Natural Wood

この記事の見所ポイント
- 無垢材フローリングを中心に、床材をゾーンごとに使い分け
- スペースを有効に使えるII型キッチンで回遊性も実現
- インナーサッシで快適性がアップ
- 猫を迎えるために通り穴やトイレスペースを確保
- スペースの限られた洗面脱衣室こそ造作棚が活躍
複数路線が乗り入れる便利な駅を最寄としつつ、公園が多く川も流れるのどかな街に、Kさまご夫妻のお住まいはあります。
ご結婚とともにこの街に暮らし始めたおふたり。「リノベは妻のたっての希望でした」とご主人は振り返ります。というのも、奥さまはインテリア関係のお仕事をされており、インテリアへの思いはひとしお。中古マンションを購入し、お好みのままにリノベーションしたいと考えておられたのだそう。さらに、ご夫婦とも大好きな猫との暮らしが叶うペット可物件も条件でした。その上で、ご夫婦ともに通勤しやすい地域で物件探しを行うにあたり、SHUKEN Reにご相談くださったのです。
「数社のリノベーション会社に相談したんですが、SHUKEN Reの施工例や、不動産担当の方の雰囲気に惹かれて。媚びずに本音で接してくださる姿勢が信頼できると感じたし、時間がない中で段取り良く進めてくださったのも安心感がありました」と奥さま。「プランナーさんも打てば響くようにこちらの好みや希望を理解して、色々なご提案をしてくださったんです」と、ありがたいお言葉をいただきました。
奥さまの念願を叶えた無垢材のフローリング
Kさまご夫妻が選んだのは、新耐震物件である築40年のマンション。眺望に恵まれた南向きのルーフバルコニーも魅力のお部屋です。壁式構造の物件のため大幅な間取り変更は行いませんでしたが、3LDKだったものを、LDKを広くとって2LDKとしています。
以前は暗い空間だった玄関は、土間部分を少し広げて開放的に。壁に大きな姿見を付けたのは、お出かけ前のチェックのためだけではないのだとか。
姿見の反対側にはLDKのドアがあります。ガラス開口部の大きな「パナソニック」のドアを選び、鏡を使ってLDKの光を玄関部分にも届かせているのです。これは真似したい工夫!
廊下からLDKに続くフローリングの風格ある木目も目を引きますね。こちらは無垢材のフローリング。以前、無垢材専門のインテリア関係のお仕事をされている奥さまだけに、無垢材の床は絶対に採用したいもののひとつだったそう。
選んだのは、オークの美しい木目が活きる幅広のフローリング。「タイム&スタイル」のチェアなど、奥さまがセレクトした家具との相性も抜群です。
大きなソファのあるLDは、おふたりがゆっくりくつろげる場所。クリ無垢材のブックマッチ(2枚接ぎ)テーブルや、ご友人から贈られた「flame」のペンダントライトなど、素敵な家具尽くしです。
ソファの反対側はテレビのコーナー。壁はプロジェクターの投影もできるようになっています。
ケヤキ材のTVボードは、なんと奥さまのご友人が設計された和食店のカウンターだったもの! 「閉店にあたり解体されて、捨てられてしまうからいる?と聞いてくれて。イメージとぴったりな木材だったので、端材も脚に活かしています」と奥さま。思い出も詰まった特別な家具ですね。
TVボードの右側の扉は奥さまの寝室の扉。「パナソニック」のもので、猫ちゃんの通り穴付きです(ご主人の寝室の扉にもついています!)。
その右側の白い扉も「パナソニック」の収納扉ですが、取手は奥さまが見つけた「ZARA HOME」のものに付け替えています。
既製品にオリジナリティを加えるアイディア、見習いたいですね!
また、LDKの居心地のよさの影の立役者がインナーサッシです。環境省の補助金が利用できたのもポイントでした。「近くに高速道路が走っているんですが、このおかげで騒音が全く気になりません。ほかの窓にもつけたいくらい」とお二人とも口を揃えます。室内干しができるハンガーパイプも便利で気に入っているそう。
II型キッチンでスペースを活かし回遊性のある間取りに
LDKはひと続きですが、くつろぎの場であるLDは無垢フローリング、水を扱うキッチン周りはモルタル調のフロアタイルと、適材適所で床材を分けています。
壁付けI型だったキッチンを90度回転させ、スペースを有効活用できるII型に。システムキッチンは、独自の3つ横並びのコンロが決め手になり「パナソニック」をチョイス。料理が得意なご主人も「すごく使い勝手がよくて掃除もしやすいコンロです」とお気に入りです。
キッチンは、グレーの扉面材と白い人工大理石のカウンター、コンロ周りの壁には「名古屋モザイク」の白いタイルを黒い目地で貼り、モノトーンでまとめています。それにしても、調理道具や器のチョイスやディスプレイはさすがプロ! ポットの赤が効いていますね。
コンロ下にかけられた鍋つかみも彩りのアクセントに。お邪魔したスタッフみんなが素敵だなと思っていたのですが、なんと奥さまのお母さまの手作りだそう!
シンク側のアイランドカウンターには側面にリブパネルをあしらった腰壁を設けました。リブパネルの腰壁は、SHUKEN Reの施工例を見て気に入ってくださったものです。
カウンターの隣には、ダイニングテーブルを横並びで配置。腰壁に付けたコンセントは、ホットプレートを使ったり、席につきながらスマホやPCの充電もできたりして重宝しているそう。
腰壁の前面は一見フラットですが、実は開き戸の収納になっています。「大容量なので、Wi-Fiルーターなどもここにしまえて便利です」と奥さま。
キッチンが玄関側とリビングとの間にある間取りですが、通路と並行に配したキッチンは動線もスムーズ。「キッチンが使用中でもリビングと他の場所を行き来できるのがいいんですよ。動線でストレスを感じることなく過ごせています」とおふたりともうなずきます。
洗面・脱衣室は造作を活用して使いやすく
LDK入口横の壁には造作のオープン棚があります。ここは奥さまのディスプレイセンスがいかんなく発揮されたスペース。
自然と集まったという猫モチーフのオブジェや作家ものの器など、季節や気分に合わせてディスプレイを変えるのも楽しみなのだそう。
下にはかわいいおうち型の猫の通り穴が! 反対側の洗面・脱衣室にアクセスできるようになっています。「洗面台の下に猫のトイレを置くつもりでここに通り穴を作りました」とご主人。
洗面台は造作です。「サンワカンパニー(現ミラタップ)」のボウルと「アイカ」のメラミンカウンター、壁付け水栓と「名古屋モザイク」のヘリンボーン柄のタイル、「ムーベ」のミラーは奥さまによるコーディネート。
左側の壁にはメディシンボックスが造作してあります。「オープン棚にする案もあったんですが、ごちゃごちゃしがちなのでここは扉付きにしてよかったです」と奥さま。このすっきり感は造作ならではですね!
奥にある浴室扉の隣にはタオルを置けるオープン棚を造作。可動棚にしたので洗濯カゴも無理なく収められたのだそう。
浴室は「リクシル」。温かみのあるベージュ×ホワイトで落ち着ける雰囲気です。
廊下を挟んだスペースにはトイレがあります。奥さまとご友人のアーティスト、AKIKOさんの絵とペンダントライトの明かりで雰囲気のある空間に。「シェードは白漆で仕上げたレザー。ペンダントライトが好きなので、ここはいろいろ付け替えも楽しめたら」と奥さま。
ご夫婦それぞれの個性が表れた寝室
お仕事柄、ご夫婦で起床や就寝の時間が異なるため、LDKの隣にある2部屋をそれぞれの寝室にしています。どちらの寝室もカーペット敷きと薄いベージュのクロスで温かみのある空間です。
こちらは奥さまの寝室。ベッドカバーやラグ、カーテンなど、ファブリックのアイテムも素敵です!
寝室にもハンガーパイプを設置。観葉植物のハンギングにも活用しています。
こちらはご主人の寝室。カーペットやクロスは奥さまの寝室と同じなのに、シーリングライトや家具を黒でまとめた空間はまた雰囲気が異なりますね。よく見ると猫の絵やぬいぐるみなどかわいらしいアイテムも!
奥はWICです。「洋服だけではなく、季節ものの家電なども収納できるので、作ってよかったスペースです」とご主人も満足そう。
インテリアに長く携わる奥さまのお好みを散りばめつつも、ご主人も心地よく過ごせる空間となった今回のリノベーション。「食器棚をオーダーしたり、ドアを造作したり、将来的にやりたいこともいっぱいなんです」と目を輝かせる奥さまをにこにこ見守るご主人の様子に、仲のよさが伝わってほっこり。
勤務日は生活サイクルの異なるおふたりですが、夕食はいつも一緒にとり、月に数回はお休みを合わせるようにしているのだそう。目下のお出かけ先は、猫ちゃんの譲渡会です。猫が快適に暮らすための準備も万端に仕上げたこのお住まいに、かわいい子猫がやってくる日も近そうですね!
お忙しい中、取材・撮影にご協力いただき、ありがとうございました。
取材・文/ライター吉永美代
撮影/カメラマン清永洋