ビールがおいしい大空間
この日訪ねたのは、ご夫妻と小学生の2人のお子さまが暮らすSさま邸。シーリングファンもある斜め天井のLDが、のびのびとして気持ちよさそうですね!
「落ち着いた雰囲気にしたい」という希望から、床はダークカラーのフローリングに。
ご主人のアイディアで天井を床と色を合わせた木目調クロスで仕上げ、白い壁の大空間がキュッと引き締まりました。
リビングにはグルニエ(屋根裏部屋)へと続く階段もあるのですが……なんと!
実はこちら、マンションの一室なんです! LDが吹き抜けになっているなんて、リゾートのセカンドハウスみたいで素敵ですよね。
当初ここにはLDと洋室の2部屋が並んでいましたが、吹き抜けになっていたのは右手のLDだった部分だけ。左手の洋室だった部分はごく普通の天井高の部屋だったそう。
リノベでLDと洋室の間仕切り壁と洋室の天井板を撤去したことで、この大空間が生まれたのでした。
ご主人と奥さまは同じ会社にお勤めで、3年ほど前までご家族で名古屋に暮らしていました。
ご夫妻ともに東京に転勤になり、当初はご主人のご実家のある浦安市内で会社の借り上げ社宅に暮らしていたとか。
ロフト付きの個性的な物件と遭遇!
子育て環境のいい浦安市が気に入り、物件購入をうっすらと考え始めたものの、名古屋時代に住んでいたマンションと同じような物件には面白みが感じられず、「しばらくは借り上げ社宅のままでも……」と思うように。
「その矢先に、それまで住んでいた借り上げ社宅の別棟の物件のオープンハウスの告知を見つけて、初日に見に行ってみたんです。
広さもあるし、ロフトつきの天井高のある個性的な物件で、その日のうちに決めてしまいました(笑)」と奥さま。
「30年以上前の新築時から一度もリフォームされていない物件という点も魅力的に映った」とご主人。
「フルリノベ前提っていうのもおもしろいかなと思いました」
ミックス猫のアルくん&シャンくんもいるSさま邸。ちょうどテレビの下のネコトンネルからアルくんが出てきてくれました!
リノベで吹き抜けの広々としたLDを実現したいと思っていたSさま夫妻でしたが、同時に、“ネコ仕様”をプラスすることもはずせない希望のひとつでした。
テレビを設置した壁の奥は階段下のデッドスペース。壁面にネコトンネルを設置して、内部をネコのトイレスペースにしています。
横から見るとこんな感じに。扉をつけたので内部のお掃除もラクラクです。上部にもおそろいの扉をつけて、収納スペースとして無駄なく活用!
リノベでネコのトイレ問題を解決
現在のキッチンの上部にはしごで上がるタイプのロフトがあり、上り下りがしやすいように階段を設けることもSさまの当初からの希望でした。そのおかげで、階段下を活用したネコ用スペースも実現できたというわけです。
「以前の住まいではリビングにネコ用トイレをむき出しで置いていて、それがストレスだったんです。猫砂が散らかるし、においもあるし、お客さんを呼びにくかったんですよね」と奥さま。
さてさて、次は気になるグルニエを見せていただきましょう!
こちらがリノベで新設したグルニエへと続く階段です。マンションリノベで階段をつくることができるんですね~。
リビングとの間仕切りに格子状の木材を使ったのは奥さまのアイディア。
「デザインがよくなるかなと思って」とのことで、まさにLDのポイントになっています。
落下防止も兼ねているので、お子さんたちが勢いよく上り下りしても安心ですね。
こちらがグルニエの内部です。天井の低さがかえって秘密基地みたいで楽しそうですね!
「兄弟で遊んでいたり、友だちを連れて来たり、子どもたちのたまり場になっています(笑)」
もともとここははしごで上がるロフトだったのですが、階段を設けて、内装を一新して、「荷物置き場」から「快適に過ごせる空間」に大変身。
LD全体が見下ろせる室内窓もあって、閉塞感がないのもポイントです。
次男くんにリノベ後のお気に入りのスペースを聞くと、予想どおり!?「グルニエ!」という答えが返ってきました~。
ところ変わって、こちらはグルニエのちょうど真下に当たるキッチンです。
システムキッチンは、ぬめりの発生を抑えたりキッチン用品の除菌ができる「きれい除菌水」の機能にひかれて、「TOTO」の製品をチョイスしたそう。
食洗機は「ミーレ」。奥さまは海外製の食洗機を採用したいと思っていたそうで、「前がパカッと開くので出し入れがしやすいですし、鍋も入る大容量が気に入っています」
そして、奥さまのこだわりがもうひとつ。床のフロアタイルです。
「インパクトがあって、よくある感じじゃないのがおもしろいかなと選びました」。
システムキッチンを白にしたのも、このフロアタイルが映えるようにと考えてのことだったとか。
最近はLDと一体になったオープンキッチンを希望するかたも多いですが、Sさま邸では既存のキッチンスペースを生かしたクローズド型に。
実は、名古屋の住まいも直近まで暮らしていた借り上げ社宅もオープンキッチンだったそうですが、「ちょっと物が出ているだけで生活感が出てしまう」という実体験から、あえてクローズドキッチンを選んだそう。
現在、リノベを検討中のかたには、とても参考になるご意見ではないでしょうか?
キッチンは開口部のすぐ右手にある棚の分だけLD側に拡張しているのですが、そのおかげで冷蔵庫置き場が確保でき、LDからアクセスのいい場所に文具などの収納スペースができました。
“提案力”が決め手になってSHUKEN Reに依頼
「プランナーさんが、キッチンをここまで広げてもLDはそれほど狭くはならないということを、床にテープを貼って説明してくれたんです。それがすごく分かりやすかったですね」と奥さま。
「リノベ会社はSHUKEN Reさんを含めた4社で検討したのですが、いつもこちらのイメージがわくような説明をしてくれたのがSHUKEN Reのプランナーさん。提案力がいちばんの決め手になりました」
ご主人も、「自由度が高かったので悩んでしまう場面も多かったのですが、いろいろと提案してもらったことで方向性も定まったので助かりました」とおっしゃってくださいました。
こちらは、先ほどのキッチンの入り口横にあったドアの内部です。
WICと思いきや、奥にチラッと見えるのはご夫妻の寝室。
「デッドスペースを減らしたくて、寝室への通路を兼ねたウォークスルークローゼットにしたんです」と奥さま。
「服をたくさん掛けられるようにハンガーパイプがたくさん欲しい」
「長年使っているチェストがぴったりおさまるようにしたい」という希望もしっかり実現することができました。
奥の寝室へと進むにつれて、思わず歓声を上げてしまったスタッフ。
そこは、南北の2面にルーフバルコニーがある開放感満点のお部屋でした!
寝室の一角にはご主人の在宅勤務用のスペースも。
昇降式のデスク天板を高めに設定して、ランニングマシーンに乗って「歩きながら」お仕事をすることもあるとうかがい、びっくり。
ご主人は週2日ほど、奥さまはほぼ毎日が在宅勤務とのことで、ご夫妻それぞれのデスクコーナーを設けることもリノベの希望のひとつだったとか。
WIC側の壁は、アクセントクロスで素敵に仕上げてありました。ご主人の好みに合わせた落ち着いた雰囲気のクロスを選んだそう。
この部屋はLDから出入りする間取りになっていますが、入り口のドアを閉めれば完全に遮断されるため、WICも寝室もゲストの目に触れることはありません。
こちらは洗面室です。洗面台は「クリナップ」のもので、淡いブルーの人工大理石のカウンターに奥さまがひと目惚れしてしまったとか。
「統一感」を意識して、床はキッチンとおそろいのフロアタイルに。
自然と洗面台のキャビネット扉もキッチンと同じ白に落ち着きました。
ミラーキャビネット下の壁に採用したタイルは、20個ほどあった候補の中から家族会議で決めたとか。
ミラーキャビネット、洗面台下、洗濯機上と、収納スペースがたくさんできて、洗剤のボトルなどを外に出したままにしなくてよくなったこともリノベ後のうれしいポイントだそうです。
こちらは玄関です。たたき部分に使った水回りと同じフロアタイルが効いていますね。
以前は左手にあったシューズボックスを右手に移動して、左手には大容量のクローゼットを新設しました。
在宅時間が長くなり、何かスポーツを……と家族でテニスを始めたSさま一家。
長男くんはサッカーもしているので、このクローゼットがスポーツ用品の収納場所としてとても重宝しています。
LDK方向に続く廊下の手前には、格子のデザインが効いたドアが1枚。
2匹のネコちゃんが玄関から外に飛び出さないようにという目的と、子ども部屋で粗相をしてしまう年下のシャンくんが、こちら側に来られないようにする目的があるとか。
玄関正面にはコートクローゼットも設置。
下部は、子ども部屋に入ることを許された!?アルくん用のトイレスペースになっています。
ペットの個性に合わせて、細かい造作ができるのもリノベの魅力ですね。
こちらは、現在小学2年生の次男くんの部屋です。ぬいぐるみのように見えますが、出窓部分にアルくんがいるのが分かるでしょうか~?
個室はそれぞれが好きなアクセントクロスを選ぶことにしたそうで、こちらはペールブルーのクロスをチョイス。
エメラルドグリーン調のアクセントクロスにしたのは、現在小学5年生の長男くんの部屋。
クローゼットをWICに変更した次男くんの部屋に対して、居室部分の広さ確保のため、こちらはクローゼットのままにしました。
リノベで念願だった「人を呼べる住まい」に!
入居からまだ3ヵ月という時期におじゃましましたが、さっそく念願だったホームパーティを楽しんでいるというSさま夫妻。
「リビングが広くなって人を呼べるようになったので、楽しく過ごせています」とご主人。
「隠す収納派」だという奥さまは、「物を隠せるので生活感が出なくなって、ネコまわりのものも隠すことができたのがうれしいですね。でもやっぱり、人を呼べるおうちになったというのがいちばんうれしいかな」
ホームパーティでは、ゲストの皆さんからも「素敵!」「マンションじゃないみたい!」とこの住まいをほめてもらえるとか。
ちなみに、Sさま邸のホームパーティの定番は、「ビールサーバーでビールをおいしく飲む!」。見晴らしも風通しもいい吹き抜けの大空間。ここで飲むビール、最高ですね!
お忙しい中、取材・撮影にご協力いただき、ありがとうございました。
取材・文/ライター志賀朝子