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"SHUKEN Re"

INTERVIEW
お客様インタビュー|リノベのその後

Work with cats

この記事の見所ポイント

  • 建築家の作風を参考に、木をたっぷり使った和モダンな空間を実現
  • 猫たちが楽しく遊べる収納家具やブリッジを造作
  • 4つの部屋を引き戸で間仕切り。開けると広々としたワンルームに
  • 水回りはコンパクトでも使いやすさとデザインにこだわりを

 

Mさまご夫妻のお住まいは、分譲タイプの都営住宅。広い敷地は緑が多く、都内とは思えないほどゆったりとした環境です。

 

10数年前にはお隣のお部屋も購入し、日本語教師をされている奥さまのお仕事場として使われてきました。ご自宅のほうは一度リフォームしたものの、お仕事場のほうは古いまま。特に床や壁が老朽化していたことから、今回リノベーションしようと思い立ったといいます。

 

リノベーションの目的は、気持ちよくお仕事に集中できる環境にすること、趣味を楽しめる場所をつくること、そして2 匹の猫ちゃんたちと楽しく遊べるようにすることでした。

 

 

猫と楽しく過ごせるワークスペースを

 

「もう30年くらい猫を飼っていて、今の2 匹は3代目にあたります。どちらも保護猫で、名前は“もも”と“すず”。知らない人はちょっと苦手だけど、今日はももを連れてきてみました」

 

 

ももちゃんは美しい毛並みの茶トラの女の子。「子猫の頃から友達に『この子はディーバになるわよ』と言われていたんですよ(笑)」とMさまの言う通り、凛とした気高い雰囲気を漂わせています。

 

 

 

そんなももちゃん、すずちゃんのために用意したのが、キャットウォークを兼ねたこちらの階段シェルフ。向かい側の本棚との間にブリッジを架けたことで、高いところが好きな猫ちゃんの恰好の遊び場になりました。

 

シェルフとブリッジ、本棚はすべて造作。タモ集成材と化粧板を組み合わせ、収納したいものに合わせて設計しました。

 

 

シェルフの上段には、丸い穴を通って入る猫ちゃんのベッドスペースも。特にももちゃんが愛用しているそうです。

 

 

大きな本棚の中にはお仕事関係の蔵書がぎっしり!日本語教師として30年ものキャリアをもつMさまにとって、本の収納場所はずっと悩みの種だったとか。

 

「自宅や仕事場であちこちに分散していたから、どこか1か所にまとめたくて。この本棚ができたおかげで探す手間が省けて、テーマごとに整理するのもラクになりました」

 

 

Mさまが毎日使うデスクはお部屋の真ん中にレイアウト。明るい自然光の中でお仕事に取り組めて、猫ちゃんたちが遊ぶ姿を間近に眺められます。

 

 

内装にたっぷりと木を使ったのもMさまのこだわり。床は「朝日ウッドテック」の「ライブナチュラルMSX」のホワイトオークタイプ。天井は「nojimoku」の杉の小幅風羽目板です。

 

 

掃き出し窓の手前には内窓をプラス。ガラスのかわりに採用した透明のアクリル板は、右下の1か所だけ空けておき、その奥にキャットドアを設置しました。お隣のご自宅とベランダがつながっているため、猫ちゃんたちは自由に行き来しながら暮らしているのだそう。

 

「ただし、このドアを使ってくれるのはすずだけ。ももは私が窓を開けるまで待っているんです。そのあたりもやっぱりディーバなのよね(笑)」。猫ちゃんそれぞれのキャラクターが伝わる、かわいらしいエピソードです。

 

 

憧れの建築家の作風を参考に

 

 

間取りはもともと3LDKでしたが、LDKが奥まっていて光が届かなかったり、窓に面していない部屋が物置になってしまったりと、使いにくさを感じていたそう。

 

そこで間仕切りをすべて引き戸に変更。フルオープンにするとすべての空間がつながるようにリノベーションしました。ワークスペースまで天井がつながっているのも見どころです。

 

 

LDKを囲む2面の引き戸は、内窓と同じ障子風のデザインに。半透明のやわらかな光が奥まで届くようになりました。和紙ではなく樹脂製のアクリワーロンが使われているので、猫ちゃんが破ってしまう心配もありません。

 

実はこのデザインは、建築家の吉村順三さんの作風が元になっています。「お友達が吉村さんのデザインしたマンションに住んでいて、遊びに行ったらすごく素敵だったんです。そこでリノベーションの打ち合わせの時に、室内はこんなデザインにしたいとリクエストしてみたんですよ」

 

MさまとSHUKEN Reの最初のご縁は、リノベーションや家づくりをサポートする「SUVACO」でした。そこで何社が検討された中で、デザインがMさまの感性に合っていたのが私たちだったのだそう。

 

「HPで事例集を見ていて、作り込みすぎていないシンプルなデザインが気に入ったんです。さらに惹かれたのは、猫と暮らしている方の事例が多かったこと。ここなら猫の居心地のよさについても考えてくれて、自分の理想の仕事場がつくれそう!と感じました」

 

吉村順三さんのようなデザインを、という要望もすんなりとプランナーに伝わり、造作建具や羽目板の天井などを採用することに。イメージ通りのすっきりした和モダンな空間が形になりました。

 

 

LDKに隣接するこちらのお部屋は、Mさまの趣味室。オンラインでお友達とつながりながら、大きな鏡の前でトレーニングするのが習慣なのだそう。奥に続くのはもう1つのワークスペースで、おもにお仕事の接客に使う予定とか。

 

 

壁は「サンゲツ」で選んだきれいなブルーのアクセントクロス。下地にはマグネットウォールを採用し、ご主人とのご旅行で集めたという世界各地のマグネットが飾られていました。

 

 

タイル使いが素敵な水回り

 

 

 

リノベーションを機に、浴室以外の水回り設備も一新しました。コンパクトなキッチンは「ミラタップ」、レンジフードは「富士工業」の製品です。

 

「料理と食事は隣の自宅でするので、このキッチンではお茶をいれるくらい。今は冷蔵庫もありませんが、いずれ必要になったら置けるように、背面収納のスペースにコンセントだけ準備しました」

 

 

壁面は「タイルパーク」のシンプルな白いタイル 「エルサ」。プランナーがご提案した中から好みのものを選ばれました。

 

「設備や建材は自分ではなかなか探しきれないので、素敵なものを提案してくれて助かりました。これもSHUKEN Reさんにお願いしてよかった!と思うポイントです」

 

 

キッチンの奥には引き戸を設け、玄関土間に直結させました。廊下を回り込まずに玄関とキッチンを行き来できる、便利な動線です。これなら買い出し後の荷物の運び込みもスムーズに。住居をリノベーションされる方にも、ぜひ参考にしてほしいプランです。

 

 

以前はキッチンの奥に無駄なスペースがあり、そのぶん玄関が狭かったといいます。「仕事でお客さまが来ることがあるので、玄関土間はなるべく広くしたかったんです。リビングドアをガラス入りにしたこともあって、明るさもアップしてゆったりした空間になりました」

 

 

玄関とリビングの間には洗面室が。ここにはもともと既製品の洗面台が設置されていましたが、奥行きが深すぎて圧迫感があり、人が立つスペースが狭いのが不満だったそう。

 

新しい洗面台は使い勝手に合わせて造作。「AICAのメラミン化粧板」のカウンターに「ミラタップ」の手洗いボウルを組み合わせ、身動きしやすいように奥行きを浅くしました。

 

カウンター下は猫ちゃんのトイレスペース。床を「サンゲツ」のフロアタイルで仕上げたので、水はねや汚れが気になることはありません。

 

 

壁にはキッチンと同じ「タイルパーク」でサブウェイタイルを選びました。洗面用具を置く必要がないためメディシンボックスなどはつけず、ミラーのみですっきりと仕上げています。

 

 

「トイレは真っ白だとつまらないから、好きな色をポイントとして使いました」。「リリカラ」のアクセントクロスは深いネイビー。「TOTO」の白いトイレとの組み合わせで、きりっとした清潔感が生まれました。

 

 

新しい環境でお仕事も再スタート

 

ご自宅の改修工事を経験しているMさまにとって、今回のリノベーションは2 度目。「やっぱり2 度目だと違いますね。どこをどんなふうに変えたいかをしっかりイメージできて、プランナーさんにもお伝えすることができました」

 

リノベで生まれ変わった仕事場は快適そのもの。どのスペースも明るく風通しがよくなって、木に包まれるような心地よさがあるといいます。

 

「たまたまなのですが、今ちょうど仕事上の過渡期なんですよ。働く環境を一新したタイミングで、心機一転、仕事も方向転換していこうかなと思っています。

 

猫たちがくつろいでくれているのもうれしいですね。最初はおそるおそる部屋じゅうを探索していたけれど、すぐに慣れてそれぞれのお気に入りの居場所を見つけました」

 

 

ももちゃんはキャットウォーク、すずちゃんはリビングのソファが定位置なのだとか。お隣のご自宅と自由に行き来しながら気ままに過ごす、猫ちゃんにとっても理想の環境になりました。

 

 

お忙しい中、取材・撮影にご協力いただき、ありがとうございました。

 

 

取材・文/ライター後藤由里子

撮影/カメラマン清永洋