパーフェクトに整えられていたからです。もう何年も住んでいるかのような、おふたりに馴染んだ素敵な空間がそこにはありました。
現在30代のAさまご夫妻。そろそろ家を買うタイミングかな、という思いで住まい探しを始めました。ともに一軒家育ち。でもワンフロアで生活するほうが効率がいいという思いと、防犯面を考慮してマンションを選ばれたそうです。新築でなく中古物件をリノベすることについても、インテリアへのこだわりが強いおふたりにとっては自然な流れ。
物件のあたりをつけたのち、相見積もりを依頼した施工会社は5社。
「とにかく事例をたくさん見て、私たちの好きなイメージに近い会社を絞っていきました。じつは、施工会社にプレゼンする詳細な資料を自分で用意して、それをもとに提案と見積もりを出してもらったんです」
そう話しながら、Aさまが見せてくれた提案書。そこにはおふたりのプロフィール、希望するイメージや間取りの希望、使用予定の家具、家電までが事細かに書かれていました。
「“こうしたい”という希望をかなり固めていたので、施工会社からすれば自由な提案ができなかったかもしれません。でも5社のうちSHUKEN Reさんだけが、私たちの提案書に寄り添いつつもプロ目線の斬新なアイデアを織り交ぜてプランニングしてくれたんです」
どんな希望にも全力で応える。それこそ、SHUKEN Reが常に意識しているお施主様との約束ごと。Aさまご夫婦に選んでいただけて、大変光栄です!
リビングダイニングが主役。広さと回遊性を確保
ご夫婦にとって、譲れなかった希望事項はシンプルで明確。LDKの広さを確保することと、家事動線を意識した回遊性のある間取りにすることです。
ソファはデンマークのハンス J. ウェグナーのデイベッド。丸いテーブルとチェアはカール・ハンセン&サンのもの。これらを自然に配置できるような広さと間取りが必要だったのです。
内装は、こうした北欧テイストの家具に合う白と木でまとめたいというリクエスト。プランナーは塗り塗装の壁を真っ白ではなく、少し青みがかった白でご提案しました。床材は、表面にスライス無垢板を貼りつけた複合フローリング。予算を抑えつつ、無垢の質感を感じられるようになっています。
「好みやイメージが固まっていたとはいえ、打ち合わせで決めていく仕様が実際に形になったときどうなるかという部分はやっぱり未知数。小さなサンプルを見比べるだけでは選びきれないし、全体を見渡して違和感が出ないかどうかを心配していました。でもプランナーさんは私たちの好みを理解してくれた上で、総合的なバランスも考えながら提案してくれましたね。引き出しが多くて、本当に驚きました!」
Aさんご夫妻によるとプランナーは、おふたりの疑問点やご質問に対してその場でほぼ回答していたとのこと。「メールの問い合わせにもすぐ返事をもらえたから、安心して進められた」とお褒めの言葉をいただきました。ありがとうございます!
木の温もりを感じられるキッチン
キッチンにもご夫妻の“好き”が詰まっています。選んだのは「ウッドワン」のスイージー。ぬくもりを感じられる、本物の木の質感にこだわりました。
リビングが見渡せるような対面キッチン。窓際にはヌックをしつらえました。お茶を飲んだり、クッションにもたれてスマホをチェックしたりと、奥様のお気に入りスペースになっています。
ふたりでキッチンに立った時に窮屈さを感じないかどうか、リビングからキッチンへの入り口幅を確保できているかどうかは、プランナーに逐一確認。
待望の食洗機も導入。すぐ後ろにあるカップボードの引き出しを開ければ、洗い上がりの食器を一歩も動かず戻せます。
カップボードの上の壁面にキッチン雑貨やインテリア小物を飾る棚を設置するのも、当初のご希望通りです。
パントリーや冷蔵庫、オーブンレンジなどの家電コーナーは、リビングから見えにくい場所に配置。できるだけ生活感を抑え、すっきりして見えるよう配慮しました。
ランドリールームは家事のしやすさを最優先に
キッチンとパントリーの奥はランドリールームと浴室。浴室まで一直線になるよう設計し、リビングからも行き来できるように動線を整理しました。
ここにも、おふたりの家事ラク・アイデアが詰まっています。
「以前住んでいた賃貸住宅は脱衣所が狭く、下着類を収納するスペースがなくて片づけに手間がかかっていました。新居ではそれを解消すべく、収納棚をつくってもらったんです」
洗濯乾燥機からとり出したら同じスペース内ですぐにしまえる。ワンアクション収納になり、家事の負担が大幅に軽減されました。
おしゃれ着洗いなどの一時干しスペース用に設置を希望していたのは、コの字型のアイアンハンガーパイプ。プランナーのアドバイスで2本設置することにしました。
「実は2本もいるかな…?と思いながら進めたのですが、これが大ヒット! 濡れたタオルをすぐに干して乾かせるし、キッチンで使ったふきんをかけておくなど毎日活躍しています」
浴室も、おふたりのご要望に何とか近づけようとプランナーが苦心して設計した場所です。
当初は1坪タイプ(幅160cm×奥行160cm)のユニットバスを入れたい、というリクエストがありましたが、配管の問題でどうしても難しい。リビングのイメージも広さも固まっていたので、実はそれよりも小さい0.8坪タイプ(幅140cm×奥行160cm)も設置できるかどうか微妙なところでしたが、間取りを調整し、向きを変えたりして何とか実現しました。
ちなみに、洗面室ではなくランドリールームと呼んでいるのは、洗面台が別の場所にあるから。
「玄関から向かって左につくってもらいました。理由は2つあって、帰宅してすぐ手を洗うという動線にしたかったから。そして、廊下を有効活用したかったからです」
造作の洗面台は、朝の忙しい時間帯でもおふたりが並んで使えるゆとりのある幅に。
細部にまでこだわるご夫婦らしく、タイルも複数のショールームを訪れて選びました。こちらは「平田タイル」でおふたりがセレクトした、個性的なタイル。塗り塗装の壁ともマッチする、青みがかったホワイトです。ちなみにキッチン背面のタイルは「名古屋モザイク」のものだそうです。
玄関から洗面スペース、左に曲がればトイレがあり、リビングに続くという間取り。
「まるでカフェみたい!」とスタッフが感嘆のため息を漏らしたのが、トイレ。小さなスペースですが、壁紙から照明まで、奥さまのセンスのよさがにじみ出ています。
壁紙はゴツゴツ感のある薄いグレーのクロス、天井は木目調。プランナーが提案したそうです。クロスだけ浮かないように、トイレだけアルミ巾木になっているのもポイント。
「トイレは壁のカラーを変えたいなと思っていました。照明もガラス作家の安土草多さんのペンダントライトと決めていましたね。おしゃれなカフェのトイレのようになって大満足です。あまり広さをとれない中ものを置くためのニッチもつくってもらい、機能面でも文句なしです」
寝室からクローゼット、個室はつながりのある空間に
プライベート空間も見せていただきました。洗面スペースを直進すれば寝室とウォークスルークローゼットです。身支度に関わるスペースがまとまっているので外出準備がラクになった!と入居後に実感されているそう。
クイーンサイズのベッドを設置した寝室は、落ち着いた旅館のように“こもり感”のあるデザイン。
収納はなく、シンプルなつくりになっていますが、ここには奥さまの強いご希望で室内窓を設置しました。
「窓の向こうはダイニングテーブルです。空気の通り道をつくる目的ですが、アンティークガラスで部屋のアクセントにしたかったという理由も。照明がガラスに反射するたび、うっとりします…」
ガラスは気泡が入ったようなデザインが魅力的な「アルトドイッチェK」を採用。実はオカメインコを2匹買っているAさまご夫妻。衝突防止のために、クリアガラスではなくあえてデザイン性のあるタイプを選びました。
「回遊できるように」というおふたりのリクエストに応え、寝室につながるスペースに設けたのはウォークスルークローゼット。見渡しやすく、管理しやすいハンガー収納をメインに、季節外の衣類や雑貨、その他のアイテムをボックスで管理しています。
ベッドからクローゼット、そしてさらに奥へ進めば、個室が見えてきます。
「今はリモートワークをする場所ですが、将来は子ども部屋になるかなと想定してつくりました」
ただ、LDKの広さを優先した皺寄せがここに来ているのは事実。当初は普通の個室にするつもりでしたが、プランナーの提案でクローゼットと部屋をドアで仕切らずつなげることにしました。
廊下と部屋の仕切りは、ガラスの引き戸。
「できるだけ広く見せたい、という私たちの希望を汲んでくれたプランナーさんからの提案です。いろいろなメーカーさんの商品で見積もりをとってくださり、最終的にはYKKのfamittoシリーズを採用しました」
ガラス戸にしたおかげで明るく開放的に。バルコニーに面していることもあって、光と風が通る心地のいい部屋に仕上がりました。
入居2ヶ月にしてすでに完成したかのような、素敵な住まい。でもおふたりはこれから、もっともっとインテリアを充実させていきたいと話します。
「リノベ予算は、家具家電にかかる費用も含めて算出。そのおかげで無理のない計画が立てられました。好きなものだけに囲まれて暮らす生活は想像以上に楽しいです。でも、まだまだ余白のある状態。植物を増やしたり、アートを飾ってみたり、これからやりたいことがたくさんあります」
きれいな新居を保ちたい、と掃除や片づけのモチベーションがアップしたご主人さま。これからは料理にも力を入れて、家時間をさらに充実させたいと話しています。
今後もますます進化しそうな、Aさまご夫妻のご自宅。お忙しい中、取材・撮影にご協力いただきありがとうございました!
取材・文/佐藤望美
撮影/カメラマン清永洋